「シチズンってどこの国のブランドなんだろう?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。腕時計といえばスイスのイメージが強いですが、実はシチズンは日本が世界に誇る国産時計メーカーなんです。1918年の創業から100年以上の歴史を持ち、セイコーやカシオと並んで日本の三大時計メーカーの一角を担っています。
シチズンの歴史を紐解くと、昭和天皇も愛用していたという逸話や、世界初のチタン素材腕時計の開発、そして光発電技術「エコ・ドライブ」の革新など、数々の驚くべき技術革新の物語が見えてきます。現在では世界約140の国と地域でビジネスを展開する国際企業へと成長し、日本の時計技術を世界に発信し続けています。
この記事のポイント |
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✅ シチズンが日本企業であることと創業の背景 |
✅ 昭和天皇との関係や「CITIZEN」の名前の由来 |
✅ エコ・ドライブや電波時計などの革新技術 |
✅ セイコーやカシオとの違いと特徴比較 |
シチズンはどこの国の企業?日本が誇る時計メーカーの全貌
- シチズンは日本発祥の時計メーカー
- シチズンの創業は1918年で100年以上の歴史を持つ
- 「CITIZEN」の名前の由来は市民に愛される時計への願い
- シチズンの本社は東京都西東京市にある
- 昭和天皇も愛用したシチズンの国産時計
- セイコー・カシオと並ぶ日本三大時計メーカーの一角
シチズンは日本発祥の時計メーカー
シチズンは間違いなく日本の企業です。「シチズンどこの国」と疑問に思う方もいらっしゃいますが、シチズン時計株式会社は東京都西東京市に本社を置く、れっきとした日本の精密機器メーカーなのです。
多くの人がスイスの時計ブランドと混同してしまうのは、シチズンの技術力と品質が世界トップクラスだからかもしれません。実際、シチズンは世界約140の国と地域でビジネスを展開しており、海外でも高い評価を受けている国際的な企業です。
シチズンの創業は1918年(大正7年)に遡ります。当時の日本は明治維新後の近代化が進む中で、多くの革新的な企業が誕生した時代でした。同じ年には松下電気器具製作所(現:パナソニック)や象印マホービンなど、現在も名を馳せる企業が次々と設立されています。
📊 シチズンの基本情報
項目 | 詳細 |
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会社名 | シチズン時計株式会社 |
創業 | 1918年(大正7年) |
本社所在地 | 東京都西東京市田無町6-1-12 |
代表者 | 代表取締役社長 佐藤敏彦 |
資本金 | 326億4,800万円 |
従業員数 | 14,817名(連結・2024年3月31日時点) |
シチズンが日本企業であることは、その技術開発の姿勢からも明らかです。日本特有の「ものづくり」の精神を受け継ぎ、常に革新を追求する姿勢が同社の DNA に刻まれています。腕時計の部品から完成品まで一貫して自社で製造できる「マニュファクチュール」として、世界でも数少ない企業の一つとなっています。
シチズンの創業は1918年で100年以上の歴史を持つ
シチズンの歴史は、**1918年に山崎亀吉氏によって創設された「尚工舎時計研究所」**から始まります。山崎氏は元々銀座で貴金属商を営んでいましたが、海外視察でアメリカの懐中時計大量生産の状況を目の当たりにし、日本でも国産時計を作ることを決意したのです。
当時の日本では輸入時計が中心で、国産の時計製造技術は限られていました。そんな中で山崎氏の挑戦は、まさに日本の時計産業の礎を築く革命的な出来事だったのです。
創業から100年以上が経過した現在でも、シチズンは創業当時の「市民に愛される時計を作る」という理念を大切にしています。2018年には創業100周年を迎え、**「Better Starts Now」**という新たなブランドステートメントを掲げて、さらなる発展を目指しています。
🏭 シチズンの歴史的変遷
年代 | 主な出来事 |
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1918年 | 尚工舎時計研究所として創業 |
