ガーミンの腕時計を使っていると、「VO2max」という数値が表示されることに気づいた方も多いでしょう。この値が上がれば持久力が向上し、マラソンのタイムも良くなるとされています。しかし、「いくら走っているのにVO2maxが上がらない…」と悩んでいる人も少なくありません。
本記事では、ガーミンで測定されるVO2maxとは何か、なぜ重要なのか、そして効果的な上げ方について詳しく解説します。インターバルトレーニングやタバタ式トレーニングなどの具体的な方法から、VO2maxが下がった時の対処法、ガーミンデバイスの正しい設定まで、幅広く紹介していきます。
記事のポイント!
- VO2maxとは最大酸素摂取量のことで、心肺機能の指標となる重要な数値
- ガーミンでのVO2max測定は推定値であり、精度を上げるためのコツがある
- VO2maxを効果的に上げるには特定のトレーニング方法が効果的
- 年齢や性別によってVO2maxの基準値が異なり、目標設定の参考になる
ガーミンでVO2maxを上げるための基本知識
- VO2maxとは心肺機能を表す重要な指標
- ガーミンでのVO2max測定は心拍数データから推定する仕組み
- VO2maxの年齢・性別ごとの平均値は40代男性で37程度
- ガーミンのVO2max精度はトレーニングの種類で変わる
- VO2maxが高いと心臓病リスクが低下する健康効果がある
- ガーミンでVO2maxを正確に計測するには設定が重要
VO2maxとは心肺機能を表す重要な指標
VO2maxとは、最大酸素摂取量を意味する指標です。具体的には、運動中に体が1分間に取り込める酸素の最大量を表しており、単位はml/kg/minで表記されます。「V」は容量(Volume)、「O2」は酸素、「max」は最大値を意味します。
VO2maxが高ければ高いほど、体内に多くの酸素を取り込めるということであり、それだけ心肺機能が優れていることを示します。ランニングやサイクリングなどの持久系スポーツにおいて、VO2maxは重要な指標として知られています。
人間は運動中、酸素を使ってエネルギーを生成しています。高強度の運動になるほど、より多くの酸素が必要になりますが、その摂取量には上限があります。この上限がVO2maxです。トレーニングによってVO2maxを高めることで、より高い強度で長時間運動を続けられるようになります。
VO2maxは生まれつきの資質も関係しますが、トレーニングによって向上させることも可能です。特に継続的な有酸素運動やインターバルトレーニングなどの高強度トレーニングによって、心臓や血管、筋肉の機能が向上し、VO2maxも上がっていきます。
独自調査の結果、VO2maxと健康には強い相関関係があり、VO2maxが高い人ほど心臓病になりにくく、寿命も長い傾向にあることがわかっています。そのため、単にスポーツパフォーマンスだけでなく、健康維持の観点からもVO2maxを高めることは重要なのです。
ガーミンでのVO2max測定は心拍数データから推定する仕組み

ガーミンデバイスでのVO2max測定は、心拍数データや運動中のパフォーマンスデータを基に推定値を算出します。本来、最も正確なVO2maxの測定方法は、専門の設備を備えたラボでの呼吸ガス分析ですが、ガーミンはそれを日常的に簡易測定できるよう工夫しています。
ガーミンデバイスは、運動中の心拍数、速度、距離、標高変化などの複数のデータを収集します。さらに、ユーザーのプロフィール情報(性別、年齢、身長、体重など)も考慮して、独自のアルゴリズムでVO2maxを計算しています。
測定精度については、2021年のホワイトペーパーによると、「わずかなズレはあるものの、腕時計の推定値は実験室でのテストに非常に近い」との報告があります。ガーミン社の検証でも、ラボテストと比較して最大95%の精度があることが示されています。
ガーミンでVO2maxを測定するためには、少なくとも10分以上、最大心拍数の70%程度の強度で運動する必要があります。このデータを基に、ガーミンはより正確なVO2max値を計算します。ただし、低強度の運動ばかりでは、正確なVO2max値を計測するのは難しいでしょう。
なお、ガーミンのVO2max測定は継続的に行われ、運動を重ねるごとに精度が向上していきます。一時的な体調や環境の変化による影響を減らすために、長期的なトレンドを見ることが重要です。
VO2maxの年齢・性別ごとの平均値は40代男性で37程度
VO2maxの値は年齢や性別によって異なり、適切な目標設定のためには各年代の平均値を知っておくことが重要です。厚生労働省の「健康づくりのための運動基準2006」によると、日本人の年齢・性別ごとのVO2max平均値は以下のようになっています。
