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セイコーロードマチックの魅力を徹底解説!1968年生まれの名機が今でも愛される理由

セイコーロードマチックの魅力を徹底解説!1968年生まれの名機が今でも愛される理由
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セイコーロードマチックは、1968年から1970年代にかけてセイコーが製造した準高級機械式時計として、現在でも多くの時計愛好家から注目を集めています。グランドセイコーやキングセイコーに次ぐ位置づけでありながら、世界初のカレンダー早送り機能を搭載し、ビジネスマンのご褒美時計として大ヒットしました。

当時の大卒初任給の約半額という価格設定で提供されたロードマチックは、優れた機能性とエレガントなデザインを両立させた傑作モデルです。56系ムーブメントと呼ばれる名機を搭載し、自動巻き・手巻き・秒針停止機能など、現代の時計と変わらない操作性を実現していました。現在では入手しやすい価格帯でヴィンテージ時計を楽しめることから、コレクターだけでなく実用時計としても人気が高まっています。

この記事のポイント
✅ セイコーロードマチックの歴史的背景と製造期間
✅ 56系ムーブメントの技術的特徴と機能性
✅ 人気モデルと現在の市場価格動向
✅ オーバーホールの重要性と注意点

セイコーロードマチックの歴史と基本的な魅力

  1. セイコーロードマチックの魅力は1968年の革新技術にある
  2. 56系ムーブメントが実現した世界初の機能とは
  3. グランドセイコーと同等品質を準高級価格で実現した理由
  4. ワンピースケース採用による耐久性の魅力
  5. グラデーション文字盤とカットガラスのデザイン魅力
  6. 製造期間中に生まれた豊富なバリエーションの魅力

セイコーロードマチックの魅力は1968年の革新技術にある

セイコーロードマチックの最大の魅力は、1968年に登場した際の革新的な技術力にあります。この時期は機械式時計の黄金期と呼ばれ、1969年のクォーツショック直前の技術競争が最も激しい時代でした。

ロードマチックは単なる準高級機ではなく、当時のセイコーが持つ最新技術を惜しみなく投入した戦略的なモデルでした。世界初のリューズ操作によるカレンダー早送り機能を搭載し、日付と曜日の両方をクイックチェンジできる画期的な仕様を実現しています。

さらに注目すべきは、曜日表示の日本語・英語切り替え機能です。これは現在では当たり前の機能ですが、1960年代後半に実用化したのはセイコーが世界初でした。この技術は後にグランドセイコーや他の高級機にも採用され、セイコーの技術力を世界に示すシンボルとなりました。

当時のビジネスマンにとって、実用性と先進性を兼ね備えた時計として、ロードマチックは理想的な選択肢でした。単に時間を知るだけでなく、日付や曜日を瞬時に確認できる機能性は、高度経済成長期の忙しいサラリーマンにとって非常に魅力的だったのです。

現在でもこの革新性は色あせることなく、半世紀以上前の技術が現代の時計と変わらない操作感を提供している点が、多くの愛好家を魅了し続ける理由となっています。

56系ムーブメントが実現した世界初の機能とは

セイコーロードマチックの心臓部である56系ムーブメントは、時計史に残る名機として現在でも高く評価されています。このムーブメントの最大の特徴は、複数の世界初機能を一つの機械に集約した点にあります。

🔧 56系ムーブメントの主要機能

機能名詳細革新性
カレンダー早送りリューズ1段引きで日付・曜日変更世界初の実用化
秒針停止機能リューズで秒針を停止可能準高級機では珍しい機能
手巻き機能自動巻きに加えて手動巻き上げ可能実用性の向上
曜日2ヶ国語表示日本語・英語の切り替えアジア市場向け革新機能

特に注目すべきはカレンダーのクイックチェンジ機構です。これまでの時計では日付変更に時間がかかったり、特定の時間帯での操作が制限されていましたが、56系では瞬間的な切り替えを実現しました。ただし、この機構には弱点もあり、午後10時から午前3時の間での操作は故障の原因となるため注意が必要です。

