アップルウォッチとガーミンのスマートウォッチ。それぞれに優れた特徴を持つこの2つのデバイスを両方使いたい、あるいはデータを連携させたいと考えている人は多いのではないでしょうか。Apple WatchはiPhoneとの連携や日常使いの便利さが魅力である一方、GarminはGPSの精度やバッテリー持ちに定評があり、ランニングやトライアスロンなどのスポーツシーンで人気を集めています。
しかし、この2つのデバイス間でデータを連携させる方法については意外と知られていない部分もあります。本記事では、アップルウォッチとガーミンの連携方法や、できること・できないことの境界線、そして両方を上手に活用するための使い分けのコツまで、徹底的に解説します。直接連携の難しさから、サードパーティアプリを使った連携テクニック、ヘルスケアデータの同期方法まで、幅広くカバーしていきます。
記事のポイント!
- アップルウォッチとガーミンの直接連携は基本的に難しいが、サードパーティアプリを使えば可能
- Garmin ConnectからApple ヘルスケアへの連携設定方法とその限界
- 2台持ちする場合の最適な使い分け方と各デバイスの強みの活かし方
- 連携でよくあるトラブルとその解決法
アップルウォッチとガーミンの連携方法とデータ共有のコツ
- Apple WatchとGarminの連携は直接的には難しい現実
- Garmin ConnectとApple ヘルスケアの連携設定方法は意外と簡単
- iSmoothRunを使えばApple WatchのデータをGarmin Connectに転送可能
- STRAVAを経由してデータを相互に共有する具体的な方法
- Garmin ConnectからApple ヘルスケアに同期できるデータ項目は限定的
- 連携がうまくいかない時のトラブルシューティング方法はリセットが基本
Apple WatchとGarminの連携は直接的には難しい現実

Apple WatchとGarminデバイスは、それぞれが独自のエコシステムを持っているため、直接的な連携は難しいというのが現実です。両社は競合関係にあり、相互運用性よりも自社製品内での完結したユーザー体験を重視しています。
まず基本的な点として、Apple WatchはAppleのヘルスケアアプリ(Health App)にデータを保存し、GarminはGarmin Connectアプリにデータを集約します。これらは別々のプラットフォームであり、標準では完全な相互連携はできません。
しかし、部分的にはデータの連携が可能です。Garmin Connectアプリは一部のデータをAppleヘルスケアに書き込む機能を持っています。逆に、Apple WatchからGarminへのデータ転送は直接的な方法はなく、後述するサードパーティアプリを使う必要があります。
独自調査の結果、これはハードウェアの問題ではなく、ソフトウェアレベルでの制限であることがわかりました。つまり、技術的には連携が可能でも、ビジネス上の理由から完全な相互運用性は提供されていないということです。
特に注意すべきは、両方のデバイスを使っている場合、データの重複や矛盾が発生する可能性があるという点です。例えば、歩数や消費カロリーなどの基本的なデータが両方のデバイスで別々に計測され、それらが同じアプリ内で重複してカウントされることがあります。
Garmin ConnectとApple ヘルスケアの連携設定方法は意外と簡単
GarminデバイスからAppleのヘルスケアアプリにデータを連携させる設定は、意外にも簡単に行うことができます。以下に、その手順を詳しく説明します。
まず、iPhoneにGarmin Connectアプリがインストールされていることを確認します。アプリを開き、左上のメニューアイコン(三本線)をタップして、「設定」を選択します。設定メニュー内にある「サードパーティとの連携」または「接続」という項目を探し、タップします。
表示されるリストの中から「Apple ヘルスケア」を選択します。ここで「有効にする」または「連携する」というオプションが表示されるので、これをオンにします。すると、Appleヘルスケアアプリへのアクセス許可を求めるポップアップが表示されるので、連携したいデータ項目にチェックを入れて「許可」をタップします。
この設定を行うことで、Garminデバイスで記録したアクティビティデータがAppleヘルスケアアプリに自動的に転送されるようになります。ただし、すべてのデータが転送されるわけではなく、アクティビティの種類や時間、消費カロリー、心拍数などの基本的なデータが主な転送対象となります。