性別/年齢 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 |
---|---|---|---|---|---|
男性 | 40 | 38 | 37 | 34 | 33 |
女性 | 33 | 32 | 31 | 29 | 28 |
これを見ると、年齢が上がるにつれてVO2maxの平均値は緩やかに低下していることがわかります。また、男性は女性よりも平均して高い値を示しています。これは筋肉量や心臓のサイズなどの生理学的な差によるものです。
一方、Garminが公開しているデータでは、より詳細な区分けがされており、「標準」から「超優秀」までのレベル分けがなされています。例えば40代男性の場合、42.4が「高い」、46.4が「優秀」、52.5が「超優秀」とされています。
興味深いのは、一般的な平均値とアスリートの値の差です。トップクラスのマラソンランナーやサイクリストのVO2maxは80〜90ml/kg/minに達することもあり、一般人の平均値とは大きな開きがあります。
自分のVO2maxが年齢相応の平均値を下回っている場合は、改善の余地があるということです。逆に平均以上であれば、その状態を維持するための継続的なトレーニングが重要になります。効果的なトレーニングを通じて、同年代の「優秀」や「超優秀」レベルを目指すのも良いでしょう。
ガーミンのVO2max精度はトレーニングの種類で変わる
ガーミンのVO2max測定の精度は、どのようなトレーニングを行うかによって大きく変わります。VO2maxの値を正確に把握するためには、この特性を理解しておくことが重要です。
特に注目すべきは、高強度のトレーニングを定期的に行うとVO2maxの精度が向上するという点です。ジョギングのような低強度の運動だけでは、ガーミンは正確なVO2max値を把握できない可能性があります。強度の高いインターバルトレーニングやペース走を週に1〜2回取り入れることで、より正確なVO2max値が計測されるようになります。
ある実例では、10月から強度の高いペース走を週2回行うようになった結果、それまで変化のなかったVO2max値が急上昇しました。これは実際の心肺機能が向上したというよりも、ガーミンが正確なVO2max値を把握できるようになったと考えられます。
また、地形や気象条件も測定精度に影響します。例えば、坂道や風の強い日のトレーニングでは、同じ心拍数でも速度が変わるため、測定値に誤差が生じやすくなります。できるだけ平坦なコースで安定した気象条件の下でトレーニングを行うことで、より正確な測定が可能になります。
トレーニング期間の長さも重要な要素です。短期間のトレーニングではなく、少なくとも数週間から数か月にわたって定期的にトレーニングを続けることで、ガーミンはより正確なVO2max値を示すようになります。そのため、VO2maxの値は一時的な変動よりも長期的なトレンドとして見るべきでしょう。
VO2maxが高いと心臓病リスクが低下する健康効果がある
VO2maxの向上は単に運動パフォーマンスを高めるだけでなく、健康面でも大きなメリットがあります。特に注目すべきは、VO2maxが高い人ほど心臓病のリスクが低下するという点です。
独自調査の結果、VO2maxが高い人は心臓病になりにくく、寿命も長いことが複数の研究で示されています。また、がんのリスクも低減するという報告もあります。これは、VO2maxが高いということは心肺機能が優れていることを意味し、全身に十分な酸素が供給されることで、体の様々な機能が健全に保たれるからです。
VO2maxの向上によって得られる健康効果には、以下のようなものがあります:
- 心臓の筋肉が強化され、より効率的に血液を送り出せるようになる
- 血管の弾力性が向上し、血液循環が改善される
- 血圧の安定化に貢献する
- 血糖値のコントロールが改善される
- 免疫機能が強化される
- ストレスへの耐性が高まる
これらの効果により、心臓病や糖尿病などの生活習慣病のリスクが低減します。特に注目すべきは、VO2maxが低い人が少しでも値を上げることで得られる健康効果が大きいという点です。つまり、アスリートレベルを目指さなくても、現在の値から少しでも向上させることで健康上の恩恵を受けられるのです。
VO2maxを高めるための運動は、生活習慣病の予防や改善に役立つだけでなく、日常生活の質の向上にも貢献します。階段の上り下りがラクになる、疲れにくくなるなど、日常生活でも実感できる効果が得られるでしょう。
ガーミンでVO2maxを正確に計測するには設定が重要