また、23石の石数を誇る56系ムーブメントは、当時の準高級機としては非常に豪華な仕様でした。これはグランドセイコーと同等レベルの品質を示しており、セイコーが本気でこのクラスの市場に挑んだ証拠といえます。

現在でも正確な時刻精度を保つ個体が多く、適切なメンテナンスを受けた56系ムーブメントは日差10秒以内の精度を維持することも珍しくありません。この耐久性と精度の高さが、現代でもロードマチックが実用時計として愛用される理由となっています。

グランドセイコーと同等品質を準高級価格で実現した理由

セイコーロードマチックの魅力を語る上で欠かせないのが、グランドセイコーと同等の基本設計を準高級価格で提供したセイコーの戦略です。これは単なるコストダウンではなく、技術の標準化と量産効果を活用した画期的なアプローチでした。

当時のセイコーは、グランドセイコー、キングセイコー、ロードマチックという3つのラインで市場を攻略していました。驚くべきことに、これらすべてのモデルが基本的に同じ56系ムーブメントをベースにしていたのです。

💎 グレード別の差別化ポイント

グレード価格帯主な差別化要素
グランドセイコー最高級精度調整、外装仕上げ、ケース材質
キングセイコー高級中程度の精度調整、ケースデザイン
ロードマチック準高級標準精度、実用的なケース・文字盤

この戦略により、ロードマチックはグランドセイコーの約半額という価格でありながら、基本的な機能や信頼性では大きな差がない製品を実現しました。当時の大卒初任給が約5万円だった時代に、2万円台でこの品質の機械式時計を手に入れることができたのです。

セイコーがこの価格設定を実現できた背景には、大量生産による部品コストの削減工程の標準化がありました。同一設計のムーブメントを大量生産することで、一つ一つの製造コストを劇的に下げることができたのです。

現在この戦略を振り返ると、品質の民主化という観点で非常に先進的だったことがわかります。高級時計の技術を多くの人が手の届く価格で提供するという思想は、現代のセイコーにも受け継がれている企業理念の原点といえるでしょう。

ワンピースケース採用による耐久性の魅力

セイコーロードマチックの実用面での大きな魅力の一つが、ワンピースケース構造による優れた耐久性です。この設計は現在でも多くの愛好家から評価されており、ヴィンテージ時計としては異例の実用性の高さを実現しています。

ワンピースケースとは、時計のケースと裏蓋が一体成型された構造のことです。一般的な時計はケースと裏蓋が別々に作られ、ネジやはめ込みで結合されますが、ロードマチックでは最初から一つの部品として作られています。

🛡️ ワンピースケースの技術的メリット

メリット効果実用面での価値
密閉性向上汗・湿気の侵入防止夏場でも安心して着用可能
構造強度衝撃に対する耐性向上日常使いでの破損リスク軽減
部品点数削減故障箇所の減少メンテナンスコストの削減
防塵性能ホコリの侵入防止ムーブメントの長寿命化

特に注目すべきは防水性能です。ロードマチックの多くのモデルは非防水仕様とされていますが、ワンピースケース構造により実際には軽度の水分や汗に対して高い耐性を持っています。これにより、50年以上前の時計でありながら、春秋冬シーズンであれば日常的な使用に十分耐えうる実用性を保っています。

また、メンテナンス面での利点も見逃せません。ワンピースケースは分解時にケース変形のリスクが低く、適切な工具さえあれば比較的安全にオーバーホールが可能です。これにより、現在でも多くの時計修理店でリーズナブルな価格でのメンテナンスを受けることができます。

現代の時計愛好家にとって、この耐久性はヴィンテージ時計を実用する際の大きな安心材料となっています。博物館のような扱いではなく、実際に腕につけて楽しむことができる点が、ロードマチックの大きな魅力の一つといえるでしょう。

