ランニングやトレイルラン、登山など、様々なアウトドアアクティビティで活躍するGPSウォッチ。その中でも多くのアスリートに愛用されているのが「ガーミン(GARMIN)」と「カロス(COROS)」です。ガーミンは1989年設立の米国老舗GPS機器メーカーとして知られ、カロスは2014年設立の新興ブランドとして急速に人気を集めています。

両社のGPSウォッチはどちらも高性能ですが、価格帯や特徴、機能性には明確な違いがあります。例えば、カロスPACE 3は33,000円で2周波GPSを搭載し最大38時間のGPS稼働が可能なのに対し、ガーミンForerunner165は39,800円でAMOLEDディスプレイやSuica機能を搭載しています。この記事では、両ブランドの主要モデルを徹底比較し、あなたのニーズに合った一台を見つけるためのポイントを解説します。
記事のポイント!
- ガーミンとカロスの基本性能と価格差を詳しく比較
- 各社の人気モデル(PACE 3、Forerunner165/265など)の違いを具体的に解説
- バッテリー持続時間、GPS精度、ディスプレイなど重要な機能の比較
- 用途別(ランニング、トレイルラン、登山など)におすすめのモデル選び方
ガーミンとカロスを徹底比較!基本性能と主要な違い
- ガーミンは老舗GPS企業、カロスは新興メーカーという違い
- 価格は全体的にカロスが安く設定されている
- バッテリー持続時間はカロスが圧倒的に優位
- GPS精度はカロスのデュアルバンド採用が強み
- ディスプレイはガーミンのAMOLEDが見やすい
- 操作性は好みが分かれる両社の違い
ガーミンは老舗GPS企業、カロスは新興メーカーという違い

ガーミン(GARMIN)は1989年に設立された米国の老舗GPS機器メーカーです。長年にわたりGPS技術を牽引してきた企業であり、カーナビゲーションやマリン機器、航空機器など幅広い分野でGPS製品を展開しています。スポーツウォッチ市場でもトップシェアを誇り、特にランニングやトライアスロン、アウトドア愛好家から絶大な支持を受けています。
一方、カロス(COROS)は2014年に米国で設立された比較的新しいGPSウォッチブランドです。短期間で急速に市場シェアを拡大し、特にトレイルランナーやトライアスリートからの支持を集めています。注目すべき点として、マラソン元世界記録保持者のエリウド・キプチョゲ選手が愛用していることで知られ、2024年には日本のトップランナーである大迫傑選手とのパートナーシップ契約も結んでいます。
ガーミンの強みは、長年の歴史に裏打ちされた確かな技術力と幅広い製品ラインナップ、そして豊富なユーザーコミュニティにあります。日本でもサポート体制が整っており、初心者でも安心して使える点が魅力です。
カロスは後発メーカーながら、軽量設計や長時間バッテリー、コストパフォーマンスの高さで急速にシェアを伸ばしています。また、トップアスリートとの共同開発に力を入れ、本格的なトレーニングを支援する機能の充実も特徴です。一部の情報によると、カロスは中国・深圳で設立された企業で、開発・製造・販売まで一貫して中国で行うことでコスト削減を実現しているようです。
両社の違いを理解することで、それぞれのブランドの強みを活かした選択が可能になります。長い歴史と豊富な機能を重視するならガーミン、最新技術と高コスパを重視するならカロスという選択肢が考えられるでしょう。
価格は全体的にカロスが安く設定されている
価格面で比較すると、全体的にカロスの方が同等機能のガーミン製品より安価に設定されています。これはカロスが開発・製造・販売を一貫して行い、中間マージンを削減していること、また製品ラインナップをシンプルに保つことでコストを抑えている結果と考えられます。
両社の主要モデルの価格を比較すると以下のようになります:
モデル | 価格(2025年5月時点) |
---|---|
カロス PACE 3 | 約33,000円 |
ガーミン Forerunner 165 | 約39,800円 |
カロス APEX 2 | 約55,000円 |
ガーミン Forerunner 265 | 約60,800円 |
カロス VERTIX 2S | 約93,500円 |
ガーミン Forerunner 965 | 約84,800円 |
特にエントリーモデルからミドルレンジにかけて、カロスの方が価格的に優位性があることがわかります。例えば、カロスのPACE 3は33,000円でデュアルバンドGNSS(二周波GPS)に対応していますが、ガーミンの同クラス機種Forerunner 165は39,800円と約20%高く設定されています。
