セイコーの時計を選ぶ際、最も気になるのが「どのシリーズがどのランクに位置するのか」という疑問ではないでしょうか。実際のところ、セイコーには明確な公式ランク付けは存在しませんが、価格帯や機能性、ブランドポジショニングから一定のヒエラルキーが形成されています。一般的には、グランドセイコーを頂点として、クレドールやガランテといったラグジュアリーライン、そしてアストロン、プロスペックス、プレザージュなどの実用ラインという構造になっています。
この記事では、セイコーの複雑なブランド構造を整理し、各シリーズの特徴や位置づけを詳しく解説していきます。また、価格帯別の選び方や、中古市場での評価、さらには限定モデルの価値まで幅広くカバーしています。セイコー選びで迷っている方にとって、きっと参考になる情報が満載です。
この記事のポイント |
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✅ セイコーの実際のランク順序と各ブランドの位置づけが分かる |
✅ 価格帯別のおすすめモデルと選び方のコツを理解できる |
✅ グランドセイコーが最高峰とされる理由が明確になる |
✅ 中古市場での価値動向と投資観点での評価を把握できる |
セイコーランク順の基本構造を徹底解明
- セイコーランク順の実際の格付け体系
- グランドセイコーが最高峰である理由
- クレドールとガランテの位置づけ
- アストロンの特別なポジション
- プレザージュがセイコー機械式の上位コレクション
- プロスペックスがスポーツウォッチの核となる理由
セイコーランク順の実際の格付け体系
セイコーのランク順を理解するためには、まずブランドの基本構造を把握することが重要です。2017年にグランドセイコーがセイコーから独立したことで、現在のヒエラルキーが確立されました。
最上位には間違いなくグランドセイコーが君臨しています。これは価格帯だけでなく、技術力や品質、国際的な評価すべてにおいて他を圧倒しているためです。続いて、宝飾・ラグジュアリー系としてクレドールとガランテが位置しています。
🏆 セイコーブランドヒエラルキー表
ランク | ブランド | 価格帯 | 特徴 |
---|---|---|---|
最高峰 | グランドセイコー | 30万円~300万円以上 | 実用最高級時計 |
ラグジュアリー | クレドール | 50万円~2億円超 | 宝飾・装飾重視 |
ラグジュアリー | ガランテ | 30万円~100万円 | エレガンス志向 |
上級実用 | アストロン | 15万円~50万円 | GPS技術の最先端 |
中上級 | プロスペックス | 3万円~60万円 | スポーツ・プロ仕様 |
実際の市場では、機械そのものの完成度においてはグランドセイコーが最高峰とされています。一方で、装飾性や希少価値を重視する場合は、クレドールが2億円を超えるモデルを展開していることから、価格的な頂点に位置することもあります。
しかし、一般的な時計愛好家が「セイコーのランク順」を尋ねる場合、多くは実用性と品質のバランスを求めているため、グランドセイコーを最高峰とする認識が主流となっています。これは、スイス高級時計に対抗できる唯一の日本ブランドとしての地位を確立していることも理由のひとつです。
グランドセイコーが最高峰である理由
グランドセイコーがセイコーランク順の頂点に位置する理由は、単純に価格が高いからではありません。むしろ、その技術的な革新性と品質への徹底的なこだわりにあります。
最も注目すべきはスプリングドライブ技術の存在です。これは世界でも類を見ない、機械式とクォーツの良いところを組み合わせた革新的なムーブメントです。月差±15秒という高精度を実現しながら、機械式時計の美しいムーブメント鑑賞も楽しめる、まさにハイブリッド技術の結晶と言えるでしょう。
🔧 グランドセイコーの技術的優位性
技術要素 | 内容 | 他ブランドとの差別化 |
---|---|---|
スプリングドライブ | 独自のハイブリッド駆動 | 世界唯一の技術 |
ザラツ研磨 | 鏡面仕上げ技術 | スイス製を凌駕する美しさ |
9Fクォーツ | 年差±10秒の超高精度 | 一般クォーツの10倍精密 |
セイコースタイル | 視認性重視デザイン | 機能美の追求 |
また、製造工程の垂直統合も大きな強みです。ムーブメントの設計から部品製造、組み立て、調整まで、すべてを自社で行うことで、一貫した品質管理を実現しています。これは多くのスイス高級ブランドでも難しい芸当です。