グラデーション文字盤とカットガラスのデザイン魅力

セイコーロードマチックの美的魅力を語る上で欠かせないのが、多彩なデザインバリエーションです。特にグラデーション文字盤とカットガラスの組み合わせは、1960年代後半の時計デザインを代表する傑作として現在でも高く評価されています。

ロードマチックの文字盤は、中央から外周に向かって色が変化するグラデーション仕上げが特徴的です。光の当たる角度によって表情を変える文字盤は、見る度に新しい発見がある魅力的なデザインです。

🎨 ロードマチック代表的な文字盤カラー

カラー系統特徴人気度
ブルーグラデーション上半分が鮮やかな青、下半分が淡い水色★★★★★
グリーングラデーション深緑から明緑への変化★★★★☆
ブラウングラデーションスモーキーブラウンからゴールド★★★★☆
シルバーグラデーション銀色の濃淡による上品な仕上げ★★★☆☆

風防ガラスについても、9面カットガラスファセットカットなど、当時としては非常に凝った加工が施されています。これらのカットガラスは単なる装飾ではなく、光の屈折を利用して文字盤の美しさを引き立てる機能的な役割も果たしています。

特に人気が高いのが**「スターダスト」と呼ばれるブラックグリッター文字盤**です。細かな反射粒子が散りばめられた文字盤は、まるで夜空のように美しく、現在でもコレクターの間で非常に高値で取引されています。

また、「タイガーアイ」文字盤も注目すべきデザインです。天然石のタイガーアイを思わせるスモーキーブラウンの文字盤は、ゴールドの反射と相まって非常にエレガントな印象を与えます。

これらのデザインの多様性は、当時のセイコーの挑戦的な姿勢を物語っています。グランドセイコーでは採用できないような大胆なデザインも、ロードマチックというポジションだからこそ実現できたのです。現在でもこれほど多彩なデザインを一つのシリーズで展開する時計ブランドは珍しく、ロードマチックの先進性を示す証拠といえるでしょう。

製造期間中に生まれた豊富なバリエーションの魅力

セイコーロードマチックの魅力の一つは、約10年間の製造期間中に生まれた膨大なバリエーションです。その種類は50を超えるとも言われ、コレクターでも全モデルを把握することは困難とされています。

製造期間は1968年から1976年頃まで続き、この間にケースデザイン、文字盤、機能面で様々な進化を遂げました。初期モデルから後期モデルまで、それぞれに時代背景を反映した特徴があります。

📅 ロードマチック主要モデルの変遷

年代代表モデル主な特徴コレクター人気
1968-19705606-7000初期型、36mmスクエアケース★★★★★
1970-19735606-7140クッションケース「ヘルメット」★★★★☆
1971-19745206-6070スペシャル「スターダスト」★★★★★
1974-19765216-8020最終世代「シルバーリネン」★★★☆☆

**初期モデル(1968-1970年)は、ロードマチックの原型ともいえる存在です。特に5606-7000は「ウィークデーター」**と呼ばれ、シンプルながら洗練されたデザインで現在でも高い人気を誇ります。

**中期モデル(1970-1973年)では、ケースデザインが大胆に変化しました。角張った「クッション型ケース」「ヘルメット型ケース」**など、1970年代前半の流行を取り入れた個性的なデザインが特徴です。

後期モデル(1974-1976年)は、田中太郎氏によるデザインの影響を受けた鋭いエッジラインが特徴的です。特に5216-8020の「シルバーリネン」は、テクスチャード仕上げの文字盤が印象的な最終世代の傑作です。

この豊富なバリエーションにより、個人の好みに合わせた選択が可能になっています。シンプルなデザインを好む方から、個性的なデザインを求める方まで、誰もが自分に合うロードマチックを見つけることができるのです。

現在の中古市場でも、この多様性が価格帯の幅広さとして反映されています。一般的なモデルは数万円から入手可能ですが、希少なバリエーションは10万円以上で取引されることもあり、コレクションとしても投資としても魅力的な選択肢となっています。

