ガーミンのスマートウォッチやスポーツウォッチを使っていると、VO2Maxという数値に出会うことがあります。この数値が何を意味し、どうやって表示させるのか疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。VO2Maxは最大酸素摂取量を表す指標で、あなたの心肺機能の強さを示す重要な値です。
本記事では、ガーミンデバイスでのVO2Max表示方法を機種別に解説するとともに、その数値の意味や活用法までを徹底的に説明します。予想タイムとの関連性や、数値を向上させるためのトレーニング方法も紹介するので、ランニングやサイクリングのパフォーマンス向上を目指す方にとって、きっと役立つ情報となるでしょう。
記事のポイント!
- ガーミンデバイス(ウォッチとアプリ)でのVO2Max表示方法を詳しく解説
- VO2Maxの意味と、その数値があなたのパフォーマンスに与える影響
- VO2Maxが表示されない場合の対処法と、正確に測定するためのポイント
- VO2Maxを向上させるための効果的なトレーニング方法と、予想タイムの活用術
ガーミンでVO2Max表示方法の基本ガイド
- ガーミンウォッチでVO2Maxを確認する方法はパフォーマンスウィジェットを使用すること
- Garmin Connectアプリでのvo2max表示方法はパフォーマンス統計から確認可能
- VO2Maxとは最大酸素摂取量を示す重要な指標である
- ガーミンVO2Maxが表示されない場合は設定の確認と計測条件を満たすことが必要
- ガーミンのVO2Max対応機種は主にForeAthleteやFenixシリーズである
- VO2Maxの数値は年齢別に評価され色分けされている
ガーミンウォッチでVO2Maxを確認する方法はパフォーマンスウィジェットを使用すること
ガーミンウォッチでVO2Maxを確認する最も一般的な方法は、パフォーマンスウィジェットを活用することです。独自調査の結果、多くのガーミン製品で以下の手順でアクセスできることが分かりました。
まず、ウォッチフェイス画面でDOWNボタン(下向きボタン)を押してウィジェットリストを表示させます。ウィジェットの中から「トレーニングステータス」または「パフォーマンス」と表示されている項目を探しましょう。
次に、そのパフォーマンスウィジェットが表示されているところでSTART/STOPボタンを押します。すると、VO2Maxの値が画面に表示されます。多くの機種では、この画面でさらにDOWNボタンを押していくと、マラソンなどの予想タイムも確認できます。
機種によって操作方法が若干異なる場合がありますが、基本的な流れは同じです。たとえばForeAthlete 935では上記の方法で確認できますが、ForeAthlete 245などでは「パフォーマンス」ウィジェットを選択してからSTARTキーを押すことで表示されます。
ウォッチの画面が小さいタイプでは、タッチ操作で確認する場合もあります。たとえばVívosportでは、画面を長押ししてメニューを表示させた後、画面をスワイプして特定のアイコンをタップすることでVO2Maxにアクセスできます。
ガーミンウォッチは定期的にファームウェアがアップデートされるため、最新の操作方法については公式サイトで確認することをおすすめします。
Garmin Connectアプリでのvo2max表示方法はパフォーマンス統計から確認可能
ガーミンウォッチで計測したVO2Maxの数値は、スマートフォンアプリ「Garmin Connect」でも確認できます。アプリでの表示方法は以下の通りです。
まず、Garmin Connect Mobileアプリを起動し、左上にあるメニューボタン(三本線のアイコン)をタップします。このメニューボタンを押すとメインメニューが表示されます。
メインメニューから「パフォーマンス統計」という項目をタップします。パフォーマンス統計の中に「VO2 Max」というメニューがありますので、これをタップしましょう。すると、あなたのVO2Maxの値とその履歴が表示されます。
Garmin Connectアプリの大きな利点は、VO2Maxの履歴を時系列で確認できることです。グラフ表示されるため、トレーニングの成果や体調の変化に伴うVO2Maxの推移を視覚的に把握できます。
また、ウォッチでは確認できない追加情報、例えばフィットネス年齢などもGarmin Connectで確認できる場合があります。これにより、自分の体力レベルをより多角的に評価することが可能です。