1924年 | 初の製品「CITIZEN(16型)」完成 |
1930年 | シチズン時計株式会社設立 |
1976年 | 世界初のアナログ式多機能電子時計発売 |
1995年 | 光発電技術「エコ・ドライブ」発表 |
2018年 | 創業100周年 |
シチズンの長い歴史の中でも特筆すべきは、戦時中の困難な時期も乗り越えてきたことです。戦時中は軍需生産を余儀なくされましたが、戦後は民需向けの時計製造にいち早く復帰し、セイコーに次ぐ国内第2位の時計メーカーとして成長を遂げました。
この100年以上の歴史は、シチズンが単なる時計メーカーではなく、日本の産業発展と共に歩んできた企業であることを物語っています。現在でも東京都西東京市と埼玉県所沢市に工場を構え、日本のものづくりの伝統を継承し続けています。
「CITIZEN」の名前の由来は市民に愛される時計への願い
**「CITIZEN」という名前には、深い意味が込められています。**この名前は、シチズンの前身である尚工舎が1924年に完成させた懐中時計「16型」に付けられたのが始まりです。
名前の命名者は、当時の東京市長であった後藤新平伯爵でした。山崎亀吉氏と親交があった後藤市長は、「永く広く市民に愛されるように」という思いを込めて、市民を意味する英語「CITIZEN」と名付けたのです。
この命名には、当時の日本の時計事情が大きく関係しています。携帯時計の主流が輸入品の懐中時計だった時代に、独自の設計で作り上げた国産時計を、より多くの市民に届けたいという強い願いが込められていました。
💡 「CITIZEN」命名の背景
要素 | 詳細 |
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命名者 | 後藤新平伯爵(当時の東京市長) |
命名年 | 1924年 |
意味 | 「永く広く市民に愛されるように」 |
対象製品 | 懐中時計「16型」 |
背景 | 国産時計の普及への願い |
後藤新平は、満鉄総裁や内務大臣、東京市長などを歴任した明治・大正時代の重要人物でした。彼が「CITIZEN」という名前を提案したのは、単なる商品名以上の意味があったと考えられます。日本の近代化における「市民社会」の理想を、時計という身近な製品に込めたのかもしれません。
1930年に中島與三郎氏が尚工舎を買い取り新会社を発足する際、この時計の名前であった「シチズン」を会社名に採用しました。つまり、会社名そのものが「市民のための企業」という理念を表しているのです。
この理念は現在でも受け継がれており、シチズンの製品コンセプトや企業活動の根幹となっています。高価な時計だけでなく、手に入れやすい価格帯の製品も豊富に展開しているのは、まさに「市民に愛される」という創業の精神の現れなのです。
シチズンの本社は東京都西東京市にある
シチズンの本社は東京都西東京市田無町6-1-12に位置しています。「シチズンどこの国」という疑問と共に、「本社はどこにあるの?」と気になる方も多いでしょう。この場所は、シチズンの歴史と深い関わりがあるのです。
実は、シチズンと田無の関係は1936年まで遡ります。戦時色が濃くなった当時、軍需産業の集積地となっていた北多摩郡田無町(現・西東京市)に田無工場が完成しました。80年以上もの間、この地でシチズンの時計作りが続けられているのです。
シチズンの本社・東京事業所は、単なる管理部門だけでなく、研究開発から製造まで一貫して行われる重要な拠点となっています。ここで生み出される技術が、世界中のシチズンウォッチに活かされているのです。
🏢 シチズンの主要拠点
| 拠点名 | 所在地 | 役割 | |—|—| | 本社・東京事業所 | 東京都西東京市田無町6-1-12 | 本社機能・研究開発・製造 | | 所沢事業所 | 埼玉県所沢市下富840番地 | 製造・組立 |
シチズンが本社を新宿から現在の田無に移転したのは2001年のことです。この移転は、創業の地に回帰するという象徴的な意味がありました。グローバル企業として成長したシチズンが、あえて都心を離れて製造現場との一体化を図ったのです。