独自調査によると、この連携を行った後に、Garmin Connectアプリで新しくアクティビティを記録するか、以前のアクティビティを同期すると、そのデータがAppleヘルスケアにも反映されるようになります。特に新規ユーザーにとっては、この基本的な連携だけでも十分役立つことが多いようです。
注意点としては、この連携はリアルタイムではなく、数分程度のタイムラグが生じることがあります。また、デバイスやアプリのアップデートによって設定方法が変わる可能性もあるため、最新の情報を確認することをお勧めします。
iSmoothRunを使えばApple WatchのデータをGarmin Connectに転送可能
Apple WatchのワークアウトデータをGarmin Connectに連携したい場合、iSmoothRunというサードパーティアプリが非常に役立ちます。このアプリはApple Watchで計測したランニングなどのアクティビティデータをGarmin Connectに転送する橋渡し役となってくれます。
iSmoothRunは有料アプリ(610円程度)ですが、その機能性を考えれば投資する価値のあるツールです。まず最初に、iPhoneにアプリをダウンロードしてインストールします。次に、アプリを起動して「設定」をタップし、「ソーシャル&書き出し」を選択します。その中から「Garmin Connect」をタップして、「認証する」を選びます。Garminアカウントの認証情報を入力することで、Garmin Connectとの連携が完了します。
Apple Watchでのランニング計測時には、Watchにインストールされたiスムーズランのアプリを使用します。「Start a Session」をタップし、ランニングを選択して「Start」を押すだけです。ランニング中はApple Watchの画面で距離、ペース、心拍数などをリアルタイムでモニタリングできます。
ランニングが終わったら、Apple Watchの画面を左にスワイプして「Stop&Save」をタップして記録を保存します。その後、iPhoneのiSmoothRunアプリを開くと、エクスポートするかどうかの確認があるので「Auto Export」をタップすると、データがGarmin Connectに転送されます。このエクスポート作業を忘れずに行うことが重要です。
ただし、2023年現在、一部ユーザーからはガーミンのサーバー仕様変更により同期できない状況が報告されていることにも注意が必要です。アプリ開発者側が対応中とのことなので、最新情報をチェックすることをお勧めします。
iSmoothRunの素晴らしい点は、単にデータを転送するだけでなく、ランニングコースのマップ、ラップデータ、ペースや心拍数のトレンドグラフなど、詳細なデータまでしっかりとGarmin Connectに反映される点です。これにより、Apple Watchで計測したデータもGarminユーザーとして一元管理できるようになります。
STRAVAを経由してデータを相互に共有する具体的な方法

STRAVAはランナーやサイクリストの間で人気の高いフィットネスアプリで、Apple WatchとGarmin間のデータ共有を実現する強力な橋渡し役となります。双方のデバイスがSTRAVAと連携できるため、このアプリを介してデータを相互に共有する方法は非常に効果的です。
まず、STRAVAアカウントを作成し、iPhoneにSTRAVAアプリをインストールします。次に、AppleのフィットネスアプリとSTRAVAを連携させるために、STRAVAアプリの設定から「アプリと連携」を選択し、「ヘルスケア」を有効にします。これにより、Apple Watchで記録したワークアウトがSTRAVAに自動的にインポートされるようになります。
一方、GarminデバイスのデータをSTRAVAに連携するには、Garmin Connectアプリの設定から「サードパーティとの連携」を選び、STRAVAを有効にします。これにより、Garminで記録したアクティビティが自動的にSTRAVAにアップロードされます。
ここで重要なのが、Apple WatchのデータをGarmin Connectに転送する方法です。STRAVAに記録されたApple Watchのアクティビティデータは、PCからSTRAVAにログインして該当のアクティビティを開き、「…」メニューから「オリジナルをエクスポート」を選ぶことでFITファイルとしてダウンロードできます。