アプリの更新によってレイアウトや操作方法が変わることもありますが、基本的な流れは「メニュー」→「パフォーマンス統計」→「VO2 Max」という流れです。日々のトレーニング記録と一緒に定期的にチェックすると効果的でしょう。
VO2Maxとは最大酸素摂取量を示す重要な指標である
VO2Maxとは、maximum oxygen consumption(最大酸素摂取量)の略称です。一般的に「ブイオーツーマックス」と読み、厳密には「2」は下付きで小さく表記します。この指標は、体が運動中に1分間で体重1キログラム当たり何ミリリットルの酸素を最大で消費できるかを表しています。単位はmL/kg/minです。
VO2Maxの数値が高いということは、身体が効率的に酸素を取り込み、処理できる能力が高いことを意味します。これは特に有酸素運動(持久系の運動)を行う能力が高いことを示しています。ランナーにとっては、この数値が高いほど、心肺機能面で見た長距離走の能力が高いということになります。
ただし注意点として、走力は心肺機能だけで決まるわけではありません。筋力、走法、精神力など他の要素も重要ですので、VO2Maxの高い人が必ずしも速いランナーとは限りません。しかし、走力を評価する上での重要な指標の一つであることは間違いありません。
正確なVO2Max測定は、専用の機器を使い、呼気と吸気のデータを取りながら全力運動を行うという複雑な手順が必要です。しかしガーミンでは、走った距離と時間、そして心拍数のデータから、この値を推定しています。これにより、専門機関に行かなくても、日常的にVO2Maxの目安を知ることができるのです。
一般的に、VO2Maxの数値は年齢と共に低下する傾向がありますが、トレーニングによって維持・向上させることが可能です。特に、それまで運動習慣のなかった人がトレーニングを始めると、初期段階では比較的短期間でVO2Maxの向上が見られることがあります。
ガーミンVO2Maxが表示されない場合は設定の確認と計測条件を満たすことが必要
ガーミンデバイスを使っているのにVO2Maxが表示されないという場合、いくつかの原因が考えられます。ここではその対処法を説明します。
まず最初に確認すべきは、お使いのガーミン機種がVO2Max計測に対応しているかどうかです。全ての機種が対応しているわけではありませんので、公式サイトやマニュアルで確認しましょう。
次に、VO2Max計測のための設定が有効になっているか確認します。多くの機種では、以下の3つの設定が必要です:
- 「最大心拍数」の自動検出をONにする
- 「パフォーマンスコンディション」の通知をONにする
- 「TrueUp」をONにする
これらの設定は、通常デバイスの「トレーニングレベル」メニューから行えます。具体的な操作方法は機種によって異なりますが、一例としてForeAthlete 745シリーズでは、UPキー(左側真ん中のボタン)を長押ししてメニューページを表示し、「トレーニングレベル」から各設定にアクセスできます。
また、VO2Maxを計測するためには以下の条件も満たす必要があります:
- 心拍計測を行うこと(光学式心拍計または胸部ベルト式心拍計を使用)
- 屋外で最低10分以上のランニングをすること(一部の機種では15分程度必要)
- GPSが正常に機能していること
さらに、一部の機種(Vívosportなど)では、明示的な測定テストを行う必要があります。これは通常、デバイスの「トレーニング」または「VO2 Max」メニューから「テスト」を選択して実行します。
それでもVO2Maxが表示されない場合は、デバイスのファームウェアが最新かどうかを確認したり、工場出荷時の設定にリセットしたりすることも検討しましょう。それでも解決しない場合は、ガーミンのサポートに問い合わせることをおすすめします。
ガーミンのVO2Max対応機種は主にForeAthleteやFenixシリーズである
ガーミンの製品ラインナップの中で、VO2Max機能を搭載している主な機種についてご紹介します。VO2Max計測は高機能なスポーツウォッチやアクティビティトラッカーに搭載されている機能です。
ForeAthleteシリーズ(海外ではForerunnerと呼ばれる)はランニング向けに設計されたウォッチであり、多くのモデルでVO2Max計測に対応しています。具体的には、ForeAthlete 45/45S、ForeAthlete 245/245 Music、ForeAthlete 735XT、ForeAthlete 935、ForeAthlete 945などが対応しています。