田無という立地は、シチズンの企業理念にも合致しています。大都市の喧騒から離れた場所で、「市民」に寄り添った製品作りを続けているのです。また、この地域は多摩地区の工業地帯として発達しており、優秀な技術者や関連企業との連携も取りやすい環境にあります。
現在の東京事業所では、最新の設備を駆使した時計製造が行われています。特に、シチズン自慢の「エコ・ドライブ」技術や電波時計の開発・製造において、この田無の拠点が中心的な役割を果たしています。
昭和天皇も愛用したシチズンの国産時計
シチズンの歴史の中で最も興味深いエピソードの一つが、昭和天皇がシチズンの懐中時計を愛用していたという事実です。これは単なる逸話ではなく、シチズンの技術力を物語る重要な証拠でもあります。
1927年の名古屋での旧陸軍晩餐会でのことです。ある紳士が「外国製の時計は正確だが、日本製はまだまだ到底外国製には及ばない」と発言したところ、昭和天皇はズボンのポケットから懐中時計を取り出し、**「私のこの時計は12円50銭の国産品だけれども、とても良く合うよ」**と嬉しそうに示されました。
その時計こそが、シチズンの前身である尚工舎が発売したばかりの**第1号モデル「CITIZEN(16型)」**だったのです。この懐中時計は昭和天皇の侍従であった木下道雄氏が京橋の「山崎商店」で購入し、1個を私用に、もう1個を昭和天皇に謹呈したものでした。
👑 昭和天皇とシチズンの関係
項目 | 詳細 |
---|---|
使用時計 | CITIZEN(16型)懐中時計 |
価格 | 12円50銭(当時) |
購入者 | 木下道雄侍従 |
購入場所 | 京橋の「山崎商店」 |
エピソード発生年 | 1927年 |
場所 | 名古屋での旧陸軍晩餐会 |
このエピソードの意義は計り知れません。当時の日本では「舶来品信仰」が強く、国産品は品質が劣るという偏見がありました。そんな中で、天皇陛下自らが国産時計の正確性を証明されたのです。これは日本の時計技術に対する最高の推奨状だったと言えるでしょう。
さらに注目すべきは、昭和天皇が単に時計を使っていただけでなく、その精度について明確に評価されていたことです。「とても良く合う」という言葉は、シチズンの技術力が既に当時から世界水準に達していたことを示しています。
戦後、昭和天皇は「市民であろう」とする姿勢を貫かれました。全国巡幸の際も、たいしたお供も付けずに無防備なまま各地を回られ、真に「市民」の目線に立とうとされたのです。「広く市民に愛されるように」という想いで作られたシチズンの時計を愛用されていたことは、何とも感慨深い一致と言えるでしょう。
セイコー・カシオと並ぶ日本三大時計メーカーの一角
日本の時計業界において、シチズンは**セイコー、カシオと共に「三大国産時計メーカー」**の一角を担っています。この3社で国内時計業界の96%を占めるという、まさに寡占状態を形成しているのです。
それぞれのメーカーには明確な特色があります。セイコーは機械式時計とブランド力、シチズンは電波ソーラー技術と中価格帯、カシオは多機能性と実用性というように、住み分けが図られているのが興味深いところです。
国内シェアで見ると、実はカシオが34%で首位、シチズンが33%で2位、セイコーが29%で3位という順番になっています。これは一般的なイメージとは異なるかもしれませんが、各社の戦略の違いが如実に表れた結果と言えるでしょう。
📈 日本三大時計メーカーの特徴比較
メーカー | 国内シェア | 主な特徴 | 代表技術 | 価格帯戦略 |
---|---|---|---|---|
カシオ | 34% | 多機能・実用性 | G-SHOCK・デジタル技術 | 低価格〜中価格 |
シチズン | 33% | 電波ソーラー技術 | エコ・ドライブ・電波時計 | 中価格帯中心 |
セイコー | 29% | 機械式・ブランド力 | スプリングドライブ・クォーツ | 高価格帯重視 |
シチズンの強みは、**「中価格帯できちんとしたものを作る」**という明確な戦略にあります。シチズンブランド事業部の方針として、高価格帯よりも中価格帯でしっかりとした製品を提供することを重視しているのです。