ただし、最上位モデルになると価格差は逆転する傾向があります。カロスのVERTIX 2Sは93,500円と高価ですが、これは極限環境でも使用できる堅牢性や超長時間バッテリーなど、特殊な機能を重視した結果と言えるでしょう。
注目すべき点として、2024年4月現在の情報によると、ガーミンのエントリーモデルであるForeAthlete 55(約32,000円)が廃盤になる予定とのことです。これにより、ガーミンの最も安価なランニングウォッチはForerunner 165(39,800円)となり、エントリー価格帯ではカロスの優位性がさらに高まる可能性があります。
価格だけで判断すべきではありませんが、予算に限りがある場合や、コストパフォーマンスを重視する場合は、カロスの方が魅力的な選択肢となるかもしれません。
バッテリー持続時間はカロスが圧倒的に優位
バッテリー持続時間は、GPSウォッチを選ぶ上で非常に重要なポイントです。特に長時間のトレイルランニングやウルトラマラソン、複数日に渡る登山などでは、充電なしでどれだけ使用できるかが大きな差となります。この点において、カロスは明らかな優位性を持っています。
両社の主要モデルのバッテリー持続時間を比較してみましょう:
モデル | GPS使用時のバッテリー持続時間 | スマートウォッチモード |
---|---|---|
カロス PACE 3 | 約38時間 | 最大17日間 |
ガーミン Forerunner 165 | 約19時間 | 最大11日間 |
カロス APEX 2 | 約45時間 | 最大17日間 |
ガーミン Forerunner 265 | 約20時間 | 最大13日間 |
カロス VERTIX 2S | 約140時間 | 最大60日間 |
ガーミン Forerunner 965 | 約31時間 | 最大23日間 |
この比較から明らかなように、カロスのモデルはガーミンの同クラス製品と比較して、GPS使用時のバッテリー持続時間が約2倍長いという大きな利点があります。特にPACE 3は38時間という驚異的なバッテリー持続時間を誇り、同価格帯のガーミンの2倍以上となっています。
実際のユーザー体験からも、カロスのバッテリー持ちの良さは高く評価されています。例えば、あるユーザーのレビューによると「発売から使い始め1ヶ月ほど使用していますが、この間に充電したのは2回のみです」と報告されています。これはカロスがシンプルなOSと省電力設計を採用していることが要因とされています。
バッテリー持続時間の長さは、充電忘れのリスクを減らし、長時間のアクティビティでも安心して使用できるという大きなメリットをもたらします。特に、フルマラソン(3〜7時間)やウルトラマラソン、山岳レースなど長時間のイベントを控えているランナーや、数日間の登山を計画している方にとっては、カロスの長いバッテリー寿命は大きな魅力となるでしょう。
ただし、日常的な使用や短〜中距離のランニングが主な用途であれば、ガーミンのバッテリー持続時間でも十分対応できる場合が多いことも事実です。自分の活動スタイルに合わせて選択することが重要です。
GPS精度はカロスのデュアルバンド採用が強み
GPS精度は、走行距離やペース、ルートトラッキングの正確性に直結する重要な要素です。近年、両社ともGPS技術は大幅に向上していますが、特にデュアルバンドGNSS(二周波GPS)の採用によって、高層ビル街や山間部などの受信環境が悪い場所でも精度が格段に向上しています。
カロスの強みは、エントリーモデルのPACE 3でもデュアルバンドGNSSに対応している点です。一方、ガーミンでは、Forerunner 165などのエントリー〜ミドルクラスでもデュアルバンドGNSSに対応していますが、モデルによって対応状況が異なります。
独自調査の結果、400mトラック上でのGPS精度テストでは、カロスPACE 3が3回の測定で完璧に400mを記録したという報告があります。同様のテストでガーミンForerunner 265は410mという一貫した数値を示し、誤差はあるものの安定した測定が可能でした。
両社のGPS対応状況と特徴を比較すると:
項目 | カロス | ガーミン |
---|---|---|
対応衛星システム | GPS/GLONASS/Galileo/Beidou/QZSS | GPS/GLONASS/Galileo/みちびき/QZSS |
デュアルバンド対応 | エントリーモデルから対応 | ミドルクラス以上で対応 |
GPS捕捉速度 | やや遅い場合あり(20〜30秒) | 比較的速い |
