タグホイヤーのS/el(セル)シリーズは、1987年に登場したタグホイヤーの代表的な腕時計コレクションで、その独特なS字型ブレスレットで多くの時計愛好家を魅了してきました。「Sports Elegance(スポーツエレガンス)」の略である「S/el」という名称の通り、スポーティさとエレガンスさを融合させたデザインが特徴で、F1レーサーのアイルトン・セナが愛用していたことでも有名です。発売当初の価格は一般的なモデルで10万円から20万円台、特別仕様やクロノグラフモデルでは30万円を超えるものもありました。
現在、S/elシリーズは1999年に後継モデルである「リンク」シリーズに引き継がれており、新品での入手は不可能となっています。そのため、中古市場での取引が中心となっており、現在の中古相場は状態やモデルによって約2万円から10万円程度と幅広く、希少なアイルトン・セナモデルなどのコレクターズアイテムはさらに高値で取引されています。この記事では、セルシリーズの当時の価格設定から現在の市場価値、さらには購入時の注意点まで詳しく解説していきます。
この記事のポイント |
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✅ タグホイヤーセルシリーズの発売当初価格は10万円〜30万円台だった |
✅ 現在の中古相場は2万円〜10万円程度で手頃に入手可能 |
✅ アイルトン・セナモデルなど希少品は高値で取引される |
✅ 1999年にリンクシリーズに引き継がれ新品入手は不可能 |
タグホイヤーセルシリーズ当時の価格と現在の相場
- タグホイヤーセルシリーズ当時の価格は10万円台から30万円超まで幅広く展開
- タグホイヤーセルシリーズの現在の中古相場は2万円から10万円程度
- タグホイヤーセルシリーズの価格変動要因はアイルトン・セナモデルなど希少性による
- タグホイヤーセルシリーズの製造年代と価格の関係は1990年代製造品が中心
- タグホイヤーセルシリーズのサイズ展開はメンズ・ミッドサイズ・レディースの3種類
- タグホイヤーセルシリーズの自動巻きモデルは当時20万円超の高級仕様
タグホイヤーセルシリーズ当時の価格は10万円台から30万円超まで幅広く展開
タグホイヤーS/el(セル)シリーズが1987年に初めて市場に登場した際の価格設定は、当時の高級時計市場において中価格帯から高価格帯に位置づけられていました。発売当初の価格は、モデルや機能によって大きく異なっていましたが、一般的には10万円から20万円台の価格帯で販売されていました。
特に注目すべきは、クロノグラフモデルや特別仕様のモデルの価格で、これらはさらに高価で、一部では30万円を超えるものもありました。この価格設定は、当時としては一般の人々にとっても手が届く範囲でありながら、タグホイヤーという高級ブランドの名にふさわしい品質とデザインを持っていたため、多くの時計愛好家やファッションに敏感な層から支持を集めました。
🕐 セルシリーズ発売当初の価格帯
モデルタイプ | 価格帯 | 特徴 |
---|---|---|
基本3針モデル | 10万円〜15万円 | クォーツ式、シンプル仕様 |
デイト付きモデル | 12万円〜18万円 | カレンダー機能付き |
クロノグラフモデル | 20万円〜25万円 | ストップウォッチ機能 |
特別仕様モデル | 25万円〜30万円超 | 限定版や高級仕上げ |
自動巻きモデル | 18万円〜25万円 | 機械式ムーブメント |
また、レーシングドライバーのアイルトン・セナなど有名人が着用したことで、特定のモデルが人気を博し、取引価格に影響を与えたことも重要な要素でした。セナが愛用していたデジタル・アナログ複合型のクロノグラフモデルは、特に高い人気を誇り、当時から高価格で取引されていました。
当時の価格設定を現在の貨幣価値に換算すると、おそらく現在の15万円から40万円程度に相当すると推測されます。これは、タグホイヤーが当時から確固たる高級ブランドとしての地位を確立していたことを示しています。
タグホイヤーセルシリーズの現在の中古相場は2万円から10万円程度
現在のS/elシリーズの価格は、発売当初とは大きく異なり、中古市場でのみ取引されています。新品の流通がないため、状態やモデルによって価格は大きく変動しますが、一般的な中古価格は約2万円から10万円程度となっており、発売当初と比較すると非常に手頃な価格で入手できるようになっています。
特に、アイルトン・セナモデルなどの限定版や、機械式ムーブメントを搭載したモデルは、コレクターズアイテムとしての価値が高く、価格が上昇する傾向があります。一方で、クォーツモデルや一般的な仕様のものは比較的手頃な価格で手に入れることができます。