さらに、2018年からはエボリューション9コレクション、ヘリテージコレクション、エレガンスコレクション、スポーツコレクションという明確なコレクション分けを行い、多様なニーズに対応できる体制を整えました。これにより、単なる高級時計ブランドから、総合的なラグジュアリーウォッチメーカーへと進化を遂げています。
国際的な評価も非常に高く、2021年には「白樺」と呼ばれるSLGH005が**ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ(GPHG)**でメンズウォッチ部門賞を受賞しました。これは日本の時計メーカーとしては快挙と言える出来事です。
クレドールとガランテの位置づけ
セイコーランク順において、クレドールとガランテは特殊なポジションを占めています。これらは実用時計としてのグランドセイコーとは異なる、ラグジュアリー・宝飾路線のブランドとして展開されています。
クレドールは特に注目すべき存在です。過去には2億円を超える超高額モデルを発表したこともあり、純粋な価格面ではセイコーグループの最高峰に位置することもあります。しかし、これは主に貴金属や宝石を贅沢に使用した装飾性によるもので、時計としての機械的な完成度とは別の価値軸となります。
💎 ラグジュアリーライン比較表
ブランド | 主な特徴 | 価格帯 | ターゲット層 |
---|---|---|---|
クレドール | 宝飾重視・超高級 | 50万円~2億円超 | コレクター・富裕層 |
ガランテ | エレガンス重視 | 30万円~100万円 | ビジネスエリート |
グランドセイコー | 実用最高級 | 30万円~300万円 | 時計愛好家全般 |
ガランテはクレドールよりもアクセスしやすい価格帯で、エレガントなデザインに重点を置いたラインです。ビジネスシーンでの使用を想定した、洗練されたドレスウォッチが中心となっています。
興味深いのは、これらのラグジュアリーラインが一般的なセイコーランク順の議論にはあまり登場しないことです。これは、多くの時計愛好家が「セイコーらしさ」を求める際に、実用性と技術力を重視する傾向があるためと推測されます。そのため、実際の市場での認知度や人気度では、グランドセイコーが圧倒的な存在感を示しています。
アストロンの特別なポジション
アストロンは、セイコーランク順において非常にユニークなポジションを占めています。技術的な革新性という点では、グランドセイコーと並ぶか、場合によってはそれを上回る存在とも言えるでしょう。
2012年に発表された世界初のGPSソーラーウォッチという肩書きは、1969年の世界初クォーツ時計「アストロン」の名前を復活させた、まさにセイコーの技術力の象徴です。地球上のどこにいても、GPS衛星からの信号を受信して自動的に時刻とタイムゾーンを調整するこの技術は、他の時計メーカーには真似できない独自性を持っています。
🛰️ アストロンの技術的特徴
機能 | 詳細 | 競合比較 |
---|---|---|
GPS受信 | 全世界対応自動時刻調整 | 独占技術 |
ソーラー充電 | 電池交換不要 | 圧倒的な実用性 |
ワールドタイム | 複数タイムゾーン対応 | 最高レベルの精度 |
チタン素材 | 軽量・高耐久性 | 装着感の良さ |
価格帯的には15万円から50万円程度と、グランドセイコーの下位モデルと重複する部分があります。しかし、アストロンが提供する価値は純粋に実用的なもので、特に海外出張が多いビジネスパーソンや旅行愛好家にとっては、グランドセイコー以上に魅力的な選択肢となることも多いのです。
また、アストロンは大谷翔平選手のコラボレーションモデルなど、話題性の高い限定モデルも積極的に展開しています。これらのモデルは発売と同時に完売することが多く、中古市場では定価を大幅に上回る価格で取引されることもあります。
セイコーランク順において、アストロンは技術革新性という軸では最高峰に位置しながら、伝統的な時計愛好家向けという軸ではグランドセイコーに譲る、という独特なポジションを確立していると言えるでしょう。
プレザージュがセイコー機械式の上位コレクション
プレザージュは、2017年のグランドセイコー独立後、セイコーブランドにおける機械式時計の最上位コレクションに格上げされました。これにより、セイコーランク順における重要性が大幅に向上しています。
プレザージュの最大の特徴は**「Made in JAPAN」を強く意識したコンセプトです。文字盤には漆、琺瑯、有田焼などの日本の伝統工芸技術を積極的に取り入れており、海外市場でも高い評価を獲得しています。価格帯は4万円台から40万円台**と幅広く展開されており、機械式時計の入門者から愛好家まで幅広いニーズに対応しています。