ガーミンデバイスでVO2maxを正確に計測するためには、適切な設定と使用方法が不可欠です。まず最も重要なのは、デバイスのユーザープロフィールを正確に設定することです。
ユーザープロフィールで必須の設定項目は以下の通りです:
- 性別
- 誕生年(年齢)
- 身長
- 体重
- 着用する手首
これらの情報が不正確だと、VO2maxの計算結果にも誤差が生じます。特に体重は定期的に更新することで、より精度の高い測定が可能になります。例えば、体重が減少したにもかかわらず、古い情報のままだとVO2maxが実際より低く表示される可能性があります。
設定方法について、ガーミンデバイスでは「設定」→「ユーザープロフィール」から入力できます。注意点として、ガーミンコネクト側の設定がデバイスに同期されないケースがあるため、基本的にはデバイス側で設定するのが確実です。
また、正確なVO2max測定のためには、心拍計の精度も重要です。手首型の光学式心拍計は便利ですが、胸部ストラップ型の心拍計と比べると精度が劣ることがあります。より正確な測定を望む場合は、胸部ストラップ型の心拍計を使用することをおすすめします。
トレーニング時には、GPS信号が安定している環境で測定することも大切です。建物や樹木が密集している場所では、GPS精度が低下し、速度や距離の計測に誤差が生じることがあります。これもVO2max計算に影響します。
最後に、VO2maxの測定には最低でも10分以上、最大心拍数の70%程度の強度で運動することが推奨されています。ウォーミングアップとクールダウンを除いた、本格的なトレーニング部分でこの条件を満たすようにすると、より正確な測定が可能になります。
効果的にガーミンVO2maxを上げるためのトレーニング方法
- インターバルトレーニングは心肺機能を効率的に向上させる
- レペティショントレーニングでは完全休息で高強度を維持する
- タバタ式トレーニングは短時間で最大効果を発揮する
- 定期的なペース走でVO2maxは継続的に向上する
- VO2maxが下がった場合は生活習慣の見直しも必要
- ロードバイクでもVO2maxを効果的に上げられる
- まとめ:ガーミンVO2maxを上げるには定期的な高強度トレーニングが効果的
インターバルトレーニングは心肺機能を効率的に向上させる
インターバルトレーニングは、VO2maxを効率的に向上させる最も効果的な方法の一つです。このトレーニングは、高強度の運動(急走)と低強度の回復(緩走)を交互に繰り返すことで心肺機能に刺激を与えます。
インターバルトレーニングの基本的なメニュー例は以下の通りです:
- 200m×10本(間に100mのジョギング)
- 400m×10本(間に200mのジョギング)
- 1000m×5-6本(間に400mのジョギング)
これらのメニューでは、高強度の部分は5kmレースペースからそれよりも速いペースで走り、回復の部分はゆっくりとしたジョギングを行います。このとき、完全に休息するのではなく、体を動かし続けることがポイントです。
インターバルトレーニングの効果は多岐にわたります。まず、心臓が強化され、一回の拍動で送り出せる血液量(一回拍出量)が増加します。また、血管の拡張能力が向上し、筋肉への酸素供給が効率化されます。さらに、筋肉内のミトコンドリア(エネルギー生成の場)の数や機能が向上し、酸素をエネルギーに変換する能力が高まります。
初心者がインターバルトレーニングを始める際は、無理のない範囲から開始することが重要です。例えば、週に1回、以下のような簡単なメニューから始めるとよいでしょう:
- 10〜15分のウォーミングアップ(ゆっくりジョギング)
- 1分間の速いペース走+2分間のジョギングを5セット
- 10分程度のクールダウン(ゆっくりジョギング)
慣れてきたら徐々に強度や量を増やしていきましょう。ただし、インターバルトレーニングは体への負荷が大きいため、週に1〜2回程度に留め、十分な回復期間を設けることが大切です。また、怪我のリスクを減らすためにも、適切なウォーミングアップとクールダウンを必ず行いましょう。
このトレーニングを継続することで、ガーミンのVO2max値が徐々に向上していくことが期待できます。変化を実感するには通常4〜8週間程度の継続が必要ですが、個人差があるため焦らず取り組むことが大切です。
レペティショントレーニングでは完全休息で高強度を維持する

レペティショントレーニングは、インターバルトレーニングと似ていますが、セット間に完全な休息を挟むことが大きな特徴です。この完全休息によって、各セットで高い強度を維持できるため、VO2maxを効果的に向上させることができます。
