ユンハンスの腕時計は「恥ずかしい」というワードで検索される機会が多いようです。しかし、その評価は大きな誤解といえるでしょう。1861年に創業したドイツの老舗時計メーカーであるユンハンスは、20世紀初頭には年間300万個を生産する世界最大の時計メーカーにまで成長しました。
特にバウハウスの影響を受けたデザインは、多くの芸能人にも支持されています。星野源さん、堺雅人さん、松坂桃李さんなど、実力派の俳優たちが着用しているのも、その品質の高さを物語っています。シンプルで洗練されたデザイン、リーズナブルな価格設定、そして確かな技術力を持つユンハンスについて、詳しく見ていきましょう。
この記事のポイント!
- ユンハンスの160年以上に及ぶ歴史と伝統について
- バウハウスデザインを採用した理由と特徴について
- マックスビルやマイスターなど、主要コレクションの特徴
- 芸能人の着用例と人気モデルの詳細
ユンハンス腕時計は恥ずかしいという誤解の真相
- ドイツの伝統ある高級時計ブランドとしての歴史
- シンプルで洗練されたバウハウスデザインが特徴
- リーズナブルな価格設定の理由と品質の高さ
- 実用性を重視したドイツ時計の特徴
- 人気の「マックスビル」シリーズの魅力
- デザイン性と機能性を兼ね備えたマイスターシリーズ
ドイツの伝統ある高級時計ブランドとしての歴史
ユンハンスは1861年に、エアハルト・ユンハンスとクサヴァー・ユンハンスの兄弟によって創業されました。ドイツのシュヴァルツヴァルトに位置するシュランベルクで、当初は壁掛け時計のメーカーとしてスタートしています。
創業から5年後の1866年には、初めての自社製時計を開発。その後、急速な成長を遂げ、1903年には従業員3000人を抱え、年間300万個もの時計を生産する世界最大の時計メーカーへと成長しました。
アメリカ式のマーケティング手法を取り入れた結果、1890年には現在も使用されている星型のロゴが採用されました。このロゴは日本での販売時にも「Jマーク」「星型ロゴ」として注目されています。
腕時計の製造は1927年に開始され、1930年には自社製のムーブメントも開発。1956年にはロレックスやオメガに並ぶ知名度を獲得するまでに至りました。
第二次世界大戦中は規模を縮小せざるを得ない状況でしたが、他のドイツブランドが大きな被害を受ける中、ユンハンスは幸運にも大きな被害を免れ、戦後すぐに製造を再開することができました。
シンプルで洗練されたバウハウスデザインが特徴
バウハウスは1919年から1933年までドイツに存在したデザイン学校で、「形態は機能に従う」という思想を掲げていました。この影響を受けたユンハンスの時計は、無駄を省いたシンプルなデザインが特徴です。
現代でも目にする機会の多いバルセロナチェアや「futura」フォントなど、バウハウスの影響を受けた作品は私たちの身の回りに数多く存在しています。ユンハンスもこの思想に共感し、機能性を重視した時計作りを行っています。
特にユンハンスの場合、機能を不必要に増やすことを避け、カラーバリエーションも必要最小限に抑えています。この姿勢は、マックスビルやマイスター、新しいフォームシリーズにも一貫して見られます。
デザインの特徴として、ベゼルを極力薄くし、文字盤を大きく見せる工夫が施されています。また、ドーム型の風防や文字盤など、視認性と美しさを両立させた要素が随所に見られます。
このようなデザイン哲学は、時代や流行に左右されない普遍的な魅力を生み出しています。
リーズナブルな価格設定の理由と品質の高さ
ユンハンスの時計は、デザインを中心に開発されているため、ムーブメントは購入品を使用しています。これにより、複雑な機能やシースルーバックでのムーブメント鑑賞は難しいものの、リーズナブルな価格設定が可能となっています。
マックスビルやマイスターなどの主要コレクションは、20万円から40万円程度で展開されており、エントリーモデルは6万円台から購入可能です。この価格帯は、同じような歴史を持つ高級時計ブランドと比較すると、かなり手頃といえます。
ムーブメントにはスウォッチグループのETA社製を採用しており、世界中で広く使用されている信頼性の高いものです。このため、街の時計店でも修理やメンテナンスが可能という利点があります。
品質面では、ドイツ製の高い技術力が活かされており、長年の時計製造で培われた確かな品質管理が行われています。特に世界初の電波時計を開発したという実績は、その技術力の高さを示しています。