ルートナビ機能 | 一部モデルに搭載 | 多くのモデルで詳細ナビ対応 |
GPS捕捉速度については、ガーミンの方がわずかに速いという意見が多く見られます。例えば、カロスではたまに20〜30秒かかることもあるのに対し、ガーミンはより早くGPSを補足する傾向があるようです。ただし、一度使用した場所では次回からの測位が早くなるという特性もあります。
また、山間部や都市部の高層ビル街など、GPS受信が困難な環境での精度についても、デュアルバンドGNSS対応機種であれば両社とも高い精度を維持できるとされています。特にトレイルランニングや登山などで複雑なルートを走行する場合に、この機能は大きな恩恵をもたらします。
GPS精度については、最近のモデルであれば両社とも実用上十分な精度を持っていると言えますが、特に都市部や山間部での使用が多い場合は、デュアルバンドGNSS対応モデルを選ぶことをおすすめします。
ディスプレイはガーミンのAMOLEDが見やすい

ディスプレイ性能は、実際の使用感に大きく影響する重要な要素です。最新のガーミンモデルの多くはAMOLED(有機ELディスプレイ)を採用していますが、カロスの多くのモデルは従来のLCD(液晶ディスプレイ)やMIP(Memory In Pixel)ディスプレイを使用しています。これにより、見やすさや電力消費に違いが生じています。
両社の主要モデルのディスプレイ性能を比較すると:
モデル | ディスプレイタイプ | 解像度 | サイズ |
---|---|---|---|
カロス PACE 3 | LCD | 240×240ピクセル | 1.2インチ |
ガーミン Forerunner 165 | AMOLED | 390×390ピクセル | 1.2インチ |
カロス PACE Pro | 有機EL | 不明 | 1.3インチ |
ガーミン Forerunner 265 | AMOLED | 416×416ピクセル | 1.3インチ |
ガーミン Forerunner 965 | AMOLED | 454×454ピクセル | 1.4インチ |
AMOLEDディスプレイの優位点は、色の再現性が高く、画質が鮮やかで美しいことです。ガーミンのAMOLEDモデルは、早朝や夕暮れ時の薄暗い環境でも視認性が高く、斜めから見た場合でも見やすさを保っています。また、解像度も高いため、地図やデータの細かい表示も可能です。
一方、カロスのLCDディスプレイは、強い日差しの下では見やすいという利点があります。また、電力消費が少ないため、前述のバッテリー持続時間の長さに貢献していると考えられます。
最新のカロスPACE Proでは有機ELディスプレイを採用し、見やすさを向上させています。これにより、ガーミンとの差は縮まっている可能性がありますが、解像度などの詳細情報は現時点では限られています。
ディスプレイの好みは個人差がありますが、データの視認性を重視する場合や、暗い環境での使用が多い場合は、ガーミンのAMOLEDモデルが優位かもしれません。一方、バッテリー持続時間や屋外での視認性を重視する場合は、カロスのLCDモデルも検討する価値があるでしょう。
実際のユーザーレビューによると、「ディスプレイはコントラストが高く、視認性がよい」(ガーミンForerunner 265)、「有機ELディスプレイの視認性は良好」(カロスPACE Pro)といった評価があります。
操作性は好みが分かれる両社の違い
操作性については、ガーミンとカロスで異なるアプローチを取っており、これは個人の好みによって評価が分かれるポイントです。両社の操作方法の違いを詳しく見ていきましょう。
カロスの多くのモデルは、物理ボタンとデジタルダイヤル(回転式のリューズ)を組み合わせた操作方式を採用しています。最新のPACE 3やPACE Proではタッチスクリーンも追加されていますが、基本的には物理操作を重視した設計です。デジタルダイヤルを回転させてメニューをスクロールしたり、押し込むことで決定操作を行います。この方式はシンプルで直感的な操作が可能で、特に走行中や手袋をしている時でも操作しやすいという利点があります。
一方、ガーミンの最新モデルは、5つの物理ボタンとタッチスクリーンを併用した操作方式を採用しています。多機能なガーミンのウォッチでは、様々な機能へのアクセスが必要なため、複数のボタンによる操作が可能となっています。Forerunner 165/265/965などの新しいモデルではタッチ操作も可能で、地図のスクロールやメニュー選択が直感的に行えます。
両社の操作方式を比較すると:
メーカー | 物理ボタン数 | タッチスクリーン | 特徴 |