次に、PCでGarmin Connectにログインし、右上のメニューから「データのインポート」を選択します。先ほどSTRAVAからダウンロードしたFITファイルを選択してアップロードすれば、Apple Watchで記録したデータがGarmin Connectに取り込まれます。
この方法のメリットは、STRAVAが両方のエコシステムと相性が良く、データの変換や互換性の問題が少ないことです。また、STRAVAは無料版でも基本的な機能は使えるため、コスト面でも魅力的です。
ただし、デメリットとしては手動でのエクスポート・インポート作業が必要なこと、STRAVAというもう一つのプラットフォームの管理が加わることが挙げられます。また、データの完全性や細部の情報が変換過程で失われる可能性もあることを考慮しておく必要があります。
Garmin ConnectからApple ヘルスケアに同期できるデータ項目は限定的
Garmin ConnectからApple ヘルスケアに連携できるデータ項目については、すべてのデータが共有されるわけではなく、特定の項目に限定されています。これを理解しておくことで、連携に対する期待値を適切に設定できます。
Garmin ConnectからApple ヘルスケアに同期できる主なデータ項目は以下の通りです:
- アクティビティデータ(運動時間、種類)
- 消費カロリー
- 心拍数
- 歩数
- 睡眠データ
- 体重(手動入力または互換性のある体重計からのデータ)
- 血中酸素レベル(対応デバイスの場合)
一方で、以下のようなデータは同期されない、または一部のみが同期される傾向があります:
- 詳細なGPSトラックデータ
- VO2Maxなどの高度なフィットネス指標
- ワークアウトの詳細なラップデータ
- ストレスレベルのデータ
- 水分摂取量
- 女性の健康トラッキングデータ
これらの制限は、Apple ヘルスケアとGarmin Connectのデータ構造やフォーマットの違い、そして両社のビジネス戦略に起因しています。例えば、Garminは独自の高度な分析機能を差別化要因として重視しているため、すべてのデータをApple ヘルスケアに提供することは避けている可能性があります。
実際の使用場面では、基本的な健康とフィットネスデータの大部分は連携できるものの、詳細な分析やトレーニング効果の評価などについては、それぞれのプラットフォームで別々に確認する必要があります。
また、同期の頻度も注意点です。データの更新は即時ではなく、バックグラウンドで定期的に行われるため、最新のデータが反映されるまでに時間差が生じることがあります。重要なデータをリアルタイムで両方のプラットフォームで確認したい場合は、この点を考慮に入れる必要があります。
連携がうまくいかない時のトラブルシューティング方法はリセットが基本
アップルウォッチとガーミンデバイスの連携でトラブルが発生した場合、いくつかの基本的なトラブルシューティング方法があります。多くの場合、これらの手順で問題が解決することが多いので、順番に試してみましょう。
まず最初に試すべきなのは、両方のアプリの再起動です。Garmin ConnectアプリとAppleのヘルスケアアプリを完全に閉じて、再度開いてみましょう。これだけで同期の問題が解決することもあります。
それでも解決しない場合は、Bluetooth接続の確認と再接続を試みてください。iPhoneの設定アプリからBluetoothをいったんオフにし、数秒待ってから再度オンにします。これにより、デバイス間の接続が新たに確立されることがあります。
次のステップとしては、連携設定の確認と再設定があります。Garmin Connectアプリの設定から「Apple ヘルスケア」の連携をいったん無効にし、再度有効にしてみましょう。この際、どのデータを共有するかの設定も確認できるので、必要なデータ項目にチェックが入っているか確認してください。
それでも問題が解決しない場合は、アプリのキャッシュクリアやデータのリセットが効果的です。Garmin Connectアプリの設定から「アプリのデータをリセット」などの選択肢を探してみてください。ただし、この操作を行うと一部のデータや設定が失われる可能性があるので、重要なデータはバックアップしておくことをお勧めします。
最後の手段としては、アプリの再インストールがあります。Garmin ConnectアプリをiPhoneからアンインストールし、App Storeから再度インストールします。その後、アカウントにログインし、連携設定を再度行います。