💰 現在の中古市場価格
状態・希少性 | 価格帯 | 主な特徴 |
---|---|---|
一般的なクォーツモデル | 2万円〜4万円 | 使用感あり、標準仕様 |
良好状態のクォーツ | 4万円〜7万円 | 美品、付属品一部あり |
自動巻きモデル | 6万円〜12万円 | 機械式、メンテナンス済み |
セナモデル・限定品 | 8万円〜15万円以上 | 希少性高、コレクター価格 |
最高級・完品 | 10万円〜25万円 | 未使用級、全付属品 |
現在の中古相場の特徴として、状態による価格差が非常に大きいことが挙げられます。同じモデルでも、使用感の有無、ブレスレットの傷の程度、文字盤の状態、付属品の有無などによって、価格が倍以上変わることも珍しくありません。
また、メンテナンス履歴も価格に大きく影響します。最近オーバーホールが実施されている個体や、電池交換が済んでいるクォーツモデルは、そうでないものと比べて高値で取引される傾向があります。一般的に、時計専門店での整備済み品は、個人売買の商品よりも1万円から3万円程度高くなることが多いようです。
タグホイヤーセルシリーズの価格変動要因はアイルトン・セナモデルなど希少性による
S/elシリーズの価格変動に最も大きな影響を与えているのは、希少性とブランドストーリーです。特に、F1レーサーのアイルトン・セナが愛用していたモデルは、セナの伝説的な人気もあって、現在でも高い価値を保っています。セナが着用していたエッグシェルカラーのダイヤルが目を引くバイメタルモデル(Ref. S. 25706C)は、コレクターの間で特に人気が高く、状態の良いものは10万円を超える価格で取引されることも少なくありません。
🏆 価格に影響する主要因子
- ✅ 希少性: 生産数が少ないモデルや限定版
- ✅ 著名人の着用歴: アイルトン・セナモデルなど
- ✅ ムーブメントの種類: 自動巻き>クォーツ
- ✅ 機能の複雑さ: クロノグラフ>3針
- ✅ 製造年代: 初期型や末期型の希少性
- ✅ 状態の良さ: 傷の少なさ、付属品の有無
さらに、製造時期によっても価格差が生じています。1987年の初期モデルや、1999年の生産終了直前のモデルは、それぞれ「ファーストモデル」「ラストモデル」としてコレクターから注目され、中間時期のモデルよりも高値で取引される傾向があります。
また、デジタル・アナログ複合型のクロノグラフモデルも、その複雑な機構と視覚的なインパクトから人気が高く、一般的なアナログモデルよりも2万円から5万円程度高い価格で取引されています。これらのモデルは1/100秒の精度を持つ計測機能を備えており、当時の技術力の高さを物語る存在として評価されています。
地域による価格差も存在し、おそらく都市部の時計専門店では地方よりも高値で取引される傾向があると推測されます。また、海外での評価も価格に影響を与えており、特にヨーロッパやアジアの一部地域では、日本国内よりも高い評価を受けているモデルも存在します。
タグホイヤーセルシリーズの製造年代と価格の関係は1990年代製造品が中心
S/elシリーズの製造期間は1987年から1999年の12年間で、この期間中に様々な改良とモデルチェンジが行われました。製造年代によって価格が変動する主な理由は、各時期の生産数の違いと、技術的な進歩による品質の差にあります。
📅 製造年代別の特徴と価格傾向
製造年代 | 主な特徴 | 価格傾向 | 希少性 |
---|---|---|---|
1987-1989年 | 初期型、回転ベゼル付き | やや高 | 高い |
1990-1992年 | Professional表記追加 | 標準 | 中程度 |
1993-1995年 | デザイン改良、品質向上 | 標準 | 中程度 |
1996-1998年 | 成熟期、安定した品質 | 標準〜やや安 | 低い |
1999年 | 最終生産年 | やや高 | 高い |
1990年代前半から中期にかけて製造されたモデルが最も多く市場に流通しており、これらは比較的手頃な価格で入手することができます。一方、1987年から1989年の初期モデルは、ファーストモデルとしてのプレミアが付いており、同じ仕様でも後期モデルより1万円から3万円程度高値で取引されることが多いようです。
特に注目すべきは、1991年に登場した自動巻きモデルです。この年代から機械式ムーブメントを搭載したモデルが本格的に展開され、ETA 2892をベースとしたキャリバー7を搭載したクロノメーターモデルは、現在でも高い評価を受けています。これらのモデルは当時の定価が20万円を超えていましたが、現在の中古市場では6万円から12万円程度で入手可能です。