---|---|---|---|
カロス | 2+デジタルダイヤル | 一部モデルで対応 | シンプル、直感的、走行中も操作しやすい |
ガーミン | 通常5ボタン | 多くのモデルで対応 | 多機能、細かい操作も可能、機能へのアクセスが豊富 |
操作性に関するユーザーレビューを見ると、「カロスはUI(ユーザーインターフェース)がシンプルで、直感的に使いやすい」という意見がある一方、「ガーミンは多機能だがやや複雑」という声もあります。
実際の使用感としては、カロスのシンプルな操作性がランニング中に必要最小限の情報にアクセスするのに適している一方、ガーミンの多機能な操作性は様々なデータや機能を使いこなしたいユーザーに向いています。
また、ユーザーインターフェースのデザインも異なり、カロスのUIはミニマリスティックで必要な情報を集約した表示が特徴です。一方、ガーミンはカスタマイズ性が高く、自分好みのデータ表示を設定できる柔軟性があります。
操作性は実際に触れてみないと判断しづらい部分もありますので、可能であれば実機を試してみることをおすすめします。シンプルさを重視するなら「カロス」、多機能性と細かい設定を重視するなら「ガーミン」という選択肢が考えられるでしょう。

ガーミンとカロスの人気モデルを徹底比較
- カロスPace3とガーミンForerunner165は機能と価格のバランスがとれたモデル
- カロスPace3とガーミンForerunner265の違いは機能の豊富さと価格差にある
- カロスPaceProは最新技術を搭載したカロスの注目モデル
- 登山やトレイルランには専用機能が充実したモデルが適している
- スント、ガーミン、カロスの3社比較ではそれぞれに強みがある
- VO2maxやトレーニング効果の測定はガーミンの方が実績あり
- まとめ:ガーミンとカロスの比較で自分に最適なモデルを選ぶポイント
カロスPace3とガーミンForerunner165は機能と価格のバランスがとれたモデル
カロスPace3とガーミンForerunner165は、両社の人気エントリーモデルであり、機能と価格のバランスが良い製品として注目されています。これらのモデルはどちらも初めてのGPSウォッチとして、また日常使いからランニングまで幅広く使えるモデルとして人気があります。
まず、両モデルの基本スペックを比較してみましょう:
項目 | カロス PACE 3 | ガーミン Forerunner 165 |
---|---|---|
価格 | 33,000円 | 39,800円 |
サイズ | 41.9×41.9×11.7mm | 43×43×11.6mm |
重量 | 30g(バンド含め39g) | 39g |
ディスプレイ | 1.2インチLCD(240×240) | 1.2インチAMOLED(390×390) |
バッテリー(GPS) | 38時間 | 19時間 |
バッテリー(通常) | 17日間 | 11日間 |
GPS | デュアルバンドGNSS対応 | GPS/GLONASS/Galileo/みちびき |
電子マネー | 非対応 | Suica・Visaタッチ決済対応 |
音楽機能 | 保存再生のみ | ストリーミングサービス連携 |
カロスPace3の強みは、軽量設計とバッテリー持続時間の長さです。重量はわずか30gと非常に軽く、長時間装着していても負担を感じにくいでしょう。また、GPSモードでも38時間という長いバッテリー持続時間は、長距離ランナーやトレイルランナーにとって大きなメリットとなります。デュアルバンドGNSSにも対応しており、高精度なGPS測位が可能です。
一方、ガーミンForerunner165の魅力は、高解像度のAMOLEDディスプレイとSuica対応の電子マネー機能です。画面は鮮やかで視認性が高く、日常使いでも便利な電子マネー機能があるため、ランニング以外の用途でも活躍します。また、Spotify、Amazon Music、LINE MUSICなどの音楽ストリーミングサービスとの連携も魅力です。
操作性についても違いがあります。カロスPace3は2つの物理ボタンとデジタルダイヤル、そしてトレーニング中限定のタッチスクリーン機能を備えています。ガーミンForerunner165は5つの物理ボタンとタッチスクリーンを組み合わせた操作が可能です。
どちらを選ぶべきかは、重視するポイントによって変わってきます。バッテリー持続時間と軽量性を重視するなら「カロスPace3」、画面の見やすさと電子マネー機能などの便利機能を重視するなら「ガーミンForerunner165」という選択肢が考えられます。