スチールバックには、マックスビルモデルならデザイナーのサインが刻印されるなど、コンセプトに合わせた細やかな配慮も見られます。
実用性を重視したドイツ時計の特徴
ユンハンスは西ドイツの時計メーカーとして、実用性を重視した時計作りを行ってきました。特に電波時計の分野では、世界で初めて電波式腕時計を開発した実績を持っています。
クオーツ時計・電波時計の正確さと手軽さは、現代の生活スタイルに合わせた実用的な選択といえます。特に新しいモデルでは、専用アプリとの連携による時刻設定や、タイムゾーンの切り替えなど、より使いやすい機能が追加されています。
また、チタンケースを採用したモデルも展開されており、軽量化による着用感の向上にも注力しています。パイロットウォッチの開発経験を活かし、視認性や操作性にも優れています。
世界中で使用されているETAムーブメントの採用により、メンテナンス性も確保。長く使い続けられる実用的な時計として設計されています。
時間の正確性においても、0.5秒ごとのステップ運針や、分針の正確な動きなど、細部にまでこだわりが見られます。
人気の「マックスビル」シリーズの魅力
マックスビルシリーズは、1961年にバウハウス最後の巨匠と言われるマックスビルがデザインした腕時計をベースにしています。元々は1956年にキッチンクロックとしてデザインされた時計を腕時計用にアレンジしたものです。
特徴的なフォントを使用したオールアラビアインデックスや、極限まで薄くしたベゼル、大きな文字盤など、独特なデザイン要素により、一目でマックスビルモデルと分かる個性を持っています。
ドーム型の風防とボンベ型文字盤、そして先端が曲げられた針の組み合わせは、レトロな雰囲気を醸し出しながらも現代的な印象も併せ持っています。視認性は非常に高く、黒い文字盤に銀の数字と目盛りが映えるデザインとなっています。
マックスビルシリーズには、シンプルな3針モデルからクロノグラフまで、様々なバリエーションが用意されています。また、クォーツモデルから自動巻き、手巻きまで、好みに合わせて選択できます。
近年では電波時計のモデルも追加され、クラシカルなデザインと最新技術を組み合わせた新しい選択肢も提供しています。
デザイン性と機能性を兼ね備えたマイスターシリーズ
マイスターシリーズはマックスビルから派生したコレクションで、レトロなマックスビルに対してよりモダンな印象に仕上げられています。1950年代当時の機械式時計をベースにしながら、現代的なエッセンスを加えた魅力的なシリーズとなっています。
クロノグラフやムーンフェイズなどの機能を備えたモデルも展開されており、実用的な機能とデザイン性の両立を図っています。マイスタークラシック、マイスターメガ、マイスターパイロット、マイスタードライバーなど、様々なバリエーションがあります。
特にマイスターパイロットは、1930年代の航空機用時計の伝統を受け継ぎ、視認性の高いオールアラビアインデックスと夜光処理、特徴的な12角形ベゼルを備えています。当時のデザインを忠実に再現しながら、現代の技術で使いやすさを向上させています。
マイスタードライバーは、メルセデス・マイバッハからインスピレーションを得た高級感のあるモデルで、1930年代の名車「マイバッハ ツェッペリン」の特徴を反映したデザインとなっています。
インダイヤルは丸く凹んだ形状で立体感があり、細部へのこだわりが感じられます。
ユンハンス腕時計は恥ずかしくない理由と選び方
- 星野源や堺雅人など著名人も愛用する実力派
- メンズ・レディース共に使える豊富なラインナップ
- コストパフォーマンスの高さが魅力
- 世界初の電波時計開発など技術力の高さ
- フォルムや素材にこだわった本物志向
- まとめ:ユンハンス腕時計は恥ずかしくない、むしろ誇れる一本
星野源や堺雅人など著名人も愛用する実力派
星野源さんは「逃げるは恥だが役に立つ」でマックスビル Ref.027/4002.00を着用しています。バーインデックスの3針と日付表示という、無駄を省いたシンプルなモデルを選んでいます。
堺雅人さんは「Dr.倫太郎」でマックスビル クロノスコープ Ref.027/4600.00を使用。このモデルはマックスビルの世界観を保ちながら、クロノグラフ機能を搭載した実用的な一本です。
松坂桃李さんもドラマ「サイレーン 刑事×彼女×完全悪女」でマックスビル Ref.027/4701.00を着用しています。黒文字盤にバーインデックスを配した、シンプルな3針モデルを選んでいます。