レペティショントレーニングの代表的なメニュー例を紹介します:
- 200mを全力ダッシュ + 完全休養(5分〜15分) × 5本
- 400mを全力ダッシュ + 完全休養(5分〜20分) × 4本
- 1,000mを全力ダッシュ + 完全休養(10分〜20分) × 3本
インターバルトレーニングと異なり、レペティショントレーニングでは各セット間に十分な回復時間を設けます。この間、立ち止まったり、歩いたり、座ったりして完全に回復させることが重要です。これにより、次のセットでも高強度のパフォーマンスを発揮できます。
レペティショントレーニングには以下のような効果があります:
- VO2maxの向上
- 乳酸耐性の向上(高強度運動時に体内で発生する乳酸に対する耐性が高まる)
- 精神的スタミナの向上(厳しい状況でも頑張り続ける力が養われる)
- 効率的なフォームの獲得(高強度での正しいフォームが身につく)
このトレーニングを行う際のポイントは、各セットで本当に「全力」を出し切ることです。そのために十分な休息をとることが不可欠です。休息時間が短すぎると完全に回復できず、次のセットで全力を出せなくなってしまいます。
初心者がレペティショントレーニングを始める場合は、以下のような比較的簡単なメニューから始めるとよいでしょう:
- 15〜20分の入念なウォーミングアップ
- 200m全力走 + 10分休息 × 3本
- 10〜15分のクールダウン
レペティショントレーニングは非常に高強度であるため、適切なウォーミングアップが特に重要です。また、週に1回程度に留め、十分な回復日を設けることをおすすめします。無理をせず、徐々に強度と量を増やしていくことで、怪我のリスクを減らしながらVO2maxを効果的に向上させることができます。
タバタ式トレーニングは短時間で最大効果を発揮する
タバタ式トレーニングは、日本の研究者・田畑泉氏が開発した高強度インターバルトレーニングの一種で、わずか4分間のトレーニングでVO2maxを効果的に向上させることができる方法です。時間効率が良く、短期間で効果を出したい人に特におすすめのトレーニング方法です。
タバタ式トレーニングの基本的なプロトコルは以下の通りです:
- 20秒間の全力運動
- 10秒間の休息
- これを8セット繰り返す(合計4分間)
この単純なプロトコルですが、正しく行うことで非常に高い効果が得られます。タバタ式トレーニングをランニングに応用する場合、以下のように実施します:
- 十分なウォーミングアップ(10〜15分のジョギングなど)
- 20秒間の全力ダッシュ
- 10秒間のゆっくりとしたジョギングまたは歩行
- これを8セット繰り返す
- クールダウン(10分程度のジョギングなど)
タバタ式トレーニングの大きな特徴は、20秒間の運動で本当に「全力」を出し切ることです。これは単に速く走るというだけでなく、それぞれのセットで限界まで追い込むことが重要です。そのため、最後の2〜3セットではかなりきつく感じるはずです。
タバタ式トレーニングがVO2maxを効果的に向上させる理由は、非常に高い強度で心肺系に強い刺激を与えるからです。特に以下のような効果が期待できます:
- VO2maxの向上(有酸素能力の向上)
- 無酸素性作業能力の向上
- 脂肪燃焼効果の向上
- 時間効率の良いトレーニング(わずか4分で高い効果)
ただし、このトレーニングは非常に高強度であるため、初心者や体力に不安がある方は注意が必要です。まずは低〜中強度のランニングに慣れてから取り入れることをおすすめします。また、怪我のリスクを減らすためにも、ウォーミングアップとクールダウンは十分に行いましょう。
週に1〜2回、タバタ式トレーニングを取り入れることで、短期間でVO2maxを向上させることができます。研究によると、6週間のタバタ式トレーニングで、VO2maxが平均14%向上したという報告もあります。時間がない人でも取り組みやすく、効果的なトレーニング方法といえるでしょう。
定期的なペース走でVO2maxは継続的に向上する
定期的なペース走も、VO2maxを効果的に向上させるトレーニング方法の一つです。インターバルトレーニングやタバタ式トレーニングほど高強度ではありませんが、継続的に行うことで着実にVO2maxを向上させることができます。
ペース走とは、一定の速いペースを維持して走るトレーニングで、通常は5〜10kmの距離を行います。理想的なペースは、10kmレースのペースよりもやや遅い程度、または「話すのがやや困難なペース」と表現されることが多いです。これは、最大心拍数の80〜85%程度の強度に相当します。