価格差は約6,800円とカロスの方が安価ですが、この差額で電子マネー機能や高解像度ディスプレイが必要かどうかも判断材料になるでしょう。また、ガーミンのユーザーコミュニティが大きいため、使い方や情報の共有が容易という点もガーミンの利点と言えます。
カロスPace3とガーミンForerunner265の違いは機能の豊富さと価格差にある
カロスPace3とガーミンForerunner265を比較すると、より高機能なガーミンForerunner265と、コストパフォーマンスに優れたカロスPace3という対比が明確になります。両者の違いを詳しく見ていきましょう。
まず、基本スペックの比較です:
項目 | カロス PACE 3 | ガーミン Forerunner 265 |
---|---|---|
価格 | 33,000円 | 62,800円 |
サイズ | 41.9×41.9×11.7mm | 46.1×46.1×12.9mm |
重量 | 30g (バンド含め39g) | 47g |
ディスプレイ | 1.2インチLCD(240×240) | 1.3インチAMOLED(416×416) |
バッテリー(GPS) | 38時間 | 20時間 |
バッテリー(通常) | 17日間 | 13日間 |
特殊機能 | 基本的なトレーニング機能 | トレーニングレディネス、負荷バランス等 |
音楽保存 | 対応 | 500曲保存可能 |
電子マネー | 非対応 | Suica・Visaタッチ決済対応 |
価格面での差が最も顕著で、Forerunner265はPace3の約2倍の価格設定となっています。この大きな価格差に見合った機能の違いがあるのかが重要なポイントです。
Forerunner265の強みは、より高度なトレーニング分析機能にあります。具体的には以下のような機能が搭載されています:
- トレーニングレディネス:身体の回復状態を評価する機能
- トレーニングステータス:トレーニングの効果を分析する機能
- トレーニング負荷バランス:各種トレーニングのバランスを評価
- 乳酸閾値の推定:パフォーマンスの重要指標を推定
- より詳細な睡眠分析やストレス評価
また、ディスプレイも1.3インチの大型AMOLEDで、解像度も416×416ピクセルと高精細です。音楽保存機能も500曲まで対応しており、ランニング中の音楽再生も快適です。電子マネー機能も搭載しており、日常使いでの利便性も高いと言えます。
一方、カロスPace3は、基本的なランニング機能は全て備えつつも、より必要最小限の機能に絞ることでコストを抑え、バッテリー持続時間を延ばしています。GPSモードで38時間というバッテリー性能は、Forerunner265の20時間を大きく上回ります。
サイズと重量も、Pace3が小型・軽量であるのに対し、Forerunner265はやや大きめで重量も47gとなっています。長時間装着する場合や、小柄な方には、この重量差も選択の重要な要素となるでしょう。
結論として、単純なランニングトラッキングだけでなく、より高度なトレーニング分析や日常的な便利機能も求める場合はForerunner265、コストパフォーマンスとバッテリー持続時間を重視する場合はPace3という選択肢が考えられます。また、シリアスなランナーほどトレーニング分析機能の充実したForerunner265のメリットを感じやすいかもしれません。
カロスPaceProは最新技術を搭載したカロスの注目モデル
2024年11月に発売されたカロスPACE Proは、カロスの最新フラッグシップモデルとして注目を集めています。このモデルはPACE 3の後継ではなく、さらに高機能な位置づけのモデルとして登場しました。PACE Proの特徴と魅力を詳しく見ていきましょう。
PACE Proの基本スペックは以下の通りです:
項目 | カロス PACE Pro |
---|---|
価格 | 49,940円(公式サイト) |
サイズ | 不明 |
重量 | 49g(シリコンバンド)、37g(ナイロンバンド) |
ディスプレイ | 1.3インチ有機EL |
バッテリー(GPS) | 最大38時間(全システムオンモード) |
バッテリー(通常) | 最大20日間 |
GPS | GPS/GLONASS/Galileo/Beidou/QZSS/二重波 |
PACE Proの最大の特徴は、カロスとしては初めて有機ELディスプレイを採用した点です。これにより、視認性と画質が大幅に向上し、ガーミンのAMOLEDモデルに近い表示品質を実現しています。従来のカロスモデルに比べて色彩が鮮やかで、暗い環境でも情報が確認しやすくなっています。