🎨 プレザージュの日本文化要素
技術・素材 | 採用モデル | 文化的意義 |
---|---|---|
漆文字盤 | SARW系列 | 伝統工芸の最高峰 |
琺瑯文字盤 | SARX系列 | 耐久性と美しさ |
有田焼文字盤 | SARW049など | 磁器文化の継承 |
江戸切子 | 限定モデル | 職人技の結晶 |
技術的には、セイコー独自の**「トライマチック」技術**を搭載したモデルが多く、日差-15秒~+25秒という高精度を実現しています。これは同価格帯の他ブランドと比較しても優秀な性能です。
また、プレザージュはデザインの多様性も大きな魅力です。クラシカルなドレスウォッチから、スポーティなクロノグラフ、さらには和風テイストの個性的なモデルまで、非常に幅広いラインナップを展開しています。これにより、「機械式時計は欲しいけれど、グランドセイコーは予算的に厳しい」という層にとって、最適な選択肢となっています。
セイコーランク順におけるプレザージュの位置づけは、グランドセイコーに次ぐ機械式時計の高級ラインとして確立されており、特にコストパフォーマンスという観点では、同価格帯で最強の選択肢の一つと言えるでしょう。
プロスペックスがスポーツウォッチの核となる理由
プロスペックスは、セイコーランク順においてスポーツウォッチカテゴリーの中核を担う重要なブランドです。その歴史は1965年の国産初150m防水ダイバーズウォッチにまで遡り、プロフェッショナルユースに向けた時計作りの伝統を受け継いでいます。
価格帯は3万円から60万円と非常に幅広く、エントリーレベルから本格的なプロ仕様まで、あらゆるニーズに対応しています。特に注目すべきは、「ツナ缶」の愛称で知られるプロフェッショナルモデルの存在です。これらは海外でも絶大な人気を誇り、中古市場でも高い価値を維持しています。
⚡ プロスペックスの主要カテゴリー
カテゴリー | 代表モデル | 特徴 | 価格帯 |
---|---|---|---|
ダイバーズ | マリーンマスター | 1000m防水対応 | 20万円~60万円 |
パイロット | フライトマスター | 航空計算尺搭載 | 15万円~40万円 |
フィールド | アルピニスト | 登山・アウトドア | 3万円~20万円 |
ソーラー | ソーラークロノ | GPS対応モデル | 10万円~35万円 |
技術的な特徴としては、高い防水性能、耐磁性、耐衝撃性などがあげられます。また、2019年からは奥山清行氏をデザインアドバイザーに招聘した「LXライン」が追加され、デザイン性も大幅に向上しています。
プロスペックスの強みは、実用性と信頼性にあります。実際に過酷な環境で使用されることを前提として設計されているため、日常使いにおいては圧倒的な安心感を提供してくれます。また、メンテナンス性も優秀で、部品の入手が容易で修理コストも抑えられるという実用的なメリットもあります。
セイコーランク順において、プロスペックスはコストパフォーマンスと実用性で他を圧倒する存在として位置づけられています。特に初めてのスポーツウォッチを探している人にとっては、最も推奨される選択肢の一つと言えるでしょう。
セイコーランク順を価格帯別に詳しく解説
- 高級ライン(50万円以上)のランク順位置
- 中級ライン(10-50万円)の競争が激しい理由
- エントリーライン(10万円以下)でも侮れない品質
- 女性向けモデルのランク順序列
- 限定モデルがランク順を超越する価値
- 中古市場でのランク順評価動向
- まとめ:セイコーランク順
高級ライン(50万円以上)のランク順位置
50万円以上の高級ラインにおけるセイコーランク順は、明確な階層構造を持っています。この価格帯では、技術的な完成度とブランド価値が重要な評価軸となります。
最上位には間違いなくグランドセイコーのフラッグシップモデルが位置します。特にエボリューション9コレクションの「白樺」(SLGH005)や「岩手山」クロノグラフ(SLGC001)などは、100万円前後の価格帯で世界最高峰の技術力を体感できるモデルとして高く評価されています。
💰 高級ライン価格帯別ランキング
価格帯 | 代表モデル | ブランド | 特徴 |
---|---|---|---|
200万円超 | クレドール限定 | クレドール | 宝飾・希少価値重視 |
100-200万円 | エボリューション9 | グランドセイコー | 技術の最高峰 |
80-100万円 | マスターピース | グランドセイコー | 完成度の高さ |
50-80万円 | ヘリテージ上位 | グランドセイコー | 伝統と革新 |