Fenixシリーズはアウトドアやマルチスポーツ向けの高機能モデルで、Fenix 5シリーズ以降のモデルはVO2Max計測に対応しています。特にFenix 5 Plus以降のモデルでは、ランニングだけでなくサイクリング時のVO2Maxも計測可能です。
Vívoシリーズの中では、Vívosportなどの一部モデルがVO2Max計測に対応しています。こちらは比較的コンパクトなアクティビティトラッカーでありながら、VO2Maxの測定テスト機能を備えています。
Edgeシリーズは自転車向けのコンピューターで、Edge 530やEdge 830などの高機能モデルではサイクリング時のVO2Max計測が可能です。
最新モデルについては、ガーミンの製品ラインナップは定期的にアップデートされるため、公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします。一般的に、新しいモデルほど計測精度が向上していることが多いです。
機種選びの際のポイントとしては、心拍計測の方法が挙げられます。内蔵の光学式心拍計だけでなく、より正確な測定が可能な胸部ベルト式心拍計に対応しているモデルを選ぶと、より精度の高いVO2Max計測が期待できます。
VO2Maxの数値は年齢別に評価され色分けされている
ガーミンデバイスでは、VO2Maxの数値だけでなく、その評価も表示されます。この評価は数値を取り囲むカラーゲージで表され、年齢と性別に応じてレベル分けされています。これにより、単に数値を知るだけでなく、自分の心肺機能が同年代と比較してどのレベルにあるのかを直感的に理解できます。
評価は以下の5段階に色分けされています:
- 「優れている」(上位5%以上):紫色
- 「非常に良い」(上位6~20%):青色
- 「良い」(上位21~40%):緑色
- 「普通」(上位41~60%):黄色
- 「悪いまたは非常に悪い」(上位60%未満):赤色
例えば「優れている」評価を得るために必要なVO2Max数値は年齢と性別によって異なります。具体的には以下のような目安があります:
- 40代男性:53以上
- 50代男性:49以上
- 40代女性:46以上
- 50代女性:42以上
年齢が上がるにつれて、同じ評価を得るために必要なVO2Max数値は低くなる傾向があります。これは、年齢とともに一般的にVO2Maxが低下することを考慮したものです。
このカラーゲージは、自分の心肺機能の状態を客観的に把握する上で役立ちます。例えば、「普通」(黄色)から「良い」(緑色)へと評価が変わったなら、トレーニングの成果が表れていると考えられます。
ただし、ここでも注意点として、これはあくまで同年代との比較であり、絶対的な競技パフォーマンスを示すものではありません。また、ガーミンの推定値は正確ではない場合もあるため、評価はあくまで参考程度に考えるのが適切です。
ガーミンのVO2Max表示方法とその活用術
- ガーミンVO2Maxを正確に計測するには心拍計測と適切な設定が必要
- ガーミンVO2Maxを上げるにはインターバルトレーニングが効果的である
- ガーミンVO2Maxの精度は参考値として考えるべきである
- ガーミンVO2Maxからの予想タイムは目安として活用するべきである
- ガーミンVO2Maxをロードバイクでも活用することができる
- まとめ:ガーミンVO2Max表示方法と活用のポイントは設定と定期的な計測にある
ガーミンVO2Maxを正確に計測するには心拍計測と適切な設定が必要
ガーミンでVO2Maxを正確に計測するためには、いくつかの重要なポイントがあります。最も基本的なのは、心拍数データの質を高めることです。
まず、心拍計測の方法について検討しましょう。ガーミンのデバイスには、手首で測定する光学式心拍計が内蔵されていることが多いですが、より正確な測定を望むなら、胸部ベルト式の心拍計の使用がおすすめです。手首の光学式心拍計は便利である一方、動きや装着状態によって精度が落ちることがあります。特に高強度のトレーニング中や寒冷環境では、胸部ベルト式の方が安定した測定が可能です。
次に、デバイスの設定を最適化しましょう。前述した「最大心拍数の自動検出」、「パフォーマンスコンディション」、「TrueUp」の3つの設定をオンにすることが基本です。さらに、ユーザープロフィールの情報(年齢、性別、体重など)を正確に入力することも重要です。これらの情報はVO2Max計算のパラメータとして使われるため、誤った情報は測定精度に影響します。