こういったトラブルシューティングを行う際の注意点として、デバイスやアプリのバージョンが最新であることを確認してください。また、iPhoneのiOSバージョンもアップデートしておくことで、互換性の問題が解消されることがあります。
また、一部のユーザーからの報告によると、異なる言語設定(英語と日本語など)を使用している場合に同期の問題が発生することもあるようです。可能であれば、両方のアプリで同じ言語設定を使用することも検討してみてください。
アップルウォッチとガーミンの使い分けと併用するメリット
- Apple WatchとGarminそれぞれの強みはデザインと機能性の違い
- ランニングに特化するならGarminが優れている理由はバッテリー持続性
- 日常使いとスマート機能ではApple Watchが圧倒的に便利な点
- 2台持ちの活用法は目的別の使い分けが鍵
- バッテリー駆動時間の差は長時間アクティビティでは重要なポイント
- Suica利用ではApple Watchの方が圧倒的に使いやすい特徴
- まとめ:アップルウォッチとガーミンの連携と使い分けで最高の体験を実現
Apple WatchとGarminそれぞれの強みはデザインと機能性の違い
Apple WatchとGarminのスマートウォッチはそれぞれ特徴的な強みを持っており、ユーザーの目的によって選ぶべきデバイスが変わってきます。まずデザイン面での違いを見てみましょう。
Apple Watchは洗練されたミニマルデザインを採用しており、ビジネスシーンからカジュアルな場面まで幅広く馴染みます。四角い形状のディスプレイとサイドのデジタルクラウンが特徴的で、様々なバンドを交換することでファッション性も高められます。一方のGarminは、一般的に丸形のデザインが多く、よりスポーティーな印象を与えます。ただし最近のモデルではビジネスシーンにも合うスマートな外観のものも増えています。
画面表示についても大きな違いがあります。Apple Watchは高解像度のRetinaディスプレイを採用しており、鮮明で美しい表示が可能です。対してGarminは、多くのモデルで常時表示が可能な省電力ディスプレイを採用しています。最新の有機ELディスプレイを搭載したモデルではApple Watchに近い表示品質も実現していますが、基本的には屋外での視認性を重視した設計となっています。
機能性の観点では、Apple Watchはスマートウォッチとしての総合力が高く、通知機能、アプリの多様性、Siriによる音声操作などが充実しています。特にiPhoneとの連携は抜群で、iPhoneユーザーにとっては非常に使いやすいエコシステムを提供します。
対するGarminは、スポーツ・アウトドア活動に特化した機能が充実しています。GPSの精度が高く、より詳細なアクティビティデータの計測と分析が可能です。また、多くのモデルでは気圧高度計や方位計など、アウトドア活動に役立つセンサーも搭載されています。
耐久性の面では、Garminはアウトドア活動に適した頑丈な作りが多いのに対し、Apple Watchは日常使いを想定したエレガントなデザインが中心です。ただし、Apple Watch Ultraなど、アウトドア向けに強化されたモデルも登場しています。
価格帯については、Apple Watchは高価格帯に位置することが多いですが、Garminはエントリーモデルからハイエンドモデルまで幅広いラインナップを持っています。このため、予算や用途に応じた選択肢が多いのはGarminの強みと言えるでしょう。
ランニングに特化するならGarminが優れている理由はバッテリー持続性

ランニングやマラソンなどの長時間スポーツに特化する場合、Garminウォッチが優位に立つ最大の理由はバッテリー持続性です。この点は多くのランナーやトライアスリートがGarminを選ぶ決定的な要因となっています。
Garminのランニング向けモデル(ForeAthlete/Forerunnerシリーズなど)は、GPSを使用した状態でも約20時間前後のバッテリー駆動が可能です。これはフルマラソンはもちろん、ウルトラマラソンやトライアスロンなど、長時間に及ぶイベントでも途中で電池切れになる心配がほとんどありません。対照的に、Apple Watchはバッテリー性能が弱点とされており、GPSを使用した屋外ワークアウト時の駆動時間は約6時間程度とされています。
具体的な比較例として、ランニング向けの代表的なモデルを見てみましょう:
モデル | GPS使用時のバッテリー駆動時間 |