1999年の最終生産年のモデルも、ラストモデルとしての希少性から、同仕様の他年代モデルよりも高値で取引される傾向があります。これは、コレクターが「時代の節目」を重視する傾向があるためと推測されます。
タグホイヤーセルシリーズのサイズ展開はメンズ・ミッドサイズ・レディースの3種類
S/elシリーズは、幅広いユーザーに対応するため、メンズ、ミッドサイズ、レディースの3種類のサイズ展開で製造されていました。各サイズによって当時の価格設定も異なっており、現在の中古市場でも価格差が見られます。
⌚ サイズ別仕様と価格の特徴
サイズカテゴリ | ケースサイズ | 当時価格帯 | 現在中古相場 | 人気度 |
---|---|---|---|---|
メンズ | 38-40mm | 12-25万円 | 3-10万円 | 高い |
ミッドサイズ | 34-36mm | 10-20万円 | 2-8万円 | 中程度 |
レディース | 28-32mm | 8-18万円 | 2-6万円 | やや低い |
メンズサイズは最も人気が高く、特に38mm以上のケースを持つモデルは現在でも高い需要があります。これらのモデルは男性の標準的な腕まわりに適しており、S字ブレスレットの特徴的なデザインが最も映えるサイズでもあります。当時の価格では最も高価格帯に設定されていましたが、現在でも相対的に高値で取引されています。
**ミッドサイズ(ボーイズサイズ)**は、男女問わず着用できるユニセックスなサイズとして人気があります。特に、腕の細い男性や、少し大きめの時計を好む女性から支持されています。価格的には中間的な位置づけで、当時も現在も手頃な価格帯で取引されています。
レディースサイズは、当時の女性向け時計としては比較的大きめのサイズ設定でしたが、現在の感覚では標準的なサイズと言えるでしょう。ダイヤモンドがセットされたモデルや、特別な文字盤カラーのモデルも存在し、これらは他のサイズよりも装飾性が高く、当時から現在まで根強い人気を保っています。
各サイズともに、ブレスレットの調整が価格に影響することも重要なポイントです。オリジナルのコマが多く残っているものほど高値で取引され、逆にコマが不足しているものは価格が下がる傾向があります。
タグホイヤーセルシリーズの詳細情報と価値判断のポイント
- タグホイヤーセルシリーズのクロノグラフモデルは複雑機構で高価格帯
- タグホイヤーセルシリーズの電池交換とメンテナンス費用は手頃
- タグホイヤーセルシリーズの製造年調べ方はシリアル番号とリファレンス番号
- タグホイヤーセルシリーズの昔のモデルは現在のリンクシリーズの原型
- タグホイヤーセルシリーズの買取価格は状態と希少性で大きく変動
- タグホイヤーセルシリーズの新品は現在入手不可のプレミアアイテム
- まとめ:タグホイヤーセルシリーズ当時の価格と現在価値を理解して賢く選択
タグホイヤーセルシリーズのクロノグラフモデルは複雑機構で高価格帯
S/elシリーズの中でもクロノグラフモデルは最も複雑で高価格帯に位置づけられていました。1990年にシリーズに追加されたクォーツクロノグラフは、1/10秒の精度を実現しており、当時としては非常に高い技術力を要する機構でした。これらのモデルの当時の価格は20万円から25万円程度で、基本的な3針モデルと比較して5万円から10万円程度高く設定されていました。
最も注目すべきは、1990年に登場したデジタル・アナログ複合型のクロノグラフです。このモデルは4時と8時位置に2つの小さなデジタルウィンドウを配置し、1/100秒の精度を持つ計測機能を備えていました。アイルトン・セナが愛用していたのもこのタイプで、エッグシェルカラーのダイヤルが特徴的なバイメタルモデル(Ref. S. 25706C)は、当時から特別な価格で販売されていました。
🔧 クロノグラフモデルの技術仕様と価格
モデルタイプ | 搭載ムーブメント | 精度 | 当時価格 | 現在相場 |
---|---|---|---|---|
クォーツクロノグラフ | ETA 251.262 | 1/10秒 | 20-23万円 | 4-8万円 |
デジタル複合型 | ETA 251.265 | 1/100秒 | 23-28万円 | 6-12万円 |
自動巻きクロノグラフ | ETA 7750ベース | 1/8秒 | 25-30万円 | 8-15万円 |