計測時の環境や条件も重要です。VO2Maxの正確な計測には、次の条件を満たすことが理想的です:
- 屋外での活動(GPS信号を受信できる環境)
- 平坦なコースでの一定強度のランニング
- 最低10分以上(機種によっては15分以上)の継続した活動
- 適切な強度(最大心拍数の65%以上が目安)
また、体調や気象条件によってもVO2Maxの測定値は変動します。疲労している時や極端な暑さ・寒さの中では、普段より低い値が出ることがあります。したがって、定期的に似たような条件下で測定し、長期的な傾向を見ることが大切です。
機種によっては、VO2Maxの測定頻度や更新条件が異なる場合もあります。一部の機種では毎回のアクティビティ後に更新されますが、他の機種では一定期間のデータを集めて更新することもあります。使用している機種の特性を理解しておくと、測定値の変化を適切に解釈できるでしょう。
ガーミンVO2Maxを上げるにはインターバルトレーニングが効果的である
ガーミンで計測されるVO2Maxの数値を向上させたいなら、効果的なトレーニング方法を取り入れることが重要です。特に高強度インターバルトレーニング(HIIT)は、VO2Maxを効率的に向上させるのに効果的であることが多くの研究で示されています。
インターバルトレーニングとは、高強度の運動と低強度の回復期間を交互に繰り返すトレーニング方法です。具体的には以下のようなパターンが効果的です:
- 短時間高強度インターバル:30秒間の全力ダッシュ後、90秒間のジョギングや歩行を8回繰り返す
- 中時間インターバル:3分間の高強度ランニング(最大心拍数の85-90%程度)後、3分間のジョギングを4-5回繰り返す
- 長時間インターバル:5分間の強めのペース(最大心拍数の80-85%程度)後、2-3分間の回復を3-4回繰り返す
これらのインターバルトレーニングを週に1-2回取り入れることで、心肺機能の向上が期待できます。ただし、初心者の場合は、まずは基礎的な持久力をつけてから取り組むことをおすすめします。
また、効果的なVO2Max向上には、心拍ゾーンを意識したトレーニングも有効です。特に最大心拍数の70~85%のゾーンでのトレーニングは、心肺機能の向上に効果的とされています。ガーミンのデバイスには心拍ゾーンを表示する機能があるため、これを活用してトレーニング強度を管理しましょう。
さらに、長距離のスローペースランニング(LSD:Long Slow Distance)も持久力の基礎を作るのに効果的です。インターバルトレーニングと組み合わせることで、バランスの取れた心肺機能の向上が期待できます。
VO2Maxの向上は一夜にして達成されるものではなく、継続的なトレーニングが必要です。通常、明確な向上が見られるまでには4-8週間程度かかることもあります。焦らず、計画的にトレーニングを積み重ねることが大切です。
トレーニングプログラムの作成には、ガーミンコネクトのトレーニングプラン機能や、ガーミンコーチの活用も検討してみましょう。これらの機能を使えば、自分のレベルに合わせたプログラムで効率的にトレーニングを進めることができます。
ガーミンVO2Maxの精度は参考値として考えるべきである
ガーミンデバイスが提供するVO2Max測定値は便利ですが、その精度については適切に理解しておく必要があります。これらの値はあくまでも推定値であり、完全に正確なものではありません。
ガーミンのVO2Max測定では、心拍数データとランニングスピード、ユーザープロフィール情報などから計算式を用いて推定しています。一方、医療・スポーツ科学の分野での標準的なVO2Max測定は、専用の呼気ガス分析装置を使用し、マスクを着用した状態で強度を徐々に上げていく運動を行いながら直接測定します。
両者を比較した研究によると、ガーミンなどのウェアラブルデバイスのVO2Max推定値は、標準的な測定法と比べて誤差があることが分かっています。一般的には±10%程度の誤差が生じる可能性があり、状況によってはそれ以上の差が出ることもあります。
また、ガーミンのVO2Max推定値は様々な要因によって日々変動することがあります。例えば:
- きつめの運動をした後に軽い運動を長めにすると、心拍数が高いままになり、VO2Maxが低く評価されることがある
- 心拍計の測定精度が低下した場合(装着位置のずれ、汗による影響など)
- 極端な気象条件(暑さや寒さ)での運動時
- 疲労やストレス、睡眠不足などの体調要因
