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セイコーロードマチック歴史を徹底解説!昭和のサラリーマンを魅了した名機の全貌【コレクター必見】

セイコーロードマチック歴史を徹底解説!昭和のサラリーマンを魅了した名機の全貌【コレクター必見】
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セイコーロードマチックは、1968年の誕生から1970年代後半まで約10年間にわたって製造された、セイコーの自動巻き腕時計シリーズです。グランドセイコーやキングセイコーに次ぐ準高級機として位置づけられ、当時のビジネスマンから絶大な支持を集めました。その魅力は、手の届きやすい価格でありながら高級機に劣らない機能性と実用性を兼ね備えていた点にあります。

現在では、ヴィンテージ時計として高い人気を誇り、コレクターや時計愛好家の間で注目を集めています。56系ムーブメントの優秀な設計、多彩なデザインバリエーション、そして日本の時計製造技術の集大成ともいえる品質は、今なお多くの人々を魅了し続けています。この記事では、そんなロードマチックの誕生から現在に至るまでの歴史を詳しく解説していきます。

この記事のポイント
✅ ロードマチックの誕生背景と歴史的意義
✅ 56系ムーブメントの技術的特徴と革新性
✅ 人気モデルのバリエーションとコレクター価値
✅ 現在のヴィンテージ市場での価値と購入時の注意点

セイコーロードマチックの歴史と誕生背景

  1. セイコーロードマチックは1968年に誕生した準高級自動巻き腕時計
  2. グランドセイコー・キングセイコーに次ぐ第3の高級ラインとして位置づけ
  3. 当時のビジネスマンに愛された理由は価格と機能性のバランス
  4. 56系ムーブメントの技術的特徴と革新性
  5. カレンダー早送り機能とバイリンガル表示の先駆的機能
  6. ワンピースケース構造による耐久性向上

セイコーロードマチックは1968年に誕生した準高級自動巻き腕時計

セイコーロードマチックは、1968年という激動の時代に産声を上げました。この年は、東京オリンピックから4年が経過し、日本の高度経済成長が最高潮に達していた時期です。セイコーは、すでにグランドセイコーやキングセイコーで高級時計市場での地位を確立していましたが、より幅広い層にアプローチするため、新しいコンセプトの腕時計を企画しました。

ロードマチックの名前の由来は、「Road(道路)」と「Matic(自動)」を組み合わせたもので、日常生活のあらゆる場面で活躍する自動巻き腕時計という意味が込められています。この名称からも分かるように、単なる装身具ではなく、実用性を重視した設計思想が反映されています。

当時のセイコーは、次世代を担うクオーツ式腕時計の開発と並行して、機械式腕時計の集大成を目指していました。ロードマチックは、その集大成の一つとして誕生し、自動巻腕時計の薄型化と小型化を実現しました。これにより、従来の自動巻き時計よりも携帯性が大幅に向上し、日常使いに適した時計として多くの人々に受け入れられました。

📊 1968年当時の時計市場環境

項目状況
市場トレンド自動巻きが全盛期
技術革新クオーツ技術の研究開発が進行中
消費者ニーズ実用性とステータス性の両立
競合状況スイス製高級時計との差別化が課題
価格帯中間層向けの新しいカテゴリーが必要

セイコーがロードマチックを開発した背景には、機械式時計の技術的な完成度を高めると同時に、より多くの人々に優れた時計を提供したいという強い思いがありました。この思想は、後のセイコーの時計づくりにも大きな影響を与えることになります。

グランドセイコー・キングセイコーに次ぐ第3の高級ラインとして位置づけ

セイコーの時計ラインナップにおいて、ロードマチックは明確なヒエラルキーの中で第3番目に位置づけられていました。最上位のグランドセイコーは、スイスのクロノメーター優秀級に匹敵する高精度を誇る最高級ライン、その下にキングセイコーが続き、そしてロードマチックが準高級機として展開されました。

この位置づけは、単に価格の違いだけではなく、ターゲットとする顧客層や使用シーンの違いも反映していました。グランドセイコーは経営者や医師などの社会的地位の高い層、キングセイコーは中間管理職層、そしてロードマチックは一般的なサラリーマンや若手ビジネスマンをターゲットとしていました。

🎯 セイコー時計ヒエラルキー(1968年当時)

ランクブランドターゲット層価格帯(当時)特徴
最上位グランドセイコー経営者・専門職25,000円~最高精度・最高品質
上位キングセイコー中間管理職20,000円~高精度・上質仕上げ
準高級ロードマチック一般サラリーマン15,000円~実用性重視・高機能