ペース走の具体的なメニュー例は以下の通りです:
- 5kmのペース走(10kmレースペースの90〜95%程度)
- 8kmのペース走(ハーフマラソンペース程度)
- 時間ベースの場合:20〜40分のペース走
ペース走がVO2maxを向上させる理由は、心臓や血管系に適度な負荷をかけ続けることで、心肺機能が徐々に強化されるためです。また、乳酸閾値(運動強度を上げると血中の乳酸濃度が急激に増加し始めるポイント)を向上させる効果もあります。
ペース走を効果的に行うためのポイント:
- 適切なペース配分:スタート直後から飛ばしすぎず、全体を通してほぼ同じペースを維持することが重要です。
- 定期的な実施:週に1〜2回程度、定期的に取り入れることでVO2maxの向上が期待できます。
- 徐々に距離や時間を増やす:最初は短い距離や時間から始め、体が適応してきたら徐々に増やしていきましょう。
ある実例では、週に2回、5kmのペース走を3ヶ月間継続した結果、ガーミンのVO2max値が44から49まで向上したというケースがありました。特に、それまでゆっくりとしたジョギングしかしていなかった人が、ペース走を取り入れることで大きな効果を得られることがあります。
ペース走のメリットは、インターバルトレーニングなどの高強度トレーニングに比べて体への負担が少ないため、より頻繁に実施できることです。また、レース本番のペース感覚を養うのにも役立ちます。初心者から上級者まで幅広いレベルの人が取り組めるトレーニング方法といえるでしょう。
VO2maxが下がった場合は生活習慣の見直しも必要

ガーミンのVO2max値が下がった場合、単にトレーニングの問題だけでなく、生活習慣全般を見直す必要があるかもしれません。VO2maxの低下には様々な原因が考えられます。
まず、トレーニング不足や運動量の減少が最も一般的な原因です。定期的に行っていた高強度トレーニングを中断したり、全体的な運動量が減少したりすると、心肺機能が低下し、VO2maxも下がります。例えば、緊急事態宣言による外出制限で運動量が減った時期には、多くの人がVO2maxの低下を経験しました。
過度なトレーニングもVO2maxを低下させる原因になります。適切な休息なしに高強度のトレーニングを続けると、体が十分に回復できず、オーバートレーニング状態になることがあります。その結果、パフォーマンスが低下し、VO2maxも下がってしまいます。
睡眠不足も重要な要因です。質の高い睡眠は筋肉の回復や体の調整に不可欠であり、睡眠が不足すると回復が不十分になり、VO2maxに悪影響を及ぼします。毎日7〜8時間の質の良い睡眠を心がけましょう。
栄養状態も見落とせません。特に十分なタンパク質と炭水化物の摂取は、トレーニング効果を最大化するために重要です。また、水分摂取も適切に行わないと、血液の流れが悪くなり、VO2maxに影響します。
ストレスも大きな要因です。過度なストレスは、コルチゾールなどのストレスホルモンを増加させ、回復を阻害します。リラクゼーション技術やストレス管理法を取り入れることで改善できることがあります。
VO2maxが下がった場合の対処法:
- トレーニングの見直し:適切な強度と量のトレーニングを再開する。特に高強度インターバルトレーニングを週に1〜2回取り入れる。
- 十分な休息:ハードトレーニングの後は適切な回復期間を設ける。
- 睡眠の質の向上:就寝時間を規則的にし、睡眠環境を整える。
- バランスの取れた食事:トレーニングをサポートする栄養素をバランスよく摂取する。
- 水分補給:日常的に十分な水分を摂取する。
- ストレス管理:メディテーションやヨガなどのリラクゼーション技術を取り入れる。
これらの対策を総合的に行うことで、VO2maxの回復・向上が期待できます。ただし、急激な変化を期待するのではなく、持続的な生活習慣の改善を心がけることが大切です。もし数か月改善が見られない場合は、健康上の問題が隠れている可能性もあるため、医師に相談することをおすすめします。
ロードバイクでもVO2maxを効果的に上げられる
ランニングだけでなく、ロードバイクもVO2maxを効果的に向上させることができるトレーニング方法です。自転車は膝や足首などの関節への負担が少なく、長時間のトレーニングが可能なため、心肺機能を効率的に強化できるというメリットがあります。
ロードバイクでVO2maxを向上させるための効果的なトレーニング方法を紹介します:
- ヒルクライム 急な坂道を上るトレーニングは、自然と高強度のトレーニングになります。5〜10分程度の上り坂を、高いケイデンス(ペダルを回す回転数)で上りきり、下りでは回復するというセットを3〜5回繰り返すことで、効果的にVO2maxを向上させることができます。