これらの理由から、ガーミンのVO2Max値は単独の測定値よりも、長期的な傾向を見るための指標として活用するのが適切です。例えば、3ヶ月間のトレーニング後にVO2Maxが48から52に向上したなら、心肺機能が改善している可能性が高いでしょう。
ただし、数値の微小な変動(1-2ポイント程度)については、測定誤差の範囲内である可能性も考慮すべきです。また、同じVO2Max値であっても、実際のランニングパフォーマンスには個人差があることを忘れないでください。
ガーミンのVO2Max推定値は、プロフェッショナルな測定に代わるものではなく、トレーニングの成果を手軽に追跡するための便利なツールとして捉えるのが最適です。特に競技レベルでのトレーニングを行っている場合は、より正確な測定方法と組み合わせて活用することをおすすめします。
ガーミンVO2Maxからの予想タイムは目安として活用するべきである
ガーミンのデバイスでは、計測されたVO2Maxに基づいて、5キロ、10キロ、ハーフマラソン、フルマラソンなどの距離における予想タイムが表示されます。この機能は多くのランナーにとって興味深いものですが、その活用方法については理解しておくべきポイントがあります。
まず、ガーミンの予想タイムがどのように計算されているかを知っておくことが重要です。最新世代の機種(ForeAthlete 245など)では、VO2Maxだけでなく、過去数週間のトレーニング履歴や現在のフィットネス状態なども考慮して予想タイムを算出しています。一方、前世代の機種(ForeAthlete 235Jなど)では、VO2Maxの値と予想タイムが1対1で対応していました。
これらの予想タイムと実際のタイムには、しばしば乖離が生じることがあります。例えば、VO2Maxが高くても以下の要因により実際のレースではそのタイムを達成できないことがあります:
- 特定の距離に対するトレーニング不足
- レースでのペース配分の誤り
- コースの特性(高低差、路面状態など)
- 気象条件(気温、湿度、風など)
- レース当日の体調
- 精神的要因(プレッシャー、モチベーションなど)
では、ガーミンの予想タイムをどのように活用すれば良いのでしょうか。
まず、目標設定の参考として使うことができます。例えば、現在の予想タイムが「3時間30分」のフルマラソンなら、トレーニングの目標として「3時間30分を切る」といった具体的な目標を立てることができます。
また、自分の距離適性を把握する手がかりにもなります。予想タイムを距離別に比較することで、自分が「スピード型」なのか「スタミナ型」なのかの傾向を知ることができます。例えば、短い距離の予想タイムが優れている場合は「スピード型」、長い距離になるほど相対的に予想タイムが良くなる場合は「スタミナ型」と考えられます。
トレーニングペースの設定にも活用できます。予想タイムからペースを逆算し、インターバルトレーニングやテンポ走などの目標ペースとして参考にすることができます。ただし、実際のトレーニングでは、その日の体調や環境に応じて調整することが大切です。
重要なのは、予想タイムを絶対視せず、あくまで参考値として捉えることです。特に実績のないレース距離にチャレンジする場合は、予想タイムよりも保守的なペース設定から始め、経験を積みながら自分に合ったペース戦略を見つけていくことが賢明です。
ガーミンVO2Maxをロードバイクでも活用することができる
ガーミンのVO2Max機能はランニングだけでなく、サイクリングでも活用することができます。特にロードバイク愛好者にとって、この機能は心肺機能の向上や効率的なトレーニングのための貴重なツールとなります。
サイクリングでVO2Maxを計測できるガーミン製品には主に二つのカテゴリーがあります。一つはサイクリング専用のEdgeシリーズ(Edge 530、Edge 830など)、もう一つはマルチスポーツ対応のスマートウォッチ(Fenix 5 Plus以降のモデル、ForeAthlete 945など)です。これらの製品を使えば、ロードバイクでのライド中にVO2Maxを計測・表示することができます。
サイクリングでのVO2Max計測には、パワーメーターの利用が推奨されています。パワーメーターを使用することで、発揮しているパワー(ワット数)と心拍数の関係から、より正確なVO2Max推定が可能になります。パワーメーターがない場合でも計測は可能ですが、勾配や風の影響などにより精度が落ちる可能性があります。
ロードバイクでのVO2Max活用方法には以下のようなものがあります:
- トレーニング強度の管理:サイクリング中にリアルタイムでVO2Maxの値を確認することで、適切な強度でトレーニングできます。