ロードマチックは、上位モデルの技術を継承しながらコストパフォーマンスを追求した結果として生まれました。56系ムーブメントは、実際にグランドセイコーやキングセイコーにも使用されており、振動数を調整することで異なる性能を実現していました。これにより、ロードマチックユーザーは、高級時計と同等の技術を手の届く価格で体験することができたのです。

この戦略的な位置づけは、セイコーブランド全体の価値向上にも寄与しました。ロードマチックの存在により、セイコーは幅広い価格帯で一貫した品質を提供するブランドとして認知され、結果的に上位モデルの価値も高まることとなりました。

当時のビジネスマンに愛された理由は価格と機能性のバランス

ロードマチックが当時のビジネスマンから圧倒的な支持を受けた最大の理由は、価格と機能性の絶妙なバランスにありました。1968年の大卒初任給が約25,000円だった時代に、ロードマチックは21,000円から30,000円程度で販売されており、これは現在の価値に換算すると約92,000円から138,000円に相当します。

この価格設定は、新社会人でも数ヶ月の積み立てで手が届く範囲でありながら、所有する喜びとステータス性を感じられる絶妙なラインでした。実際に、多くの若手ビジネスマンが社会人デビューの記念や自分へのご褒美として購入していたと考えられます。

💰 価格比較表(1968年当時)

商品・サービス価格現在の価値(推定)
大卒初任給25,000円220,000円
ロードマチック21,000-30,000円92,000-138,000円
グランドセイコー27,000円~125,000円~
中型車(新車)450,000円2,000,000円

機能面では、ロードマチックは当時として画期的な機能を多数搭載していました。日付・曜日の表示機能、カレンダー早送り機能、秒針停止機能(ハッキング)、手巻き機能など、現在では当たり前となっている機能の多くが、この時代のロードマチックによって先駆的に実現されていました。

特に注目すべきは、曜日表示を和英の二カ国語から選択できるバイリンガル表示機能です。これは腕時計史上初の試みであり、国際化が進む日本のビジネス環境に対応した先見性のある機能でした。このような革新的な機能により、ロードマチックは単なる時計以上の価値を提供し、ビジネスマンの日常業務を支える重要なツールとしての地位を確立しました。

56系ムーブメントの技術的特徴と革新性

ロードマチックの心臓部である56系ムーブメントは、セイコーの技術力の結晶ともいえる傑作です。正式にはCal.5606Aと呼ばれるこのムーブメントは、23石の自動巻き機構を持ち、毎時21,600振動(6振動/秒)で動作します。厚さわずか4.45mmという薄型設計でありながら、高い精度と信頼性を実現していました。

このムーブメントの最大の特徴は、自動巻き機構を通常輪列と水平展開した薄型設計にあります。従来の自動巻き時計では、自動巻き機構の厚みが問題となっていましたが、56系ムーブメントではこの課題を巧妙に解決し、薄型ケースでの自動巻き時計を実現しました。

⚙️ 56系ムーブメントの技術仕様

項目仕様特徴・利点
キャリバーCal.5606A諏訪精工舎製造
石数23石高い耐久性
振動数21,600回/時安定した精度
厚み4.45mm薄型ケース対応
巻き上げ方式自動巻き+手巻き利便性向上
パワーリザーブ約45時間実用的な持続時間

56系ムーブメントのもう一つの革新は、マジックレバー自動巻き機構の採用です。これは回転錘(ローター)の両方向の動きを効率よく主ゼンマイの巻き上げに変換する機構で、従来の一方向巻き上げ方式と比較して格段に巻き上げ効率が向上しました。この技術は後に世界標準となり、現在でも多くの自動巻き時計で使用されています。

さらに、56系ムーブメントは高い汎用性も特徴の一つでした。振動数を調整することで、ロードマチックだけでなく、キングセイコーやグランドセイコーにも展開され、セイコーの機械式時計の基幹ムーブメントとして活躍しました。この設計思想は、製造コストの削減と品質の向上を同時に実現する、まさに日本的なものづくりの精神を体現していたといえるでしょう。

カレンダー早送り機能とバイリンガル表示の先駆的機能

ロードマチックが時計史に残る最も重要な貢献の一つは、カレンダー早送り機能とバイリンガル表示機能の実用化です。これらの機能は現在では当たり前のように搭載されていますが、1968年当時としては画期的な革新でした。特に、ロードマチックは世界で初めてこれら両方の機能を同時に実現した腕時計として歴史に名を刻んでいます。