セイコーロードマチックの実用性と現在価値の魅力

  1. 現在の市場価格から見るロードマチックの魅力
  2. オーバーホール料金の手頃さも魅力の一つ
  3. ロードマチックスペシャルとの違いにある技術的魅力
  4. 5606キャリバーの信頼性が証明する実用的魅力
  5. カレンダー機構の弱点を理解した上での魅力
  6. 泥沼収集の入門機としての魅力
  7. まとめ:セイコーロードマチックが持つ時代を超えた魅力

現在の市場価格から見るロードマチックの魅力

2025年現在のセイコーロードマチック市場を見ると、非常にコストパフォーマンスの高い時計として再評価されています。ヴィンテージ時計市場全体が高騰する中で、ロードマチックは依然として手の届きやすい価格帯を維持しており、これも大きな魅力の一つとなっています。

現在の市場価格は、一般的なモデルで150ユーロから250ユーロ(約25,000円から42,000円)程度で取引されており、特に状態の良い個体やオリジナルブレスレット付きの場合は300ユーロ(約50,000円)に達することもあります。

💰 ロードマチック現在の市場価格帯

カテゴリー価格帯(円)価格帯(ユーロ)状態・特徴
標準モデル25,000-42,000150-250良好な状態、一般的なデザイン
スペシャルモデル37,000-67,000220-400ハイビート、希少デザイン
極上品50,000-84,000300-500NOS級、オリジナル完品
超希少モデル67,000-400-プロトタイプ、限定仕様

この価格設定の魅力は、同時代のスイス製高級時計との比較で特に明らかになります。1960年代後半のオメガやロレックスのヴィンテージモデルが数十万円から数百万円で取引される中、ロードマチックは同等の技術レベルでありながら1/10以下の価格で入手可能です。

特にJDM(日本市場向け)バージョンの漢字カレンダー表示モデルは、海外のコレクターからも注目されており、わずかなプレミアムが付く傾向にあります。しかし、それでも爆発的な価格上昇には至っていないのが現状です。

また、金張り(Gold Filled)モデルは、ステンレスモデルよりもやや安価で取引される傾向があります。これは現代的な観点では意外ですが、実用性や汎用性を重視する現在の市場では、ステンレスの方が好まれる傾向があるためです。

市場の専門家は、2025年は価格がさらに上昇する前の購入好機と分析しています。特にヴィンテージ時計市場全体の成長と、コレクターの間でのロードマチックの価値再発見により、今後数年間で価格の上昇が予想されています。

オーバーホール料金の手頃さも魅力の一つ

セイコーロードマチックの実用面での大きな魅力は、オーバーホール料金の手頃さです。ヴィンテージ時計を長く愛用するには定期的なメンテナンスが欠かせませんが、ロードマチックは維持費の面でも非常に優秀な選択肢となっています。

現在のオーバーホール料金相場は、一般的な時計修理店で3万円から5万円程度です。これは同時代のスイス製高級時計の半額以下であり、年間維持費を考慮しても非常にリーズナブルです。

🔧 オーバーホール料金比較

時計ブランド料金相場納期部品供給
ロードマチック30,000-50,000円1-2ヶ月良好
オメガ(同年代)60,000-100,000円2-3ヶ月一部困難
ロレックス(同年代)80,000-150,000円3-6ヶ月高額
グランドセイコー(同年代)50,000-80,000円2-4ヶ月良好

この料金の安さの背景には、部品供給の良さがあります。ロードマチックは当時大量に製造されたため、現在でも中古部品の流通が豊富です。また、56系ムーブメントは標準化設計のため、互換性の高い部品が多く、修理時の部品調達で困ることが少ないのです。

さらに、多くの時計修理店で対応可能という点も魅力です。特殊な工具や高度な技術を必要としないため、一般的な機械式時計の修理技術を持つ職人であれば対応できます。これにより、全国どこでもメンテナンスを受けられる安心感があります。