また、高性能プロセッサを搭載しており、操作性や応答速度が向上している点も特徴です。ルート作成も簡単になり、山の中でも迷わず走るための機能が充実しています。
バッテリー性能については、カロスの強みである長時間稼働を維持しており、GPSモードで最大38時間、日常使用で最大20日間の使用が可能です。これは同価格帯のガーミンモデルを上回る性能です。
操作面では、タッチスクリーンに加えて、物理ボタンとデジタルダイヤルも使用できるため、状況に応じた操作方法を選択できます。特に走行中は物理ボタンで操作できるため、汗や雨で濡れた状態でも安定した操作が可能です。
トレーニング機能も充実しており、ランニングのレベルアップのためのトレーニングプランがバリエーション豊富に用意されています。また、カロス独自の「TRAINING HUB」というPC向け詳細分析ツールも使用可能で、より専門的なトレーニング管理ができます。
価格は49,940円と、PACE 3(33,000円)より高価ですが、ガーミンのForerunner 265(62,800円)よりは安価な設定となっています。有機ELディスプレイや高性能プロセッサを搭載しながらも、この価格帯に抑えられているのは、カロスのコストパフォーマンスの高さを示していると言えるでしょう。
PACE Proは、カロスらしいバッテリー持続時間の長さと軽量設計を維持しつつ、ディスプレイ性能を大幅に向上させた点が最大の魅力です。特にシリアスなランナーやトレイルランナーに適したモデルと言えるでしょう。
登山やトレイルランには専用機能が充実したモデルが適している
登山やトレイルランニングでは、通常のロードランニングとは異なる機能やスペックが求められます。特に高度の計測、ナビゲーション機能、過酷な環境下での耐久性、長時間バッテリーなどが重要になります。両社の登山・トレイルラン向けモデルを比較してみましょう。
ガーミンの登山・トレイルラン向けの主なモデルには、Fenix 6 ProやForerunner 965などがあります。一方、カロスではVERTIX 2SやAPEX 2などが対応機種となります。これらのモデルの特徴は以下の通りです:
項目 | ガーミン Fenix 6 Pro | カロス VERTIX 2S |
---|---|---|
価格 | 約78,000円 | 93,500円 |
耐水性 | 10ATM | 10ATM |
バッテリー(GPS) | 最大72時間 | 最大140時間 |
バッテリー(通常) | 最大14日間 | 最大60日間 |
高度計 | 気圧式 | 気圧式 |
地図機能 | フルカラー詳細地図 | 対応(ナビゲーション) |
温度対応範囲 | 不明 | -20°C〜60°C |
特殊機能 | SOS機能、ClimbPro | 高度計、気圧計、コンパス |
登山向けの機能としては、両社とも高度計、気圧計、コンパスなどの基本機能を搭載しています。これらは標高の変化や気象条件の変化を把握するのに役立ちます。特にガーミンのFenixシリーズやカロスのVERTIXシリーズは登山に適した機能が充実しています。
ガーミンの強みは、詳細な地図表示機能です。特にFenix 6 ProやForerunner 965は、車のカーナビのように地図上でルート表示が可能で、登山道にも対応しています。また、Garmin Exploreアプリと連携することで、ルート計画やナビゲーションが可能です。SOS機能も備えており、緊急時の安全性を確保しています。
一方、カロスVERTIX 2Sの最大の強みは、超長時間バッテリーです。GPS使用時でも最大140時間という驚異的なバッテリー持続時間は、数日に渡る登山やトレイルランニングでも充電の心配が少なくて済みます。また、-20°Cから60°Cの温度範囲で動作する耐候性も特筆すべき点です。
トレイルランニング向けの機能としては、両社とも以下の機能を備えています:
- トレイル用のペース計算(勾配を考慮)
- 上り坂・下り坂の検出と分析
- 地形を考慮したナビゲーション
- 高度によるパフォーマンス影響の分析
より本格的なトレイルランナーには、カロスのバッテリー持続時間とシンプルな操作性が支持されています。特に超長距離のトレイルランニングや、数日に渡るアドベンチャーレースなどでは、カロスの超長時間バッテリーが大きなアドバンテージとなります。
一方、地図の詳細さや機能の豊富さを重視する登山者には、ガーミンのFenixシリーズが適しているかもしれません。特に初めての場所での登山やルートナビゲーションを重視する場合は、ガーミンの詳細地図機能が役立つでしょう。