これは海外展開でも顕著に表れており、セイコーがアジア・ヨーロッパでのシェア拡大を図る一方で、シチズンは北米で非常に大きなシェアを持っています。アメリカの政治家であるバーニー・サンダース上院議員もシチズンの愛用者として知られており、実用性重視のアメリカ市場にシチズンの哲学がマッチしているのです。
日本の時計産業全体で見ると、この3社の存在は極めて重要です。世界の時計市場でスイス以外の国がこれほど強いプレゼンスを持っている例は稀であり、日本の技術力とものづくりの精神を世界に示している象徴的な存在と言えるでしょう。
シチズンどこの国か知った上で理解したい特徴と技術力
- エコ・ドライブ技術は世界に先駆けたシチズンの革新技術
- 電波時計技術でも世界をリードするシチズン
- チタン素材を世界初で腕時計に採用したのもシチズン
- アテッサやエクシードなど多彩なブランド展開
- 世界約140カ国でビジネスを展開する国際企業
- セイコーとシチズンの違いは価格帯とコンセプト
- まとめ:シチズンどこの国かといえば間違いなく日本
エコ・ドライブ技術は世界に先駆けたシチズンの革新技術
シチズンの代名詞とも言える**「エコ・ドライブ」**は、光を電気エネルギーに変換して時計を駆動させる画期的な技術です。「シチズンどこの国」と疑問に思う方も、この技術を知れば日本の技術力の高さを実感できるでしょう。
エコ・ドライブの最大の特徴は、太陽光だけでなく、オフィスの蛍光灯やデスクライトなどの日常のわずかな光でも発電できることです。一度フル充電すれば、暗闇でも約6ヶ月間動き続けることができ、定期的な電池交換が不要という革命的なシステムなのです。
この技術が初めて発表されたのは1995年のことでした。当時、時計といえば電池式か機械式が主流で、光発電という概念そのものが革新的でした。シチズンはこの技術を「Eco-Drive」と名付け、環境保護の観点からも高く評価され、「エコマーク商品」の認定を受けています。
🌟 エコ・ドライブの技術的特徴
特徴 | 詳細 |
---|---|
発電方式 | 光発電(太陽光・人工光源) |
充電時間 | 太陽光で約2時間(フル充電) |
連続駆動時間 | 約6ヶ月(フル充電時) |
環境認証 | エコマーク商品認定 |
特許技術 | シチズン独自開発 |
メンテナンス | 電池交換不要 |
エコ・ドライブ技術の開発には、シチズンの長年にわたる研究開発の蓄積が活かされています。特に、効率的な光の取り込みと電力変換、そして省電力設計の3つの要素が高度にバランスされていることが、この技術の成功の鍵となっています。
現在では、エコ・ドライブを搭載した時計は様々なデザインやスタイルで展開されており、ビジネスからカジュアル、スポーツまで幅広いシーンに対応しています。文字盤のデザインも、光を効率よく取り込むための工夫が凝らされており、機能性と美しさを両立させています。
エコ・ドライブ技術は単なる時計の技術にとどまらず、持続可能な社会への貢献という側面も持っています。電池交換が不要ということは、廃棄される電池の量を減らすことにもつながり、環境負荷の軽減に貢献しているのです。
電波時計技術でも世界をリードするシチズン
シチズンは光発電技術だけでなく、電波時計技術でも世界をリードする存在です。世界初の電波時計を開発したのもシチズンであり、現在でも最先端の衛星電波時計を製造しています。
電波時計の基本的な仕組みは、標準時刻を送信する電波を受信して、自動的に時刻を修正するというものです。これにより、手動で時刻合わせをする必要がなく、常に正確な時刻を保つことができます。シチズンの電波時計は、日本の標準電波だけでなく、世界各地の標準電波に対応したモデルもあります。
さらに革新的なのが、衛星電波時計技術です。これは GPS 衛星から時刻情報を受信する技術で、地球上どこにいても正確な時刻を表示することができます。従来の地上電波とは異なり、世界中どこでも受信可能なため、海外出張の多いビジネスマンや旅行者にとって非常に便利な機能です。
⚡ シチズンの電波時計技術の進化
技術段階 | 特徴 | 受信範囲 | 開発年 |
---|---|---|---|
地上電波時計 | 標準電波局からの電波受信 | 国内・一部海外 | 1990年代後半 |
多局電波時計 | 複数国の標準電波対応 | 日本・欧米・中国 | 2000年代 |