正規サービスセンターでのオーバーホールも選択肢の一つです。セイコーカスタマーサービスでは、ヴィンテージモデルについても可能な範囲で純正部品を使用した修理を行っており、料金は5万円前後となっています。

オーバーホールの頻度は3-5年に一度が推奨されており、年間換算すると1万円程度の維持費となります。これは現代のクォーツ時計の電池交換費用とほぼ同等であり、機械式時計を維持するコストとしては破格といえるでしょう。

ただし、カレンダー機構の修理が必要な場合は追加費用が発生することがあります。この点については後述しますが、事前に修理店と相談することで予算の見通しを立てることができます。

ロードマチックスペシャルとの違いにある技術的魅力

セイコーロードマチックには、通常のロードマチックロードマチックスペシャルという2つのラインが存在します。この違いを理解することで、ロードマチックの技術的魅力をより深く理解できます。

ロードマチックスペシャルは1970年に登場した上位モデルで、亀戸精工舎(第二精工舎)で製造されたハイビートムーブメントを搭載しています。通常のロードマチックが諏訪精工舎製造だったのに対し、スペシャルは東京の工場で作られました。

⚙️ ロードマチックとスペシャルの技術比較

項目ロードマチックロードマチックスペシャル
製造工場諏訪精工舎亀戸精工舎(第二)
キャリバー5606(21,600振動/時)5206/5216(28,800振動/時)
振動数6振動/秒8振動/秒
精度高精度より高精度
カレンダー段階的変更瞬間変更
特別表示Lord MaticSpecial Hi-Beat

ハイビート(毎時28,800振動)のスペシャルは、通常の6振動に対して8振動で動作します。これにより秒針の動きがより滑らかになり、理論上はより高い精度を実現できます。また、カレンダーの変更も深夜0時に瞬間的に切り替わる仕様となっており、実用性も向上しています。

文字盤の識別も容易で、スペシャルには**「Special 23 Jewels」の表示稲妻マーク(第二のシンボル)が配置されています。一方、通常のロードマチックは「Lord Matic 23 Jewels」の表示と諏訪のSマーク**が特徴です。

現在の市場価値では、スペシャルの方が若干高く評価される傾向があります。ハイビートへの関心の高さと、相対的な生産数の少なさが影響しています。200ユーロから400ユーロ(約33,000円から67,000円)が相場となっており、通常モデルよりも1.5倍程度の価格設定です。

しかし、実用面では通常のロードマチックにも利点があります。6振動のロービートは耐久性に優れ、パワーリザーブも長く、メンテナンス頻度も少なくて済みます。これは設計的余裕があるためで、ハイビート設計のフレームにロービート機構を組み込んだことによる恩恵です。

どちらを選ぶかは個人の好みによりますが、技術的な完成度の高さという点では両者とも非常に優秀であり、セイコーの1960年代後半の技術力の高さを示す証拠といえるでしょう。

5606キャリバーの信頼性が証明する実用的魅力

セイコーロードマチックの心臓部である5606キャリバーは、現在でも多くの時計愛好家から「名機」と呼ばれています。その理由は、50年以上経過した現在でも高い信頼性を維持している点にあります。

5606キャリバーは23石の宝石軸受を使用し、毎時21,600振動(6振動/秒)で動作します。この仕様は現代の基準でも十分に実用的であり、適切にメンテナンスされた個体では日差±15秒以内の精度を維持することも珍しくありません。

🔬 5606キャリバーの技術仕様

仕様項目詳細現代との比較
石数23石現代の中級機と同等
振動数21,600回/時実用十分な精度
パワーリザーブ約40時間現代機械式と同等
厚さ4.45mm非常に薄型
直径11.5リーニュコンパクト設計

特筆すべきはムーブメントの薄さです。4.45mmという薄型設計により、時計全体の厚さを抑えることができ、現代のドレスウォッチと変わらない装着感を実現しています。これは1960年代の技術としては非常に先進的でした。