1996年に登場した自動巻きクロノグラフは、S/elシリーズの技術的な頂点とも言える存在でした。ETA 7750をベースとしたムーブメントを搭載し、現在のキャリバー16の前身となる機構を採用していました。これらのモデルのダイヤルは、中央部と3つのレジスターの内側両方にアジュラージュ仕上げを施したツーピース構造となっており、視覚的な美しさも追求されていました。
現在の中古市場では、クロノグラフモデルの人気は依然として高く、特に動作が確認されているものは一般的な3針モデルよりも2倍から3倍の価格で取引されています。ただし、クロノグラフ機構は複雑なため、メンテナンス費用も高くなる傾向があり、購入時にはその点も考慮する必要があります。
タグホイヤーセルシリーズの電池交換とメンテナンス費用は手頃
S/elシリーズの多くを占めるクォーツモデルのメンテナンス費用は比較的手頃で、これが現在でも人気を保っている理由の一つです。基本的な電池交換は1,500円から3,000円程度で実施でき、一般的な時計店でも対応可能です。ただし、200m防水仕様のため、電池交換後の防水テストは必須となります。
🔋 メンテナンス費用の目安
メンテナンス内容 | 費用目安 | 頻度 | 備考 |
---|---|---|---|
電池交換 | 1,500-3,000円 | 2-3年 | 防水テスト込み |
パッキン交換 | 3,000-5,000円 | 5-7年 | リューズ・裏蓋 |
オーバーホール | 25,000-40,000円 | 7-10年 | クォーツの場合 |
ブレス洗浄・研磨 | 5,000-10,000円 | 随時 | 外装メンテナンス |
自動巻きモデルのオーバーホールは、クォーツモデルより高額になりますが、それでも一般的なスイス製高級時計と比較すると3万円から5万円程度と手頃な価格で実施できます。これは、S/elシリーズが汎用性の高いETAムーブメントを採用しているためで、部品の調達も比較的容易です。
特筆すべきは、S字ブレスレットのメンテナンスです。この独特な形状のブレスレットは専門的な洗浄と調整が必要ですが、多くの時計修理店で対応可能で、費用も5,000円から10,000円程度と手頃です。ただし、コマの紛失や破損の場合は、純正部品の調達が困難になっているため、代替品での対応となることが多いようです。
日常的なメンテナンスとしては、使用後の軽い清拭や、月に一度程度の中性洗剤を使った洗浄が推奨されます。特にS字ブレスレットの隙間には汚れが蓄積しやすいため、柔らかいブラシを使った清掃が効果的です。これらの日常メンテナンスを適切に行うことで、大きな修理の頻度を減らすことができます。
タグホイヤーセルシリーズの製造年調べ方はシリアル番号とリファレンス番号
S/elシリーズの製造年を調べるには、シリアル番号とリファレンス番号を確認することが最も確実な方法です。これらの番号は時計の価値判断や真贋判定にも重要な情報となるため、購入前には必ず確認することをお勧めします。
🔍 製造年特定のための番号確認方法
確認箇所 | 記載内容 | 確認方法 | 注意点 |
---|---|---|---|
文字盤6時位置 | リファレンス番号 | 目視確認 | モデル名と仕様がわかる |
裏蓋内側 | シリアル番号 | 裏蓋開放 | 製造年・月が特定可能 |
ブレスレット | 刻印 | ルーペで確認 | 純正品の確認 |
ムーブメント | キャリバー番号 | 専門店での確認 | 搭載機構の特定 |
シリアル番号の読み方は、タグホイヤーの一般的な規則に従っており、最初の2桁または3桁が製造年を表し、続く数字が製造順序を示しています。例えば、「97」で始まるシリアル番号は1997年製造を意味し、「899」で始まるものは1999年製造(89週目製造)を示している可能性があります。
リファレンス番号は、モデルの仕様を詳細に表しており、例えば「WG1112-0」の場合、WGはプロフェッショナルシリーズ、11はS/elシリーズ、12はサイズと仕様、最後の0はケースとブレスの組み合わせを示しています。この番号により、当時のカタログ価格や仕様を特定することができます。
ただし、個人での製造年特定には限界があるため、確実な年代判定を行いたい場合は、タグホイヤーの正規サービスセンターや専門の鑑定業者に依頼することが推奨されます。これらの専門機関では、データベースと照合することで正確な製造年月日を特定できます。
タグホイヤーセルシリーズの昔のモデルは現在のリンクシリーズの原型
S/elシリーズは1999年に「LINK(リンク)」と名称を変更し、現在まで続くタグホイヤーの主要コレクションの一つとなっています。この名称変更は単なるリブランディングではなく、ミレニアムへの橋渡し(リンク)という意味も込められていました。S/elからリンクへの進化を理解することで、昔のモデルの価値をより深く理解することができます。