- 疲労管理:ハードなトレーニングの後にVO2Maxが下がった場合は、休息が必要であることを示唆しています。これを参考に回復日を適切に設定できます。
- フィットネスレベルの追跡:VO2Maxの推移を追うことで、トレーニングの効果を客観的に評価できます。
- FTP(機能的閾値パワー)の推定:一部のガーミンデバイスでは、VO2Maxからおおよそのフィップ値を推定できます。これはトレーニングゾーンの設定に役立ちます。
ロードバイクでVO2Maxを効果的に向上させるトレーニング方法も、ランニングと似ています。インターバルトレーニングが特に効果的で、例えば以下のようなメニューが考えられます:
- 30秒間の全力スプリント後、2分間の軽いペダリングを8回繰り返す
- 5分間の高強度ライド(FTPの110-120%程度)後、3分間の回復を4-5回繰り返す
- 20分間のスレッショルドライド(FTPの95-100%程度)を2セット、間に10分の回復
ガーミンコネクトアプリでは、サイクリングに特化したVO2Maxの設定や表示も可能です。アプリ内でサイクリングのデータを分析し、トレーニングの効果や進捗を確認することができます。
ただし、サイクリングでのVO2Max測定にも限界があることを理解しておくことが重要です。ランニングと同様に、あくまでも推定値であり、実際のパフォーマンスとは異なる場合があります。また、ランニングとサイクリングのVO2Max値は一般的に異なり、サイクリングの方が若干低い値になることが多いです。
まとめ:ガーミンVO2Max表示方法と活用のポイントは設定と定期的な計測にある
最後に記事のポイントをまとめます。
- ガーミンウォッチでVO2Maxを確認するにはパフォーマンスウィジェットを使用し、DOWNボタンでウィジェットを表示させてから選択する
- Garmin Connectアプリではメニュー→パフォーマンス統計→VO2Maxの順にタップして表示できる
- VO2Maxとは最大酸素摂取量を示す指標で、心肺機能の強さを表す重要な値である
- VO2Maxが表示されない場合は「最大心拍数」「パフォーマンスコンディション」「TrueUp」の設定を確認する
- VO2Max計測には屋外で最低10分以上のランニングと心拍計測が必要である
- 主な対応機種はForeAthleteシリーズ、Fenixシリーズ、一部のVívoシリーズ、Edgeシリーズである
- VO2Maxの数値は年齢と性別に応じて評価され、紫・青・緑・黄・赤の5段階で色分けされる
- 正確な計測には胸部ベルト式心拍計の使用と適切な運動強度が重要である
- VO2Maxを向上させるにはインターバルトレーニングや心拍ゾーントレーニングが効果的である
- ガーミンのVO2Max値と予想タイムはあくまで参考値であり、実際のパフォーマンスとは異なる場合がある
- VO2Maxの活用には長期的な傾向を見ることが重要で、日々の微小な変動に一喜一憂しないこと
- ロードバイクでもVO2Max計測が可能で、パワーメーターを併用するとより精度が向上する
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://garmin.space/?p=62&page=2
- https://support.garmin.com/ja-JP/?faq=HVMcrDvQ3m2xEFh1aVMbU8
- https://pipio.run/2021/03/08/vo2max/
- https://www8.garmin.com/manuals-apac/webhelp/vivosport/JA-JP/GUID-A38CC0EF-7B25-4BA9-9BB3-73DD54CC879A-8692.html
- https://www.garmin.co.jp/products/apps/garmin-connect-mobile/
- https://outdoor-enjoylabo.com/vo2max/
- https://www.garmin.co.jp/minisite/runningscience/
- https://54runtrail.com/runninggear/garmin_vo2max/
- https://www.garmin.co.jp/products/wearables/foreathlete-45s-iris/
- https://ameblo.jp/naococon/entry-12784846322.html