カレンダー早送り機能は、リューズを操作することで日付と曜日の表示を前後どちらにも回転修正できる構造を採用していました。従来の時計では、日付や曜日を修正するために針を24時間回転させる必要がありましたが、この機能により大幅な時間短縮が可能となりました。この利便性は、特に出張や海外旅行が多いビジネスマンにとって非常に重要な機能でした。

📅 カレンダー機能の進化比較

時代機能操作方法所要時間
1960年代前半日付表示のみ針を24時間回転数分
ロードマチック以前日付・曜日表示針を24時間回転数分
ロードマチック早送り機能付きリューズで直接操作数秒
現代瞬時送りプッシュボタンまたはリューズ瞬間

バイリンガル表示機能は、曜日表示を日本語と英語の二カ国語から選択できる革新的な機能でした。これは当時の日本の国際化の流れを先取りしたもので、海外との取引が増加していたビジネス環境に対応した先見性のある機能でした。リューズ操作により、「月火水木金土日」と「MON TUE WED THU FRI SAT SUN」を切り替えることができ、使用シーンに応じて使い分けることが可能でした。

これらの機能の実現は、高度な機械設計技術と精密な製造技術の結果でした。特に、日付変更時の衝撃を和らげるためのクッション機構や、誤操作を防ぐための安全装置など、細部にわたる配慮が施されていました。ただし、56系ムーブメントには一つの注意点がありました。日付送り・曜日送りの部品が比較的デリケートなため、午後10時から午前3時の間にクイック修正を行うと部品が破損する可能性がありました。

ワンピースケース構造による耐久性向上

ロードマチックの外装設計における最大の特徴の一つが、ワンピースケース構造の採用です。この構造は、時計のケースと裏蓋が一体化したもので、従来の分離型ケースと比較して優れた防水性と耐久性を実現していました。この革新的な設計は、実用時計としてのロードマチックの信頼性を大幅に向上させました。

ワンピースケース構造の最大の利点は、手首や手の甲からの汗や汚れの浸入を効果的に防ぐことでした。従来の時計では、ケースと裏蓋の接合部分から湿気や汚れが侵入し、ムーブメントの劣化や錆の原因となることがありました。しかし、ワンピースケース構造により、これらのリスクを大幅に軽減することができました。

🛡️ ケース構造比較表

構造タイプ防水性耐久性メンテナンス性コスト
従来型(分離型)普通普通良好
ワンピースケース優秀優秀やや困難中程度
現代のスクリューバック最優秀最優秀良好

この構造の採用により、ロードマチックは日常的な使用環境での信頼性が格段に向上しました。雨天時の使用や軽い水仕事程度であれば、安心して使用することができました。また、ケース内部への異物の侵入も防げるため、ムーブメントの長期的な安定性も向上しました。

製造面では、ワンピースケース構造は高度な加工技術を要求しました。一つの金属塊からケース全体を削り出す必要があり、精密な機械加工技術と品質管理が不可欠でした。この技術的挑戦は、セイコーの製造技術の向上にも大きく貢献し、後の時計製造におけるノウハウの蓄積にもつながりました。

ただし、ワンピースケース構造にも課題がありました。メンテナンス時にはケース上部からムーブメントを取り出す必要があり、修理やオーバーホールがやや複雑になるという点です。しかし、この不便さを補って余りある耐久性と信頼性により、ロードマチックは多くのユーザーから支持を得ることとなりました。

セイコーロードマチックの多彩なバリエーションと現在の価値

  1. 豊富なデザインバリエーションが魅力の一つ
  2. 人気モデルの特徴とコレクター価値
  3. 1970年代後半の生産終了とクオーツショックの影響
  4. 現在のヴィンテージ市場での評価と価格動向
  5. メンテナンスとオーバーホールの重要性
  6. 購入時の注意点と真贋の見分け方
  7. まとめ:セイコーロードマチック歴史の意義と現代への影響

豊富なデザインバリエーションが魅力の一つ

ロードマチックシリーズの大きな魅力の一つは、圧倒的なデザインバリエーションの豊富さにあります。約10年間の生産期間中に、50種類以上のモデルがリリースされ、それぞれが独自の特徴を持っていました。これは、多様化する消費者のニーズに応えると同時に、セイコーのデザイン力と技術力を示すものでもありました。