---|---|
Garmin ForeAthlete 55 | 約20時間 |
Garmin Forerunner 265 | 約18時間 |
Apple Watch SE (第2世代) | 約6時間 |
Apple Watch Ultra | 約12時間 |
バッテリー持続性以外にも、Garminがランナーに支持される理由はいくつかあります。GPS精度の高さは特筆すべき点で、Garminは長年GPSデバイスを専門としてきた企業だけあり、複数の衛星システム(GPS、GLONASS、Galileoなど)を組み合わせた高精度な位置情報取得が可能です。また、日本の準天頂衛星「みちびき」にも対応している機種もあり、山間部や都市部のビル街でも安定した測位性能を発揮します。
さらに、ランニングに特化した分析機能も充実しています。例えば、VO2Max(最大酸素摂取量)の推定、ランニングダイナミクス(接地時間、ストライド長、垂直振動など)の分析、回復時間の推定など、トレーニングの質を高めるための指標が豊富に用意されています。Garmin Connectアプリでは、これらのデータを長期的に蓄積して傾向を確認できるため、自分のパフォーマンスの変化を詳細にトラッキングできます。
トレーニング機能の面でも、Garminはランナー向けの便利な機能を多数搭載しています。インターバルトレーニングの設定、レースペーサー機能、自動ラップ機能など、ランニングトレーニングをサポートする機能が標準で備わっています。また、一部のモデルでは、過去のトレーニングデータに基づいたトレーニングプランの提案や、目標達成に向けたガイダンスも提供しています。
ただし、Apple Watchも2022年のWatchOS 9からランニング機能が大幅に強化され、ランニングフォームの分析や心拍ゾーン表示などが追加されました。しかし、バッテリー持続性や専門的なトレーニング機能においては、依然としてGarminに一日の長があると言えるでしょう。
日常使いとスマート機能ではApple Watchが圧倒的に便利な点
日常生活でのスマートウォッチ活用という観点では、Apple Watchの優位性は明らかです。iPhoneとのシームレスな連携を基盤に、幅広いスマート機能を提供しており、単なるフィットネストラッカーを超えた存在となっています。
まず、通知機能の完成度が非常に高いことが挙げられます。メール、メッセージ、SNS、アプリの通知などをすぐに確認でき、多くの場合はその場で返信も可能です。特にiPhoneユーザーにとっては、携帯電話を取り出すことなく重要な連絡を処理できる点が大きなメリットです。Apple Watchでは通知への応答も充実しており、プリセットの返信だけでなく、音声入力や手書き入力、絵文字での返信なども可能です。
またApple Watchは、App Storeからさまざまなアプリをインストールできます。カレンダー、天気、株価、ニュースなど基本的なものから、音楽ストリーミング、交通案内、ショッピングリスト管理など、日常生活で役立つ多彩なアプリが利用できます。これに対し、Garminもアプリストアは持っていますが、選択肢はApple Watchと比較すると限定的です。
決済機能もApple Watchの強みの一つです。Apple Payを使った非接触決済が可能で、コンビニやスーパー、飲食店など多くの場所で利用できます。また、Suicaなどの交通系ICカードも登録可能で、改札を通過する際もスムーズです。Garminも一部モデルでGarmin Payによる決済機能を提供していますが、対応カードの範囲や使い勝手の面ではApple Watchに及びません。
音声アシスタント機能も見逃せません。Siriを呼び出して、天気の確認、アラームのセット、メッセージの送信など、様々な操作を声だけで行えます。この音声操作の利便性は、特に手が塞がっている時や移動中に役立ちます。Garminには同等の音声アシスタント機能はありません。
通話機能も大きな違いです。Apple Watchはマイクとスピーカーを内蔵しており、腕時計だけで電話の発信・受信が可能です。セルラーモデルならiPhoneがなくても単独で通話できますし、Wi-FiモデルでもiPhoneと接続していれば通話可能です。これに対し、ほとんどのGarminモデルでは通話機能はサポートされていません。
健康モニタリング機能については両者に大きな差はありませんが、Apple Watchは不整脈検出や転倒検出などの健康安全機能が充実しています。また、最新モデルでは体温測定や血中酸素濃度の測定も可能になっており、総合的な健康管理ツールとしての性能も向上しています。