クレドールは価格的には最高峰に位置しますが、これは主に貴金属や宝石による装飾価値によるものです。純粋な時計としての機械的完成度を重視する場合は、グランドセイコーの方が高く評価される傾向があります。
この価格帯で注目すべきは、スプリングドライブ搭載モデルの存在です。世界でもセイコーしか実現できないこの技術は、機械式時計の美しさとクォーツの精度を両立させた革命的なイノベーションと言えます。特に80万円以上のモデルでは、約120時間のロングパワーリザーブを実現した最新ムーブメント「9RA2」を搭載したモデルも登場しています。
また、この価格帯ではチタン素材の使用も一般的になります。グランドセイコー独自の「ブライトチタン」は、ステンレスより約30%軽量でありながら、優れた耐食性と美しい仕上がりを実現しています。これにより、装着感と耐久性の両方で優れた体験を提供しています。
中級ライン(10-50万円)の競争が激しい理由
10万円から50万円の中級ラインは、セイコーランク順において最も競争が激しい価格帯と言えます。この価格帯には、グランドセイコーのエントリーモデルから、アストロン、プレザージュ、プロスペックスの上位モデルまで、多様なブランドが混在しているためです。
この価格帯で最も人気が高いのは、グランドセイコーの「雪白」(SBGA211)です。約60万円という価格で、スプリングドライブの革新技術とブライトチタンの軽量性を体験できる、コストパフォーマンス最高峰のモデルとして位置づけられています。
🏆 中級ライン人気ランキング
順位 | モデル | ブランド | 価格 | 人気の理由 |
---|---|---|---|---|
1位 | SBGA211「雪白」 | グランドセイコー | 約60万円 | スプリングドライブ入門 |
2位 | SBXB071 | アストロン | 約40万円 | GPS技術の最先端 |
3位 | SARW041 | プレザージュ | 約15万円 | 機械式の高コスパ |
4位 | SBDC105 | プロスペックス | 約25万円 | 実用性の高さ |
5位 | SBGX265 | グランドセイコー | 約25万円 | 9Fクォーツの精度 |
アストロンは技術的な革新性で独自のポジションを確立しています。特に大谷翔平モデルなどの限定版は、発売と同時に完売する人気ぶりです。GPS機能により世界中どこでも正確な時刻を表示できるという実用性は、頻繁に海外出張をするビジネスパーソンには特に魅力的です。
プレザージュは機械式時計の中では圧倒的なコストパフォーマンスを誇ります。15万円前後で本格的な機械式時計を手に入れられ、さらに漆や琺瑯といった日本の伝統工芸を文字盤に使用したモデルは、海外での評価も非常に高くなっています。
この価格帯の競争が激しい理由は、購入者のニーズが多様化していることにあります。ブランド志向の人はグランドセイコーを選び、技術志向の人はアストロンを、コスパ重視の人はプレザージュを選ぶといった具合に、明確に棲み分けが行われています。
エントリーライン(10万円以下)でも侮れない品質
10万円以下のエントリーラインは、セイコーランク順の基盤を支える重要なカテゴリーです。この価格帯でも、セイコーの高い技術力と品質管理により、他ブランドを圧倒する性能を実現しています。
中心となるのはセイコーセレクション、ブライツ、プロスペックスのエントリーモデルです。特にセイコーセレクションは、1万円台から6万円台という幅広い価格帯で、電波ソーラー機能を搭載したモデルを多数展開しています。
⭐ エントリーライン技術比較表
ブランド | 主要技術 | 価格帯 | 代表的な機能 |
---|---|---|---|
セイコーセレクション | 電波ソーラー | 1-6万円 | 自動時刻調整 |
ブライツ | ワールドタイム | 6-15万円 | 世界時計対応 |
プロスペックス | ダイバーズ | 3-15万円 | 高防水性能 |
セイコー5スポーツ | 機械式 | 3-5万円 | 自動巻き入門 |
セイコー5スポーツは、機械式時計の入門として非常に重要な存在です。2019年に復活を果たしたこのシリーズは、3万円台で本格的な自動巻き時計を提供しており、機械式時計の魅力を多くの人に伝える役割を果たしています。
注目すべきは、この価格帯でも妥協のない品質管理が行われていることです。例えば、3万円のセイコー5スポーツでも、約40時間のパワーリザーブや10気圧防水といった実用的な機能がしっかりと搭載されています。