🔗 S/elからリンクへの進化過程
時期 | モデル名 | 主な特徴 | デザインの変化 |
---|---|---|---|
1987-1999年 | S/el | 回転ベゼル、曲線的S字 | オリジナルデザイン |
1999-2004年 | 初期リンク | 回転ベゼル継続 | わずかにシャープ化 |
2004-2012年 | 中期リンク | 回転ベゼル廃止 | よりスタイリッシュに |
2012年-現在 | 現行リンク | エッジの効いたデザイン | モダンな解釈 |
現在のリンクシリーズと比較すると、S/elの方がより有機的で柔らかな印象を与えます。特に、ブレスレットのS字カーブは、初期の方がより人間工学的な設計になっており、装着感に優れているという評価もあります。これは、現在の時計デザインがより直線的でエッジの効いたデザインを重視する傾向があるためと推測されます。
S/elの独特な魅力は、その時代の「アバンギャルド(前衛的)」なデザイン精神にあります。当時のタグホイヤーは、他のブランドとは一線を画する個性的なデザインを追求しており、S/elはその象徴的な存在でした。現在の目で見ると「レトロ」に感じられるこのデザインが、逆に新鮮さを与えているのも興味深い現象です。
コレクターの視点から見ると、S/elは「オリジナル」としての価値を持っています。リンクシリーズの原型であり、タグホイヤーのデザイン史における重要な節目を表すモデルとして、今後も一定の価値を保ち続けると予想されます。
タグホイヤーセルシリーズの買取価格は状態と希少性で大きく変動
S/elシリーズの買取価格は、状態と希少性によって大きく変動します。一般的な買取価格は販売価格の60%から80%程度ですが、希少なモデルや状態の良いものでは、より高い買取価格が期待できます。買取を検討する際は、複数の業者で査定を受けることが重要です。
💎 買取価格に影響する主要因子
評価項目 | 高評価ポイント | 価格への影響 | 査定時の重要度 |
---|---|---|---|
外観状態 | 傷なし、研磨歴なし | +30-50% | 非常に高い |
動作状況 | 完全動作、精度良好 | +20-30% | 高い |
付属品 | 箱・保証書・コマ完備 | +15-25% | 中程度 |
希少性 | セナモデル、限定品 | +50-100% | 非常に高い |
真贋性 | 正規品証明可能 | 基本要件 | 絶対条件 |
特に高値で買取されるモデルは、アイルトン・セナモデル、初期型の1987-1989年製造品、自動巻きクロノグラフ、デジタル・アナログ複合型などです。これらのモデルは希少性が高く、コレクターからの需要も強いため、一般的なモデルより2倍から3倍の買取価格が付くことも珍しくありません。
買取価格を向上させるコツとしては、まず日頃からの適切なメンテナンスが重要です。定期的な清掃や電池交換、必要に応じたオーバーホールを行うことで、査定時の評価を高めることができます。また、購入時の付属品を大切に保管することも重要で、特に保証書や取扱説明書、余りコマなどは査定価格に大きく影響します。
買取業者選びも重要で、一般的なリサイクルショップよりも時計専門の買取業者の方が適正な価格を提示してくれる傾向があります。特に、タグホイヤーやヴィンテージ時計に詳しい業者であれば、S/elシリーズの価値を正しく評価してくれる可能性が高いでしょう。
タグホイヤーセルシリーズの新品は現在入手不可のプレミアアイテム
S/elシリーズの新品は、1999年の生産終了以来、正規販売店での入手は完全に不可能となっています。これにより、S/elシリーズは完全な「ヴィンテージアイテム」としての地位を確立しており、新品同様の未使用品やデッドストック品は非常に高いプレミアが付いています。
🏆 新品・未使用品の希少性と価格
状態レベル | 市場での呼称 | 推定存在数 | 価格プレミアム |
---|---|---|---|
完全未使用 | デッドストック | 極少数 | 200-300% |
未使用級 | ミントコンディション | 少数 | 150-200% |
極美品 | NOS (New Old Stock) | 稀少 | 120-150% |
美品 | エクセレント | 少数 | 100-120% |
現在市場に出回る「新品」とされるS/elは、主に以下のような経路から供給されています:
- 時計店のデッドストック: 閉店した時計店の在庫から発見される場合