- インターバルトレーニング 平坦な道路でも、時間ベースのインターバルトレーニングが可能です。例えば、3分間の高強度ペダリング(最大心拍数の85〜90%程度)と3分間の軽いペダリング(回復)を5〜8セット繰り返すというメニューが効果的です。
- タバタ式トレーニング ロードバイクでもタバタ式トレーニングを取り入れることができます。20秒間の全力ペダリングと10秒間の軽いペダリングを8セット繰り返します。この際、安全のためローラー台などの固定された環境で行うことをおすすめします。公道では危険なため避けましょう。
- スイートスポットトレーニング 機能的閾値パワー(FTP:1時間維持できる最大パワー)の88〜94%程度の強度で、20〜60分間継続するトレーニングです。乳酸閾値とVO2maxの両方を向上させる効果があります。
ロードバイクでトレーニングする際のポイント:
- パワーメーターがあると、より正確な強度管理ができます。
- 心拍計は必須のギアです。目標心拍ゾーンを設定してトレーニングしましょう。
- 屋内トレーナー(ローラー台)を使用すると、天候に左右されず、より精密にトレーニングできます。
- 安全のため、高強度トレーニングは交通量の少ない場所や専用施設で行いましょう。
ガーミンデバイスを使用している場合、自転車でのトレーニングデータもVO2max計算に反映されます。ただし、正確な測定のためには、デバイスの設定で正しいアクティビティタイプ(サイクリング)を選択し、パワーメーターや心拍計を連携させることが重要です。
ランニングとサイクリングを組み合わせるクロストレーニングも効果的です。異なる筋肉群を使うことで、総合的な心肺機能が向上し、怪我のリスクも減らすことができます。週に2〜3回のランニングと1〜2回のサイクリングというバランスが理想的かもしれません。
まとめ:ガーミンVO2maxを上げるには定期的な高強度トレーニングが効果的
最後に記事のポイントをまとめます。
この記事で紹介したことの振り返りまとめ
- VO2maxは最大酸素摂取量を表す指標で、心肺機能の能力を示す重要な数値
- ガーミンデバイスは心拍数や運動データからVO2maxを推定している
- VO2maxの年齢・性別ごとの平均値があり、40代男性では約37が標準
- ガーミンのVO2max測定は高強度トレーニングを行うことで精度が向上する
- VO2maxが高いと心臓病リスクが低下するなどの健康効果がある
- ガーミンでVO2maxを正確に計測するにはユーザープロフィールの設定が重要
- インターバルトレーニングはVO2max向上に効果的な高強度トレーニング
- レペティショントレーニングは完全休息を挟むことで高強度を維持できる
- タバタ式トレーニングは短時間で最大効果を発揮する時間効率の良い方法
- 定期的なペース走でもVO2maxは継続的に向上する
- VO2maxが下がる原因はトレーニング不足や睡眠不足、ストレスなど多岐にわたる
- ロードバイクでもヒルクライムやインターバルトレーニングでVO2maxを向上させられる
- VO2maxを向上させるには週に2〜3回の高強度トレーニングと十分な回復期間が理想的
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://support.garmin.com/ja-JP/?faq=0KDJrjrM5x2VQPiJb2Vg39
- https://ameblo.jp/naococon/entry-12784846322.html
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11254935011
- https://toretan.jp/atc/vo2max/
- https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/77f6340e9f22512ea9b30d19b0b2ef7d433c2389
- https://sub3.blog/gadget/garmin-vo2max/
- https://www.youtube.com/watch?v=lmEbUoq569A
- https://note.com/cona2270/n/nc9c20d343efa
- https://kuerilabo.com/garmin-vo2max/
- https://yuchrszk.blogspot.com/2024/08/vo2max.html