衛星電波時計 | GPS衛星からの時刻受信 | 世界全域 | 2010年代 |
ハイブリッド | 地上波・衛星波両対応 | 最適な電波を自動選択 | 2020年代 |
シチズンの電波時計には、**「ダイレクトフライト」**という機能を持つモデルもあります。これは、世界各都市の時刻を瞬時に表示できる機能で、ビジネスで海外との連絡が多い方には特に重宝されています。
電波時計技術の開発において、シチズンが重視しているのは実用性です。技術的に優れているだけでなく、日常生活で本当に便利に使えることを常に考慮しています。例えば、受信感度の向上や、電波を受信できない環境での動作安定性など、ユーザーの立場に立った改良が続けられています。
最近では、電波時計の時刻情報から自動的に月齢を計算して表示する機構なども開発されており、シチズンの技術革新は今もなお続いています。これらの技術は、「市民に愛される時計」という創業理念の現代的な表現と言えるでしょう。
チタン素材を世界初で腕時計に採用したのもシチズン
シチズンの技術革新の中でも特筆すべきは、世界で初めてチタン素材を腕時計に使用したことです。この快挙は1970年に達成され、その後の時計業界に大きな影響を与えました。
チタンは宇宙開発専用の素材として開発されていましたが、シチズンがその特性に着目し、腕時計への応用を実現したのです。軽量でありながら強度が高く、アレルギーを起こしにくいという特性は、腕時計にとって理想的な素材でした。
当時のチタン加工技術は非常に困難で、特殊な設備と高度な技術が必要でした。シチズンは長年の研究開発により、チタンの切削、研磨、表面処理技術を確立し、美しい外観と優れた機能性を両立させることに成功したのです。
🔧 チタン素材の特徴と加工技術
特徴 | 従来のステンレス | チタン | シチズンの技術 |
---|---|---|---|
重量 | 重い | 約40%軽量 | 精密切削技術 |
強度 | 普通 | 約2倍の強度 | 特殊熱処理 |
耐食性 | 良好 | 極めて優秀 | 表面処理技術 |
アレルギー性 | あり(一部) | ほぼなし | 医療用チタン使用 |
加工難易度 | 普通 | 非常に困難 | 独自加工技術開発 |
シチズンのチタン技術は「アテッサ」シリーズや「ザ・シチズン」シリーズに代表されるように、現在でも同社の主力技術として活用されています。特に、表面硬化技術「デュラテクト」と組み合わせることで、傷つきにくく美しい外観を長期間保つことができます。
現在では他の時計メーカーでもチタン製時計は珍しくありませんが、シチズンの加工技術は他を寄せ付けない精緻さを誇っています。特に、チタンの持つ独特の質感を活かしたデザインや、複雑な形状の加工技術においては、パイオニアとしての意地を感じさせる技術力を維持しています。
チタン時計をお探しなら、まずはシチズンを選択することをおすすめします。50年以上にわたって培われた技術とノウハウは、他メーカーでは真似のできない品質を実現しているからです。
アテッサやエクシードなど多彩なブランド展開
シチズンは「市民に愛される時計」という理念のもと、多彩なブランド展開を行っています。年代や性別、ライフスタイルに合わせた幅広いラインナップは、まさにシチズンが日本の企業だからこそ実現できる、きめ細かな配慮の現れです。
メンズ向けの主力ブランドとしては、**「アテッサ」**が筆頭に挙げられます。1987年に発表されたこのシリーズは、チタン素材と電波ソーラー技術を組み合わせた高機能ウォッチとして、ビジネスマンから高い支持を得ています。
レディース向けでは、**「クロスシー(xC)」や「エクシード」**が人気です。特にクロスシーは、働く女性のライフスタイルに合わせて設計されており、機能性とエレガンスを両立させた時計として評価されています。
👥 シチズンの主要ブランドラインナップ
ブランド名 | ターゲット | 主な特徴 | 価格帯 |
---|---|---|---|
アテッサ | ビジネスマン | チタン・電波ソーラー | 10-50万円 |
プロマスター | アクティブユーザー | 高機能・耐久性 | 5-30万円 |
エクシード | 上質志向 | エレガント・高品質 | 8-40万円 |