また、ドルチェやルキアといった、よりドレッシーなラインも展開されています。これらは主にペアウォッチとして人気が高く、結婚記念日や恋人へのプレゼントとして選ばれることが多いモデルです。
エントリーラインの大きな魅力は、将来のステップアップへの道筋が明確に見えることです。セイコー5スポーツで機械式時計の魅力を知り、次にプレザージュ、最終的にはグランドセイコーへと、自然な流れでブランド内を昇格していくことができます。
女性向けモデルのランク順序列
女性向けモデルにおけるセイコーランク順は、男性向けとは異なる独特の評価軸を持っています。デザイン性、サイズ感、装身具としての価値が重要な要素となり、技術力だけでは測れない魅力があります。
最上位にはグランドセイコーのレディースコレクションが位置します。特にエレガンスコレクションは、女性の手首にフィットする絶妙なサイズ感と、ダイヤモンドをあしらった華やかなデザインで高い人気を誇っています。価格帯は30万円から100万円程度となっています。
👸 女性向けモデル人気ランキング
ランク | ブランド・モデル | 価格帯 | 特徴 |
---|---|---|---|
最高級 | グランドセイコー エレガンス | 30-100万円 | 技術力×美しさ |
高級 | ルキア プレミアム | 10-30万円 | 綾瀬はるか着用 |
中級 | ルキア スタンダード | 5-15万円 | 電波ソーラー |
エントリー | セイコーセレクション | 2-8万円 | 実用性重視 |
ペア | ドルチェ/エクセリーヌ | 5-20万円 | カップル向け |
ルキアは女性向けセイコーブランドの中核を担っています。アンバサダーに綾瀬はるかさんを起用し、季節限定モデルを積極的に展開することで、ファッション感度の高い女性層から支持を集めています。特にソーラー電波機能を搭載したモデルは、時刻調整の手間がかからず、忙しい現代女性のライフスタイルにマッチしています。
女性向けモデルで注目すべきは、サイズバリエーションの豊富さです。男性向けでは40mm台が主流ですが、女性向けでは24mmから36mm程度まで、幅広いサイズ展開がなされています。これにより、手首の細い方でもバランスの良い装着感を得ることができます。
また、限定モデルの人気も女性向けならではの特徴です。春夏秋冬の季節感を表現した限定モデルや、桜やバラなどの花をモチーフにしたデザインは、コレクション性も高く、中古市場でも価値を維持しやすい傾向があります。
限定モデルがランク順を超越する価値
限定モデルは、通常のセイコーランク順を大きく超越する価値を持つことがあります。これは希少性、デザイン性、コレクション価値が複合的に作用するためです。
最も注目すべきはアストロンの大谷翔平モデルです。2023年モデル(SBXC143)は定価35万円程度でしたが、中古市場では55万円前後で取引されています。2024年モデル(SBXC167)に至っては、定価46万円に対して65万円前後という高値で推移しています。
🌟 注目限定モデル価値動向
モデル | 定価 | 中古価格 | プレミアム率 | 人気の理由 |
---|---|---|---|---|
大谷翔平2024 | 46万円 | 65万円 | +41% | スター選手効果 |
白樺限定 | 80万円 | 110万円 | +38% | 技術×美しさ |
服部金太郎記念 | 44万円 | 24万円 | -45% | 話題性不足 |
ガンダムコラボ | 22万円 | 40万円 | +82% | アニメファン層 |
グランドセイコーの限定モデルも高い価値を維持しています。特に「白樺」シリーズの限定バージョンや、特定の販売店限定モデルは、発売と同時に完売し、その後は定価を上回る価格で取引されることが一般的です。
興味深いのは、コラボレーションモデルの人気です。機動戦士ガンダム40周年記念の「シャア専用ザク」モデル(SBDX029)は、定価22万円程度でしたが、現在では40万円前後で取引されています。これはアニメファンという新たな顧客層を開拓したことの証明と言えるでしょう。
ただし、すべての限定モデルが価値を維持するわけではありません。服部金太郎記念モデルのように、話題性に欠けるものは逆にディスカウントされることもあります。限定モデルの価値を見極めるためには、ターゲット層の明確さとデザインの秀逸さが重要な要素となります。
中古市場でのランク順評価動向
中古市場におけるセイコーランク順は、新品市場とは異なる評価軸を持っています。リセールバリュー、メンテナンス性、部品入手の容易さなどが重要な要素となります。