- 個人コレクターの未使用品: 購入後、使用せずに保管されていたもの
- 海外からの輸入品: 海外の時計店や個人から輸入される未使用品
- 相続・遺品整理: 故人が大切に保管していた未使用の時計
これらの真の未使用品は年々減少しており、発見される可能性は極めて低くなっています。そのため、現在「新品」として販売されているS/elの多くは、実際には「未使用に近い美品」である場合が多く、購入時には詳細な状態確認が必要です。
投資的観点から見ると、S/elシリーズの未使用品は今後さらに希少性が高まると予想されます。特に、アイルトン・セナモデルや初期型、自動巻きモデルの未使用品は、将来的にさらなる価値上昇が期待できるかもしれません。ただし、時計投資には価格変動リスクが伴うため、純粋な投資目的での購入は慎重に検討する必要があります。
まとめ:タグホイヤーセルシリーズ当時の価格と現在価値を理解して賢く選択
最後に記事のポイントをまとめます。
- タグホイヤーS/elシリーズの発売当初価格は10万円から30万円超で幅広い価格帯をカバーしていた
- 現在の中古市場価格は2万円から10万円程度で、発売当初より大幅に手頃になった
- アイルトン・セナモデルなど希少品は現在でも高値で取引される傾向がある
- 製造年代は1987年から1999年の12年間で、初期型と最終型に希少性がある
- サイズ展開はメンズ・ミッドサイズ・レディースの3種類で価格も異なっていた
- 自動巻きモデルは当時20万円超の高級仕様で現在も人気が高い
- クロノグラフモデルは複雑機構により最高価格帯に位置づけられていた
- メンテナンス費用は比較的手頃でクォーツなら電池交換は3000円程度
- 製造年はシリアル番号とリファレンス番号で特定可能である
- 現在のリンクシリーズの原型でタグホイヤーデザイン史の重要な位置を占める
- 買取価格は状態と希少性で大きく変動し専門業者での査定が重要である
- 新品は現在入手不可でデッドストック品には高いプレミアが付く
- 1999年に後継のリンクシリーズに引き継がれ現在も進化を続けている
- S字ブレスレットの独特なデザインが最大の特徴で唯一無二の存在である
- 投資価値も期待できるが時計として楽しむことが本来の目的である
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://sapi-info.com/archives/98
- https://www.udedokeitoushi.com/categories/230/
- https://www.tagheuer.com/jp/ja/%E3%82%BF%E3%82%B0%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%BC%E3%81%AE%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B8-%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3/vintage-tag-heuer-sel.html
- https://komehyo.jp/tokei-tsushin/article/16777
- https://auctions.yahoo.co.jp/closedsearch/closedsearch/%E3%82%BF%E3%82%B0%E3%83%9B%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%BC%20%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA/0/
- https://threec.jp/magazine/1617
- https://jp.mercari.com/search?keyword=%E3%82%BF%E3%82%B0%E3%83%9B%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%BC%20%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA
- https://www.studio-takumi.com/case/tag-heuer-03-repair-html
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10293165855
- https://antiwatchman.com/wp/s-0443/