自動巻き機構も優秀で、マジックレバー方式による効率的な巻き上げを実現しています。さらに手巻き機能も併用できるため、自動巻きが不十分な場合でも手動で補うことができます。このハイブリッド仕様は実用性を大きく向上させています。

現在でも修理可能性が高いのも5606キャリバーの魅力です。設計がシンプルで理解しやすく、多くの時計技師が対応できます。また、部品の標準化により、同世代のグランドセイコーやキングセイコーからの部品流用も可能な場合があります。

実際の使用者からは、**「50年前の時計とは思えない正確さ」**という評価が多く聞かれます。現代のクォーツ時計には及ばないものの、機械式時計としては十分すぎる精度を持っており、実用時計として問題なく使用できるレベルです。

ただし、耐磁性能については現代の基準より劣るため、スマートフォンや電子機器の近くに長時間置くことは避ける必要があります。この点さえ注意すれば、5606キャリバーは現在でも第一線で活躍できる優秀なムーブメントといえるでしょう。

カレンダー機構の弱点を理解した上での魅力

セイコーロードマチックの魅力を語る上で避けて通れないのが、カレンダー機構の弱点です。しかし、この弱点を理解した上でも、なおロードマチックが愛される理由があります。

56系ムーブメント最大の弱点は、日付早送り機構のプラスチック部品の摩耗・破損です。当時としては革新的だったプラスチック成型技術を採用しましたが、50年以上の歳月には耐えられず、現在流通している個体の多くでカレンダー機構に不具合が見られます。

⚠️ カレンダー機構の主な問題点

問題原因対策
日付が送れないプラスチック歯車の摩耗部品交換(困難)
日付が戻るスプリングの破損修理可能な場合あり
曜日表示不良切り替え機構の故障部品の調整・交換
操作時の異音歯車の噛み合い不良オーバーホール時に調整

特に午後10時から午前3時の禁止時間帯でのカレンダー操作は、プラスチック部品に致命的なダメージを与える可能性があります。これはメインの金属歯車を保護するための設計でしたが、結果的にプラスチック部品が消耗品となってしまいました。

しかし、この弱点があってもロードマチックが愛され続ける理由があります。まず、時計としての基本機能は完璧である点です。カレンダーが故障しても、時・分・秒の表示には影響しないため、実用時計としては十分機能します。

また、「ノンデイト」モデルの存在も魅力の一つです。カレンダー機能を持たないシンプルなモデルは、この弱点とは無縁であり、より安心して長期間使用できます。実際、中古市場でもノンデートモデルは安定した人気を保っています。

さらに、修理技術の向上により、以前は不可能だった部品の再生や代替品の製作が可能になってきています。3Dプリンター技術などを活用した部品復刻も一部で行われており、将来的には完全な修復が可能になる可能性もあります。

現在ロードマチックを購入する際は、カレンダー機能を過度に期待せず、美しいデザインと基本的な時計機能を楽しむという姿勢が重要です。この点を理解して購入すれば、期待を裏切らない素晴らしい時計として長く愛用することができるでしょう。

泥沼収集の入門機としての魅力

時計愛好家の間では、セイコーロードマチックは**「泥沼時計収集」の入門機**として非常に高く評価されています。「泥沼」とは、一つのブランドやシリーズにのめり込んで、次々と収集してしまう状況を指す愛好家用語です。

ロードマチックが入門機として優秀な理由は、手頃な価格でヴィンテージ時計の魅力を体験できる点にあります。初めてヴィンテージ時計を購入する方でも、大きなリスクを負うことなく本格的な機械式時計を楽しめます。

🎯 入門機としてのロードマチックの利点

利点詳細初心者への価値
手頃な価格2-5万円程度から入手可能失敗を恐れず挑戦できる
豊富な選択肢50種類以上のバリエーション好みに合うモデルが見つかる
修理しやすさ部品供給と技術者の対応力長期間安心して使用可能
操作の親しみやすさ現代の時計と同じ操作感特別な知識不要で使用可能