このように、日常生活での利便性を重視するなら、特にiPhoneユーザーにとってはApple Watchが明らかに優れた選択肢となります。一方で、スマート機能よりもスポーツ機能を重視する場合はGarminの方が適しているでしょう。
2台持ちの活用法は目的別の使い分けが鍵
Apple WatchとGarminの両方を所有している、あるいは購入を検討しているユーザーにとって、2台のスマートウォッチを効果的に使い分ける方法を知ることは重要です。目的に応じた使い分けを行うことで、それぞれのデバイスの強みを最大限に活かすことができます。
まず基本的な使い分けとして、日常生活ではApple Watch、スポーツやアウトドア活動ではGarminを使うという方法が考えられます。出勤時や仕事中、買い物などの日常シーンではApple Watchを装着し、通知確認や決済機能、音声アシスタントなどのスマート機能を活用します。一方、ランニングやサイクリング、トレイルランニング、登山などのアクティビティではGarminに切り替え、高精度なGPSトラッキングと長時間バッテリーを活用します。
週単位での使い分けも有効な方法です。平日はビジネスシーンに馴染むApple Watchを使用し、週末のアウトドア活動ではGarminを活用するというスタイルです。この方法なら、デバイスの切り替え頻度を減らせるというメリットがあります。
アクティビティの種類による使い分けも考えられます。短時間のカジュアルなワークアウト(ウォーキングや30分程度のジョギングなど)はApple Watchで、マラソン練習や長距離サイクリングなどの本格的なトレーニングはGarminで行うといった具合です。
2台持ちの実践例として、ある調査では次のような使い方が報告されています:
- 平日の日常生活とカジュアルなトレーニングはApple Watch
- 週末のロングランや競技大会はGarmin
- 旅行や長期出張ではバッテリー持ちの良いGarmin
- ビジネスミーティングやフォーマルな場ではApple Watch
2台持ちの大きな課題となるのがデータの管理です。前述したように、直接的な完全連携は難しいため、データの一元管理には工夫が必要になります。解決策としては、両方のデータをSTRAVAなどの第三者プラットフォームに集約する方法があります。これにより、どちらのデバイスで記録したアクティビティも一箇所で確認できるようになります。
バッテリー管理も2台持ちの課題です。両方のデバイスを定期的に充電する必要があるため、充電スケジュールを工夫することが大切です。例えば、Apple Watchは毎晩充電し、Garminは週に1〜2回充電するといったリズムを作ると良いでしょう。
ただし、2台持ちにはコストや管理の手間というデメリットもあります。2台分の購入費用はもちろん、アクセサリーや充電器などの追加費用も考慮する必要があります。また、2つのアプリを管理し、場面に応じてデバイスを切り替える手間も発生します。
それでも、目的に応じて最適なデバイスを使い分けられるというメリットは大きく、特に両方の世界のメリットを享受したいユーザーにとっては、2台持ちという選択肢は十分に検討の価値があります。
バッテリー駆動時間の差は長時間アクティビティでは重要なポイント

スマートウォッチを選ぶ際、特に長時間のスポーツやアウトドア活動を行うユーザーにとって、バッテリー駆動時間は非常に重要な判断材料となります。Apple WatchとGarminのスマートウォッチには、この点で大きな差があります。
まず、通常使用時のバッテリー持続時間を比較してみましょう。Apple Watch SE(第2世代)の場合、標準的な使用で約18時間とされています。これに対し、Garmin ForeAthlete 55は、スマートウォッチモードで約2週間(約336時間)の使用が可能です。この差は日常使いにおいても顕著で、Apple Watchは基本的に毎日充電が必要なのに対し、Garminは1〜2週間に一度の充電で済みます。
しかし、より重要なのはGPS使用時のバッテリー持続時間です。以下に主要モデルの比較表を示します:
モデル | GPS使用時のバッテリー持続時間 | GPS+音楽再生時 |
---|---|---|
Apple Watch SE(第2世代) | 約6時間 | 約5時間 |
Apple Watch Series 8 | 約7時間 | 約6時間 |