最終的には、「バッテリー持続時間と軽量性を重視するか」「詳細地図とナビゲーション機能を重視するか」という点で選択が分かれるでしょう。
スント、ガーミン、カロスの3社比較ではそれぞれに強みがある

GPSスポーツウォッチ市場では、ガーミンとカロスの他にも、フィンランドのブランド「スント(SUUNTO)」も人気があります。ここでは、これら3社のGPSウォッチを比較し、それぞれの強みと特徴を見ていきましょう。
3社の同価格帯モデルの基本特性を比較すると:
項目 | ガーミン | カロス | スント |
---|---|---|---|
代表モデル | Forerunner 265 | PACE 3 | 5 Peak |
価格帯 | 高め(4〜9万円) | 中程度(3〜5万円) | 中程度(3〜6万円) |
主な特徴 | 多機能、詳細分析 | バッテリー持続時間 | 登山・アウトドア向け |
デザイン | スポーティ | シンプル | アウトドア志向 |
アプリ | Connect(機能豊富) | COROS(シンプル) | Suunto App(地図重視) |
ガーミンの強みは、その多機能性と詳細なデータ分析にあります。特にトレーニング効果や体調管理、睡眠分析などの健康管理機能が充実しています。また、モデルのラインナップが豊富で、用途や予算に応じた選択が可能です。さらに、多くのモデルで電子マネーや音楽機能など、日常使いの便利機能も搭載しています。
カロスの最大の強みは、前述の通りバッテリー持続時間の長さと軽量設計にあります。また、シンプルで直感的な操作性も特徴です。価格面でもコストパフォーマンスが高く、特にエントリーモデルからミドルレンジにかけて魅力的な製品を提供しています。トップアスリートとの共同開発にも力を入れており、本格的なトレーニングをサポートする機能も充実しています。
スントは、特に登山やトレイルランニングなどのアウトドアアクティビティに強みを持つブランドです。耐久性が高く、過酷な環境でも安心して使用できるデザインが特徴です。また、地図機能やナビゲーション機能が充実しており、アウトドアでの活動をサポートします。スントのアプリは特に地図機能が優れており、ルート計画やヒートマップなどの機能が便利です。
実際のGPS精度テストでは、カロスPACE 3が最も正確な結果を示したという報告もありますが、最近のモデルであれば3社ともGPS精度は実用上十分なレベルにあると言えるでしょう。
用途別におすすめのブランドをまとめると:
- ランニングやフィットネスを多機能で管理したい:ガーミン
- バッテリー持続時間と軽量性を重視:カロス
- 登山やアウトドアのナビゲーションに特化:スント
ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、各ブランド内でもモデルによって特徴は異なります。例えば、ガーミンのFenixシリーズはアウトドア向けの高機能モデルであり、スントのSpartanシリーズはマルチスポーツに対応した多機能モデルです。
最終的な選択は、自分の主なアクティビティや予算、重視する機能に基づいて行うことをおすすめします。可能であれば実機を試して、実際の操作感や着け心地も確認するとより納得のいく選択ができるでしょう。
VO2maxやトレーニング効果の測定はガーミンの方が実績あり
VO2max(最大酸素摂取量)やトレーニング効果の測定は、パフォーマンス向上を目指すランナーにとって重要な指標です。両社ともこれらの機能を搭載していますが、精度や使いやすさには違いがあります。
ガーミンは、長年にわたりVO2max推定やトレーニング効果の分析を行ってきた実績があります。特にFirstbeat社の技術を取り入れており(ガーミンは2020年にFirstbeatを買収)、科学的根拠に基づいた分析が可能です。ガーミンが提供するトレーニング分析機能には以下のようなものがあります:
- VO2max推定:走行データと心拍数から最大酸素摂取量を推定
- トレーニング効果:有酸素・無酸素トレーニングの効果を数値化
- トレーニングステータス:最近のトレーニングが適切かを評価
- トレーニング負荷:週間・月間のトレーニング量を分析
- リカバリーアドバイザー:次のハードワークアウトまでの推奨回復時間
- パフォーマンスコンディション:実際のパフォーマンス状態をリアルタイムで評価
- Body Battery:エネルギーレベルの推移を可視化
一方、カロスも同様の機能を提供していますが、独自のアルゴリズムを使用しています:
- VO2max推定:ガーミンと同様の機能