特にコレクション性の高さは、多くの愛好家を魅了する要素です。同じロードマチックでも、文字盤の色、ケースの形状、ブレスレットのデザインなど、無数の組み合わせが存在します。一本を手に入れると、「今度はあのモデルも欲しい」という気持ちが湧いてくるのです。

**アカツメ氏のブログ「泥沼時計収集メモ」**でも、ロードマチックは頻繁に取り上げられており、オールド国産腕時計の入門に最適と評価されています。玉数が多いため修理に困ることがなく、種類も豊富で好みに合ったものが見つかりやすいとされています。

また、段階的なグレードアップが可能な点も魅力です。最初は標準的なモデルから始めて、慣れてきたらスペシャルモデル希少なバリエーションに挑戦するという楽しみ方ができます。

現代の時計との比較体験も、教育的価値があります。クォーツ時計に慣れた現代人が、機械式時計の温かみのある動き日差という概念を学ぶには、ロードマチックは最適な教材といえるでしょう。

ただし、「泥沼」という表現が示すように、収集癖には注意が必要です。価格が手頃なため、ついつい複数本購入してしまう愛好家が多いのも事実です。計画的な収集を心がけることで、より充実した時計ライフを楽しむことができるでしょう。

まとめ:セイコーロードマチックが持つ時代を超えた魅力

最後に記事のポイントをまとめます。

  1. セイコーロードマチックは1968年に登場した世界初のカレンダー早送り機能搭載時計である
  2. 56系ムーブメントはグランドセイコーと同等の基本設計を準高級価格で実現した名機である
  3. ワンピースケース構造により50年以上経過した現在でも高い実用性を保持している
  4. グラデーション文字盤とカットガラスの組み合わせは1960年代デザインの傑作である
  5. 製造期間中に50種類以上のバリエーションが生産され現在でもコレクション性が高い
  6. 現在の市場価格は25,000円から50,000円程度で同時代のスイス製高級時計より圧倒的に安価である
  7. オーバーホール料金は30,000円から50,000円程度でヴィンテージ時計としては維持費が安い
  8. ロードマチックスペシャルはハイビート機構により通常モデルよりも高精度を実現している
  9. 5606キャリバーは23石の宝石軸受を使用し現在でも日差15秒以内の精度を実現可能である
  10. カレンダー機構のプラスチック部品は経年劣化による弱点があるが基本的な時計機能には影響しない
  11. 豊富な流通量により修理用部品の確保が容易で全国どこでもメンテナンス可能である
  12. ヴィンテージ時計収集の入門機として手頃な価格と高い実用性を両立している
  13. 当時の大卒初任給の約半額という価格設定で多くのビジネスマンに愛用された歴史がある
  14. 技術の標準化と量産効果により高級時計の品質を民主的価格で提供した革新的なモデルである
  15. 現在でも実用時計として十分な性能を持ち博物館的扱いではなく日常使用が可能である

調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト

  1. https://www.g-rare.com/column/seiko-roadmatic-charm/
  2. https://jamaisvulgaire.com/mens-udetokei/%E3%82%BB%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%9E%E3%83%81%E3%83%83%E3%82%AF%EF%BC%9A2025%E5%B9%B4%E3%81%AB%E9%AB%98%E9%A8%B0%E3%81%99%E3%82%8B%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%B3/
  3. https://ameblo.jp/hashiihashii/entry-12723283783.html
  4. https://fuseji.exblog.jp/25691525/
  5. https://www.goodspress.jp/reports/172106/
  6. https://note.com/bergeon/n/n86be91e6d592
  7. https://tokitike.hatenablog.com/entry/2020/04/27/235956
  8. http://oldjapanwatch.blog.fc2.com/blog-entry-7.html
  9. https://diymainte.com/watch/seiko-cal-5606/
  10. https://www.watch-colle.com/watch/SK/sk1648a/SK-1648A.htm