クロスシー(xC) | 働く女性 | 機能的・美しい | 5-20万円 |
ウィッカ(wicca) | 若い女性 | カジュアル・可愛い | 2-5万円 |
シチズンコレクション | 一般層 | ベーシック・実用的 | 1-8万円 |
レグノ | エントリー層 | シンプル・低価格 | 1-3万円 |
さらに、高級路線では**「カンパノラ」**シリーズがあります。これは複雑時計の世界に挑戦したコレクションで、ムーンフェイズやミニッツリピーターなど、従来のシチズンの製品ラインアップを超越した付加価値重視の製品群です。
若い世代向けには**「ウィッカ(wicca)」や「レグノ」**といったセカンドブランドも展開しています。これらは手に入れやすい価格でありながら、シチズンの基本技術であるエコ・ドライブを搭載しており、初めて時計を購入する方の入り口としての役割も果たしています。
スポーツ・アウトドア向けの**「プロマスター」**シリーズでは、ダイバーズウォッチやパイロットウォッチなど、プロフェッショナルユースにも耐える高機能時計を提供しています。これらの時計は、単なる時刻表示を超えて、特定の用途に特化した道具としての性格を持っています。
このような多様なブランド展開により、シチズンは「老若男女を問わない、真の市民のための時計」という理想を実現しています。どの年代の方でも、どのようなライフスタイルの方でも、必ず自分に合ったシチズンの時計を見つけることができるのです。
世界約140カ国でビジネスを展開する国際企業
「シチズンどこの国」という疑問を抱く方が多いのも無理はありません。なぜなら、シチズンは世界約140の国と地域でビジネスを展開する真のグローバル企業だからです。日本発祥でありながら、その活動範囲は地球規模に及んでいます。
シチズンの海外展開は1960年代から本格化しました。特に注目すべきは、地域ごとに異なる戦略を採用していることです。北米市場では実用性重視の戦略を取り、ヨーロッパでは技術力をアピールし、アジア市場ではブランド力の向上に注力しています。
海外での評価も非常に高く、特にアメリカでは多くの政治家や著名人がシチズンの時計を愛用しています。バーニー・サンダース上院議員もその一人で、アメリカの実用主義的な価値観にシチズンの哲学がマッチしていることを示しています。
🌍 シチズンの地域別戦略
地域 | 主な戦略 | 人気製品 | 市場特性 |
---|---|---|---|
北米 | 実用性・機能性重視 | エコ・ドライブ各種 | 機能重視・合理的 |
ヨーロッパ | 技術力・精密性アピール | 電波時計・高精度 | 技術認識高い |
アジア | ブランド力・ステータス | アテッサ・エクシード | ブランド志向強い |
中南米 | 耐久性・信頼性 | プロマスター系 | 過酷環境使用 |
中東・アフリカ | 基本機能・コスパ | シチズンコレクション | 実用性重視 |
シチズンの国際戦略で特筆すべきは、現地のニーズに合わせた製品開発を行っていることです。例えば、砂漠地帯では耐塵性能を強化し、熱帯地域では防湿性能を向上させるなど、地域特性を考慮した改良が施されています。
また、世界各地に製造拠点を持っていることも、シチズンの国際企業としての特徴です。日本国内の東京・所沢に加えて、中国、東南アジア、欧州などに生産拠点を配置し、効率的な供給体制を構築しています。
シチズンの国際展開は、単なる日本製品の輸出にとどまりません。各地域の文化や価値観を理解し、それに合わせた製品とサービスを提供することで、真のグローバルブランドとして成長してきたのです。この姿勢こそが、「市民に愛される」という創業理念の国際的な表現と言えるでしょう。
セイコーとシチズンの違いは価格帯とコンセプト
「セイコーとシチズンどちらが上?」「セイコーとシチズンどっち?」という疑問を持つ方は多いでしょう。実際のところ、この2社は明確に住み分けを図っており、単純な優劣では語れないのが実情です。
最も大きな違いは価格帯戦略です。セイコーが高価格帯に注力してブランド力の向上を図っているのに対し、シチズンは「中価格帯できちっとしたものを作る」という方針を明確に打ち出しています。