最も価値を維持しやすいのは、やはりグランドセイコーです。特に人気モデルの「雪白」(SBGA211)や「白樺」(SLGH005)は、状態が良ければ**定価の80-90%**で取引されることも珍しくありません。これは、グランドセイコーのブランド価値が国際的に認知されてきたことの表れです。
📈 中古市場価値保持率ランキング
ブランド | 平均保持率 | 3年後予想 | 強い要因 |
---|---|---|---|
グランドセイコー | 75-85% | 70-80% | ブランド力向上 |
アストロン限定 | 80-120% | 60-100% | 希少性・話題性 |
プレザージュ | 60-70% | 50-65% | コスパの良さ |
プロスペックス | 55-65% | 50-60% | 実用性重視 |
セイコーセレクション | 40-50% | 35-45% | 大量生産品 |
アストロンの限定モデルは、モデルによって大きく価値が異なります。大谷翔平モデルのような話題性の高いものはプレミアム価格で取引される一方、一般的なモデルは60-70%程度の保持率となっています。
プレザージュは中古市場でもコストパフォーマンスの良さが評価されています。特に漆文字盤や琺瑯文字盤を使用したモデルは、その希少性から比較的高い価値を維持しています。
中古市場で注意すべきは、修理・メンテナンス費用です。グランドセイコーのスプリングドライブモデルは、修理に高額な費用がかかる場合があります。一方、プロスペックスのような実用モデルは、修理費用が安く、長期間安心して使用できるという利点があります。
また、2017年以前のグランドセイコー(Wネーム時代)は、コレクション価値が高まっています。これは現在のGSロゴとは異なるデザインのため、希少性が評価されているためです。
まとめ:セイコーランク順
最後に記事のポイントをまとめます。
- セイコーランク順の最高峰はグランドセイコーで間違いなく、技術力と品質で他を圧倒している
- クレドールとガランテは宝飾・ラグジュアリー路線で、価格的には最上位に位置することもある
- アストロンはGPS技術で独自のポジションを確立し、技術革新性では最高峰レベル
- プレザージュは2017年以降、セイコー機械式時計の上位コレクションに格上げされた
- プロスペックスはスポーツウォッチカテゴリーの中核で、実用性と信頼性で選ばれている
- 50万円以上の高級ラインではグランドセイコーのフラッグシップが技術的完成度で最高評価
- 10-50万円の中級ラインは競争が最も激しく、ニーズに応じた明確な棲み分けがある
- 10万円以下のエントリーラインでも妥協のない品質管理で他ブランドを圧倒
- 女性向けモデルはデザイン性とサイズ感が重要で、ルキアが中核ブランドとして確立
- 限定モデルは通常のランク順を超越する価値を持ち、大谷翔平モデルなどは大幅なプレミアム
- 中古市場ではグランドセイコーが最も価値を維持しやすく、ブランド力の向上が顕著
- アストロンの限定モデルは話題性により価値が大きく変動する傾向がある
- メンテナンス性や部品入手の容易さも中古市場での評価に大きく影響している
- 2017年以前のWネーム時代のグランドセイコーはコレクション価値が高まっている
- セイコーランク順は価格だけでなく、技術力、実用性、デザイン性など多角的な評価軸で形成されている
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://www.jackroad.co.jp/blog/post/seiko_model
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10151620180
- https://lifecreate-kc.com/34516/
- https://store.seikowatches.com/collections/all-products
- https://www.grand-seiko.com/jp-ja/collections/all
- https://komehyo.jp/watch-mens/seiko/all/?q=
- https://www.seikowatches.com/jp-ja/products
- https://www.jwmatsuda.com/?mode=cate&cbid=489674&csid=11
- https://hrd-web.com/apps/note/grandseiko/grand-seiko-popularity/
- https://store.grand-seiko.com/collections/womens