Apple Watch Ultra | 約12時間 | 約10時間 |
Garmin ForeAthlete 55 | 約20時間 | 非対応 |
Garmin Forerunner 265 | 約18時間 | 約7.5時間 |
Garmin Fenix 7 | 約40時間(最大57時間) | 約10時間 |
この差は実際のユースケースで考えるとより明確になります。例えば、フルマラソンの場合、サブ3(3時間切り)ランナーであればどちらのデバイスでも問題なく記録できますが、5〜6時間かかるランナーの場合、Apple Watchではバッテリー切れのリスクが高まります。ウルトラマラソンや長時間のトレイルランなどでは、Garminの圧倒的なバッテリー持続力が大きな強みとなります。
また、複数日にわたるアウトドア活動(登山、バックパッキングなど)では、充電の機会が限られるため、バッテリー持続時間の差はさらに重要になります。Garminの上位モデル(Fenixシリーズなど)には省電力モードもあり、GPS精度を若干落とす代わりにバッテリー持続時間をさらに延ばすことも可能です。
バッテリー持続時間の差が生じる理由としては、ディスプレイの種類や消費電力、そしてデバイスの設計思想の違いが挙げられます。Apple Watchは高解像度の鮮明なディスプレイや多機能性を重視した設計のため、どうしても消費電力が大きくなります。一方、Garminは多くのモデルで反射型の液晶ディスプレイを採用し、バッテリー効率を重視した設計になっています。
日常的な使用パターンとしては、Apple Watchユーザーは「使用後に毎日充電する」という習慣が必要になりますが、Garminユーザーは「週に1回程度の充電」で済むケースが多いです。この違いは、充電環境が限られる旅行中などでも影響します。
ただし、近年のApple Watchの上位モデル(特にUltra)ではバッテリー持続時間が改善されつつあり、ギャップは徐々に縮まりつつあります。それでも現時点では、長時間のアクティビティを頻繁に行うユーザーにとっては、Garminのバッテリー持続性能は大きなアドバンテージであることは間違いありません。
Suica利用ではApple Watchの方が圧倒的に使いやすい特徴
電子マネーや交通系ICカード、特にSuica(スイカ)の利用においては、Apple WatchはGarminに対して明らかな優位性を持っています。この機能は日本のユーザーにとって特に重要な判断材料となる可能性があります。
Apple WatchでのSuica利用は非常にシンプルで便利です。iPhoneですでに使用しているSuicaをApple Watchに追加することができ、新規発行も簡単に行えます。また、定期券の登録にも対応しており、通勤・通学で定期券を使うユーザーにとっては大きなメリットです。実際の使用時は、改札にApple Watchをかざすだけでスムーズに通過できます。
さらに、Apple WatchのSuicaはiPhoneのWalletアプリと完全に連携しているため、残高確認やチャージも非常に簡単です。オートチャージ機能も利用可能で、残高が一定金額を下回ると自動的にチャージされる設定も可能です。またSuicaを使用した支払いでは、JREポイントも通常通り貯まります。特にView Plus会員の場合、オートチャージを利用すると1.5%のポイント還元率となり、非常にお得です。
一方、GarminでもSuicaは利用できますが、いくつかの制限があります。まず、Garminでは新規にモバイルSuicaを発行する必要があり、すでにiPhoneなどで使用しているSuicaをそのまま移行することはできません。つまり、2枚目のSuicaを発行することになります。
また、GarminのSuicaはGoogle Payを経由して管理するため、別途Google Payのアカウント登録が必要です。チャージもGoogle Payからのみ可能で、Apple Watchのように直感的な操作とはいえません。JREポイントに関しても、Garmin経由のチャージでは付与率が0.5%と低くなるケースがあります。
さらに、Garminでは以下のような機能制限があります:
- オートチャージ機能が利用できない
- JREポイントからのチャージができない
- 新幹線や特急券のチケットレス発券は可能だが、グリーン券の購入・チケットレス発券はできない
- 機種変更時の引き継ぎができない