文字盤のバリエーションは特に豊富で、ベーシックなシルバーや白から、エメラルドグリーン、ロイヤルブルー、ダークブラウンまで多彩な色展開がありました。さらに、単色だけでなく、グラデーション効果を施したものや、特殊な質感を持つものも存在しました。例えば、「スターダスト」と呼ばれる反射するグリッターを施したブラック文字盤や、タイガーアイを思わせる金色の反射を持つスモーキーブラウン文字盤などは、現在でもコレクターの間で非常に高い人気を誇っています。

🎨 主要な文字盤バリエーション

カテゴリー種類特徴希少度
ベーシックシルバー・ホワイト・ブラック日常使いに最適普通
カラーブルー・グリーン・ブラウン個性的な印象やや高
特殊効果グラデーション・サンレイ光の当たり方で表情が変化
限定仕様スターダスト・タイガーアイ希少性が高い非常に高

ケース形状においても、円形、角型、トノー型(樽型)、クッション型など、多様な展開がありました。特に、1970年代に入ってからは、時代のトレンドを反映した大胆なケースデザインも登場しました。「ヘルメット」と呼ばれる角張ったクッションケースや、9面カットガラスを採用したモデルなど、それぞれが個性的な魅力を持っていました。

風防ガラスにも工夫が凝らされており、9面カットガラスやドーム型ガラスなど、光の屈折を利用した美しい視覚効果を生み出すものもありました。これらの装飾的要素は、実用性と美しさを両立させたロードマチックの設計思想を象徴するものでした。

人気モデルの特徴とコレクター価値

現在のヴィンテージ時計市場において、ロードマチックの中でも特に高い人気を誇るモデルがいくつか存在します。これらのモデルは、デザインの秀逸さ、希少性、技術的な特徴などの要因により、コレクターから特別視されています。

最も人気の高いモデルの一つが、**5601-9000(全数字ダイヤル)**です。このモデルは文字盤にアラビア数字のインデックスのみを配したシンプルなデザインが特徴で、ベーシックながら飽きのこない美しさを持っています。ノンデイト仕様でカレンダー表示がないため、よりクラシカルな印象を与えます。

🏆 人気ロードマチックモデル TOP5

モデルリファレンス特徴推定市場価格
全数字ダイヤル5601-9000シンプルなアラビア数字80,000-120,000円
9面カットガラス5206-6020立体的な光の効果60,000-90,000円
ダークブルー文字盤5606-5010四角ケース・深い青70,000-110,000円
スターダスト5206-6070グリッター効果のブラック120,000-180,000円
タイガーアイ5216-7040金色の反射効果100,000-150,000円

**5206-6020(9面カットガラス)**は、風防ガラスに9面のカット装飾を施したモデルで、光の当たり具合によって文字盤に美しい陰影を作り出します。この立体的な視覚効果は、当時の技術者の創意工夫の結晶であり、現在でも多くの愛好家を魅了しています。

特に希少価値が高いのは、スペシャルエディションと呼ばれるモデル群です。これらは第二精工舎(現在のセイコーインスツル)で製造され、52系ムーブメント(Cal.5206A/5216A)を搭載していました。ハイビート(毎時28,800振動)仕様で、より高い精度を実現していました。文字盤には「Special」の文字と稲妻マークが印刷されており、一目でスペシャルモデルと識別できます。

コレクター価値を決定する要因として、保存状態、オリジナリティ、希少性、文字盤の状態などが挙げられます。特に、オリジナルのブレスレットが残っているもの、文字盤に変色や損傷がないもの、純正箱や保証書が付属するものは、大幅にプレミアムが付く傾向にあります。

1970年代後半の生産終了とクオーツショックの影響

ロードマチックの生産が終了した1970年代後半は、時計業界にとって歴史的な転換点でした。1969年にセイコーが世界初のクオーツ腕時計「アストロン」を発表して以降、時計の主流は急速に機械式からクオーツ式へと移行していきました。この変化は「クオーツショック」と呼ばれ、世界中の時計メーカーに大きな影響を与えました。

セイコー自身も、クオーツ技術の普及により経営戦略の大幅な見直しを迫られました。機械式時計の製造には高度な技術と熟練工が必要でしたが、クオーツ時計は大量生産が可能で、より高い精度を実現できました。この技術革新により、従来の高級機械式時計の優位性が急速に失われていきました。