技術面でも違いがあります。セイコーは機械式時計の技術向上に力を入れており、特にグランドセイコーで培った技術を他のコレクションにも転用しています。一方、シチズンは電波ソーラー技術を中心とした実用性重視の開発を続けています。
⚖️ セイコーとシチズンの比較
項目 | セイコー | シチズン |
---|---|---|
価格戦略 | 高価格帯重視 | 中価格帯重視 |
技術重点 | 機械式・スプリングドライブ | 電波ソーラー・エコドライブ |
ブランド戦略 | ステータス性重視 | 実用性重視 |
海外展開 | アジア・ヨーロッパ | 北米中心 |
代表技術 | クォーツ・機械式 | 光発電・電波修正 |
ターゲット | 時計愛好家・高所得層 | 一般市民・実用派 |
ブランドイメージでも大きな違いがあります。セイコーは**「時計メーカーとしてのプライド」を前面に出し、オリンピックの公式タイムキーパーを務めるなど、権威性を重視しています。対してシチズンは「市民に寄り添う」**姿勢を貫き、誰もが使いやすい時計作りを心がけています。
購入する際の選び方としては、ステータス性や機械式時計の美しさを求めるならセイコー、実用性や手間のかからなさを求めるならシチズンというのが一般的な指針となるでしょう。
ただし、どちらも世界に誇る日本の時計メーカーであることは間違いありません。競争することで互いに技術を向上させ、日本の時計産業全体のレベルアップに貢献しているのです。シチズンがどこの国かと問われれば、セイコーと共に日本の技術力を世界に示す重要な企業の一つと答えることができます。
まとめ:シチズンどこの国かといえば間違いなく日本
最後に記事のポイントをまとめます。
- シチズンは1918年創業の日本企業で、本社は東京都西東京市田無町にある
- 創業者は山崎亀吉氏で、前身は「尚工舎時計研究所」という名称だった
- 「CITIZEN」という名前は後藤新平東京市長が「市民に愛される時計」という願いを込めて命名した
- 昭和天皇も愛用した懐中時計「16型」がシチズンの記念すべき第1号製品である
- セイコー、カシオと並んで日本三大時計メーカーの一角を担っている
- 国内シェアは33%で第2位、カシオに次ぐ位置にある
- エコ・ドライブ(光発電技術)は1995年に発表されたシチズン独自の革新技術である
- 世界初の電波時計開発や衛星電波時計技術でも業界をリードしている
- 1970年に世界で初めてチタン素材を腕時計に採用した
- アテッサ、エクシード、クロスシー、ウィッカなど多彩なブランド展開を行っている
- 世界約140の国と地域でビジネスを展開するグローバル企業である
- 北米市場で特に高いシェアを持ち、アメリカの政治家も愛用している
- セイコーが高価格帯・ブランド重視に対し、シチズンは中価格帯・実用性重視の戦略を取っている
- チタン加工技術や表面硬化技術「デュラテクト」など独自の技術を多数保有している
- 「市民に愛される時計」という創業理念が現在でも企業活動の根幹となっている
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://hrd-web.com/?mode=f39
- https://citizen.jp/support/guide/html/c660/worldtime_04_c660.html
- https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%81%E3%82%BA%E3%83%B3%E6%99%82%E8%A8%88
- https://citizen.jp/about/index.html
- https://www.rasin.co.jp/blog/special/seiko-citizen-casio/
- https://citizen.jp/news/2024/20240221.html
- https://www.citizen.co.jp/company/outline.html
- https://campanola.jp/
- https://10keiya.com/blogs/media/1383
- https://www.rhythm.co.jp/about/history.html