日常的にSuicaを使用する頻度が高いユーザーにとって、これらの制限は大きなデメリットになり得ます。特に通勤・通学で定期券を利用する場合や、JR東日本のサービスを多用する場合は、Apple Watchの方が圧倒的に便利です。
ただし、決済機能そのものの使い勝手については、両デバイスとも大きな差はありません。どちらもリーダーにかざすだけでスムーズに支払いができます。また、残高確認もどちらのデバイスでも可能です。
電子マネーや交通系ICカードの利用が生活の一部となっている日本のユーザーにとって、この機能の差は思った以上に日常生活の利便性に影響します。特に都市部で公共交通機関を頻繁に利用するユーザーは、Apple Watchの優位性を強く感じるでしょう。一方、Suicaの利用頻度が低いユーザーや、主にスポーツトラッキングのためにスマートウォッチを使用するユーザーにとっては、この機能差は重要度が下がるかもしれません。
まとめ:アップルウォッチとガーミンの連携と使い分けで最高の体験を実現
最後に記事のポイントをまとめます。
- Apple WatchとGarminの直接的な連携は技術的に制限があり、完全なデータ共有は難しい
- Garmin ConnectからApple ヘルスケアへのデータ連携は比較的簡単に設定可能
- iSmoothRunやSTRAVAなどのサードパーティアプリを使えば、Apple WatchのデータをGarmin Connectに転送できる
- Garmin ConnectからApple ヘルスケアに同期できるデータは主にアクティビティ、心拍数、歩数などの基本データに限定される
- 連携でトラブルが発生した場合は、アプリの再起動やBluetooth再接続、設定の再確認などの基本的なトラブルシューティングが有効
- Apple Watchはデザイン性とスマート機能に優れ、iPhoneとの連携が抜群に良い
- Garminはバッテリー持続性、GPS精度、スポーツ特化機能に優れている
- ランニングやトライアスロンなどの長時間アクティビティではGarminが圧倒的に優位
- 日常使いでの通知機能、アプリ、決済、音声アシスタントではApple Watchが便利
- 2台持ちする場合は、日常生活ではApple Watch、スポーツ活動ではGarminという使い分けが効果的
- バッテリー駆動時間の差は長時間アクティビティでは非常に重要で、Garminは数十時間、Apple Watchは数時間程度
- Suica利用ではApple Watchが圧倒的に使いやすく、機能制限が少ない
- デバイスを選ぶ際は、自分の使用目的や優先する機能を明確にすることが重要
- データの一元管理には第三者プラットフォーム(STRAVAなど)の活用が効果的
- 両デバイスの強みを理解し、目的に応じて適切に使い分けることで、最高のユーザー体験を実現できる
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://note.com/dhjnk/n/n158fa0e522f8
- https://tomo.run/garmin-applewatch-discovery
- https://support.garmin.com/ja-JP/?faq=lK5FPB9iPF5PXFkIpFlFPA
- https://note.com/brian0724/n/n2115c983c22e
- https://triathlogue.jp/entry/2021/04/24/Apple_Watch_%E3%82%92%E6%89%8B%E6%94%BE%E3%81%97%E3%81%A6%E3%80%81%E6%9C%80%E7%B5%82%E7%9A%84%E3%81%AB%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%83%E3%83%81%E3%81%AF_Garmin_Foreathlete_945_
- https://lulublo.com/2021/10/24/sync-applewatch-to-garminconnect/
- https://ohana.honolulumarathon.jp/chats/m76ctikztnsgxrxm
- https://ameblo.jp/tukiyonokairou/entry-12812073441.html
- https://norunnolife.blog.jp/archives/21123127.html
- https://runstagramer.com/2023/10/25/garmin_apple/