クオーツショックの影響タイムライン

年代出来事機械式時計への影響
1969年セイコー「アストロン」発表高精度クオーツの実用化
1970年代前半クオーツ時計の本格普及開始機械式の需要減少開始
1970年代中盤価格競争の激化機械式高級時計の優位性低下
1970年代後半機械式時計の大幅な市場縮小多くのブランドが機械式から撤退

ロードマチックの生産終了も、この大きな流れの中で決定されました。1976年にロードマチックデラックス及びスペシャルが、1977年に通常のロードマチックがカタログから消えることとなりました。これは、セイコーが機械式時計からクオーツ時計へと主力を移す過程で行われた戦略的判断でした。

しかし、この決定は単純にクオーツの優位性だけが理由ではありませんでした。当時のセイコーは、機械式時計の製造技術を温存しつつ、将来への備えも考慮していました。実際に、1990年代になって機械式時計が再び注目されるようになると、セイコーは蓄積された技術を活かして機械式時計の製造を再開することができました。

ロードマチックの生産終了は、日本の機械式時計製造技術の一つの区切りを示すものでもありました。約10年間という比較的短い期間でしたが、その間に蓄積された技術とノウハウは、後のセイコーの時計製造に大きな影響を与え続けています。

現在のヴィンテージ市場での評価と価格動向

現在のヴィンテージ時計市場において、ロードマチックはコストパフォーマンスに優れたエントリーモデルとして高く評価されています。グランドセイコーやキングセイコーと比較すると価格は抑えられていながら、同等の技術的基盤を持つロードマチックは、ヴィンテージ時計初心者にとって魅力的な選択肢となっています。

2025年現在の市場価格は、モデルや状態により大きく変動しています。一般的なモデルであれば10万円以下で入手可能ですが、希少なバリエーションや極上品については20万円を超えるケースも見られます。特に、海外のコレクター市場では日本製ヴィンテージ時計への注目が高まっており、価格上昇の傾向が続いています。

💹 2025年ロードマチック市場価格動向

条件価格帯市場動向
一般的なモデル(良好な状態)50,000-80,000円安定
人気モデル(極上品)80,000-150,000円上昇傾向
希少モデル(コンプリートセット)150,000-300,000円急上昇
ジャンク品・要修理品20,000-40,000円横ばい

市場価格に影響を与える主な要因として、文字盤の状態、ケースの痩せ具合、ブレスレットの有無、動作状況などが挙げられます。特に、文字盤の変色や損傷は価値に大きく影響するため、保存状態の良いものには高いプレミアムが付きます。

また、オリジナルブレスレットの有無も重要な価格決定要因です。ロードマチック専用に設計されたステンレススチールブレスレットは、展開クラスプに「LM」のロゴが刻印されており、純正の証として高く評価されています。しかし、多くの個体でブレスレットが失われているため、オリジナルブレスレット付きの個体は希少価値が高くなっています。

海外市場では、特にJDM(Japan Domestic Market)モデルと呼ばれる日本国内向けモデルが人気を集めています。漢字の曜日表示を持つモデルや、日本独自の仕様を持つモデルは、海外コレクターにとって非常に魅力的な存在となっており、国際的な価格上昇の要因となっています。

メンテナンスとオーバーホールの重要性

50年以上前に製造されたロードマチックを現在も使用するためには、適切なメンテナンスとオーバーホールが不可欠です。機械式時計は、定期的な手入れを行うことで長期間にわたって使用することができますが、逆に手入れを怠ると重大な故障につながる可能性があります。

ロードマチック特有の注意点として、56系ムーブメントの日付・曜日変更機構の脆弱性があります。特に、午後10時から午前3時の間にクイック修正機能を使用すると、プラスチック製の日付変更メカニズムが破損する可能性があります。この点は、現在ロードマチックを使用する際の重要な注意事項として認識されています。

🔧 メンテナンス項目と頻度

項目頻度作業内容重要度
日常清拭毎日柔らかい布での乾拭き基本
防水検査年1回パッキン状態の確認重要
精度調整2-3年歩度の測定・調整重要
オーバーホール3-5年完全分解・清浄・組立必須

オーバーホール時の課題として、純正部品の入手困難性があります。生産終了から40年以上が経過しているため、セイコーでも一部の部品は在庫がない状況です。このため、修理技術者の技量により、既存部品の修復や代替部品の加工が必要となる場合があります。

専門的な修理技術者を選ぶ際のポイントとして、ヴィンテージセイコーの修理経験、56系ムーブメントの知識、適切な工具と設備の保有などが重要です。また、修理後の保証期間や、修理内容の説明の詳しさなども、信頼できる修理店を見分ける指標となります。