- トレーニング負荷:運動の負荷を数値化
- リカバリータイム:回復に必要な時間を推定
- COROS TRAINING HUB:PCで詳細なトレーニング分析が可能
トレーニングデータの精度については、実際のユーザーレビューによると、ガーミンの方がより信頼性が高いという意見が多いようです。特にVO2max推定やトレーニング効果の分析においては、ガーミンの長年の実績とデータ蓄積が活かされていると考えられます。
ただし、カロスのトレーニング分析機能も十分実用的で、特にエリート選手のデータをもとに開発されている点は強みです。「COROS TRAINING HUB」というPC向けの分析ツールは、NNランニングチーム(キプチョゲ選手などが所属する世界トップレベルのチーム)でも採用されており、専門的なトレーニング分析が可能です。ただし、このツールは英語のみの対応となっているため、日本語での使用を希望する場合は注意が必要です。
ガーミンの独自機能である「Body Battery」は、睡眠・活動・ストレスなどのデータを総合的に分析し、身体のエネルギーレベルを可視化する機能です。これにより、トレーニングと休息のバランスを取りやすくなります。カロスにはこの機能に相当するものはありません。
またガーミンのコーチ機能は日本語に対応しており、初心者でも専門的なアドバイスやトレーニングプランを受け取りやすい環境が整っています。一方、カロスのトレーニング関連機能は、より経験のあるランナー向けの印象があります。
結論として、より詳細なトレーニング分析を重視する場合や、初心者でトレーニングガイダンスを求める場合はガーミン、必要最小限の分析機能で十分という場合はカロスという選択肢が考えられます。ただし、両社ともに基本的なVO2max推定やトレーニング負荷分析などの機能は搭載しており、一般的なトレーニング管理には十分対応できます。

まとめ:ガーミンとカロスの比較で自分に最適なモデルを選ぶポイント
ガーミンとカロスのGPSウォッチを比較してきましたが、最終的にどちらを選ぶべきかは、あなた自身のニーズや好みによって変わってきます。ここでは、選択の際に考慮すべきポイントをまとめます。
最後に記事のポイントをまとめます。
- ガーミンは1989年設立の米国老舗メーカー、カロスは2014年設立の新興ブランド
- カロスは同クラスのガーミン製品より20〜30%安価に設定されている
- バッテリー持続時間はカロスが圧倒的に優位でGPSモードで約2倍長持ち
- GPSの精度は両社とも高く、カロスはエントリーモデルからデュアルバンドGPS対応
- ディスプレイはガーミンのAMOLEDが鮮やかで視認性が高い
- 操作性はカロスがシンプルで直感的、ガーミンは多機能だが若干複雑
- カロスPace3(33,000円)とガーミンForerunner165(39,800円)は人気のエントリーモデル
- 高機能なForerunner265(62,800円)は詳細なトレーニング分析が魅力だが価格も高め
- カロスPaceProは有機ELディスプレイ採用で視認性が向上した最新モデル
- 登山やトレイルランには専用機能の充実したモデルが適している
- トレーニング分析機能はガーミンがより詳細で初心者向け、カロスはシンプルで上級者向け
- 用途別では「ランニング+日常使い」ならガーミン、「純粋にランニングに特化」ならカロス
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://ameblo.jp/turkey-run/entry-12850564787.html
- https://note.com/nakanoryo/n/n078204cbc388
- https://haute-chrono.com/coros-garmin-hikaku/
- https://ameblo.jp/avanti0301/entry-12783609914.html
- https://covtana.hatenablog.com/entry/2022/04/07/192500
- https://kakakumag.com/pc-smartphone/?id=21668
- https://compare-edge.com/coros-garmin-hikaku/
- https://runstagramer.com/2025/03/20/coros_garmin/
- https://marathon-easy-strategy.com/?p=117
- https://runner-yukiyamada.com/itemreview-34/