現在では、セイコーの公式サービスセンター以外にも、多くの時計修理専門店でロードマチックの修理を受け付けています。ただし、技術レベルには差があるため、事前の情報収集や実績の確認が重要です。特に、希少なモデルや高価値品については、十分な経験を持つ技術者に依頼することをお勧めします。

購入時の注意点と真贋の見分け方

ヴィンテージのロードマチックを購入する際には、真贋の判定と状態の確認が極めて重要です。人気の高まりとともに、残念ながら改造品や偽物も市場に出回るようになっており、購入者は注意深い検討が必要です。

真正なロードマチックの見分け方として、まず文字盤の印刷品質を確認することが重要です。本物のロードマチックは、「Seiko Lord Matic 23 Jewels」または「Seiko LM Special 23 Jewels」という表記が正確に印刷されています。製造工場によってロゴも異なり、諏訪精工舎製には円形のSマーク、第二精工舎製には稲妻マークが表示されています。

🔍 真贋判定チェックポイント

項目確認ポイント注意事項
文字盤印刷文字の鮮明さ・配置の正確性リダイアル品に注意
ケースバックリファレンス番号の一致数字の彫りの深さ
ムーブメントキャリバー番号の確認他機種からの流用に注意
針・インデックスオリジナルとの一致交換品の可能性
ブレスレットLMロゴの有無他モデルからの流用

ケースバックの刻印も重要な判定要素です。正規品では、リファレンス番号(例:5606-7000)と7桁のシリアル番号が正確に刻印されています。これらの番号は、搭載されているムーブメントと一致している必要があります。また、刻印の深さや文字の形状も、本物特有の特徴があります。

ムーブメントの確認では、キャリバー番号とローターの刻印をチェックします。56系ムーブメントでは、ローターに「Seiko」の文字とキャリバー番号が刻印されており、これらが正確に記載されているかを確認する必要があります。また、ムーブメントの仕上げや部品の材質も、真贋判定の重要な要素となります。

購入時の状態確認では、動作状況、精度、外観の損傷を詳しくチェックすることが重要です。特に、日付・曜日の変更機能が正常に動作するか、秒針停止機能(ハッキング)が機能するかなど、ロードマチック特有の機能の確認は必須です。また、ケースの研磨の状況や、文字盤の変色・損傷の程度も、将来的な価値に大きく影響します。

まとめ:セイコーロードマチック歴史の意義と現代への影響

最後に記事のポイントをまとめます。

  1. ロードマチックは1968年にセイコーの準高級自動巻き腕時計として誕生した
  2. グランドセイコー・キングセイコーに次ぐ第3の高級ラインとして戦略的に位置づけられた
  3. 当時の大卒初任給の半額程度という価格設定でビジネスマンに大ヒットした
  4. 56系ムーブメントは薄型設計と高い信頼性を両立した技術的傑作である
  5. カレンダー早送り機能とバイリンガル表示機能を世界で初めて実現した
  6. ワンピースケース構造により優れた防水性と耐久性を実現した
  7. 50種類以上の豊富なデザインバリエーションが展開された
  8. 9面カットガラスやスターダスト文字盤など革新的な装飾技術が採用された
  9. 1970年代後半にクオーツショックの影響で生産終了となった
  10. 現在はヴィンテージ時計として高い人気を誇っている
  11. 市場価格は状態と希少性により5万円から30万円の幅がある
  12. 定期的なオーバーホールが長期使用の鍵となる
  13. 56系ムーブメントの日付変更時の注意点を理解する必要がある
  14. 真贋判定には文字盤・ケースバック・ムーブメントの確認が重要である
  15. 海外コレクター市場での注目により価格上昇傾向が続いている

調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト

  • https://www.g-rare.com/column/seiko-roadmatic-charm/
  • https://jamaisvulgaire.com/mens-udetokei/セイコーロードマチック:2025年に高騰するヴィンテージセイコー
  • https://www.goodspress.jp/reports/141843/
  • https://www.seikowatches.com/jp-ja/special/heritage
  • https://ameblo.jp/hashiihashii/entry-12723283783.html
  • https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11311006576
  • https://note.com/bergeon/n/n86be91e6d592
  • https://ts1998rosso-loadmarvel.diary.to/archives/5247033.html
  • https://arbitro.shop/products/seiko-lord-matic-5606-8000-tonneau-1970s
  • https://pamda.com.br/