加藤浩次さんは同じくマックスビル クロノスコープ Ref.027/4600.00を愛用。40mmケースながら薄いベゼルとドーム型文字盤により、存在感のある仕上がりとなっています。
女優の木村文乃さんはマックスビル Ref.047/4251.00を着用。クォーツモデルながら機械式と同じデザインで、サイズダウンされた使いやすいモデルとなっています。
メンズ・レディース共に使える豊富なラインナップ
ユンハンスは、マックスビル、マイスター、フォームと、異なる個性を持つシリーズを展開しています。それぞれのシリーズで3針モデルからクロノグラフまで、様々な機能のモデルが用意されています。
マックスビルシリーズには、オートマティック、ハンドワインド、クォーツ、電波時計など、幅広い選択肢があります。レディースモデルも同じデザインで32.7mmとコンパクトなサイズ感に仕上げられています。
マイスターシリーズでは、クラシック、パイロット、ドライバーなど、異なるテイストのモデルを展開。それぞれに合わせた独自の魅力を持つデザインとなっています。
フォームシリーズは2017年に登場した新しいコレクションで、従来のドーム型ではなくフラットな風防を採用。自動巻きのフォームA、クロノグラフのフォームC、電波時計のフォームメガ、レディースモデルのレディと、様々なバリエーションが用意されています。
文字盤カラーやストラップの種類も豊富で、好みに合わせた選択が可能となっています。
コストパフォーマンスの高さが魅力
ユンハンスは、ETAムーブメントを採用することで価格を抑えつつ、高い品質を実現しています。正規品は6万円台から購入可能で、主力のマックスビルやマイスターシリーズは20万円から40万円程度で展開されています。
ETAムーブメントは世界中で使用されている信頼性の高いものです。修理やメンテナンスが容易で、長期的な使用を考えても安心できる選択となっています。
品質面では、ドイツの工業技術を活かした確かな作りこみがされています。特にバウハウスの思想を取り入れた洗練されたデザインは、価格以上の価値を感じさせます。
1861年からの歴史と伝統を持つブランドでありながら、このような価格設定で提供できるのは、デザインと実用性に焦点を当てた開発方針によるものです。
特にマックスビルシリーズは、60年以上変わらないデザインで多くのファンを魅了し続けています。
世界初の電波時計開発など技術力の高さ
ユンハンスは西ドイツの時計メーカーとして、実用性を重視した技術開発を行ってきました。世界で初めて電波式腕時計の開発に成功し、その技術は現代でも進化を続けています。
最新の電波時計モデルでは、専用アプリとの連携による時刻設定や、永久カレンダー機能、タイムゾーンの切り替えなど、実用的な機能が搭載されています。
秒針の0.5秒ごとのステップ運針や、60秒での正確な分針の送りなど、細部にまでこだわった技術が採用されています。
チタンケースの採用による軽量化や、サファイアクリスタルの採用による耐傷性の向上など、実用面での進化も続けています。
一日に1440回もの時刻同期を行うなど、正確な時を刻むための技術開発に注力しています。
フォルムや素材にこだわった本物志向
ユンハンスの時計は、ベゼルを極限まで薄くすることで文字盤を大きく見せる工夫や、ドーム型の風防による独特の光の反射など、細部にまでこだわりが見られます。
マックスビルシリーズでは、文字盤上に極小の「MADE IN GERMANY」の刻印や、裏蓋へのデザイナーのサインなど、本物ならではの細やかな仕上げが施されています。
ストラップには生後6ヶ月までの仔牛革であるカーフを使用し、柔らかな肌触りと適度な光沢を実現。肌理が細かく、高級感のある仕上がりとなっています。
マイスターパイロットシリーズでは、かつてドイツ軍に納入された時計の特徴を忠実に再現。12角形のベゼルや大きなプッシャーなど、実用性と歴史的な価値を両立しています。
マイスタードライバーでは、メルセデス・マイバッハのダッシュボードからインスピレーションを得たデザインや、インダイヤルの立体的な処理など、随所に高級感を演出する工夫が施されています。
まとめ:ユンハンス腕時計は恥ずかしくない、むしろ誇れる一本
最後に記事のポイントをまとめます。
- 1861年創業の伝統ある高級時計メーカーである
- 20世紀初頭には世界最大の時計メーカーとして300万個を生産
- バウハウスの思想を取り入れた機能美あふれるデザイン
- マックスビルシリーズは60年以上愛され続ける名作
- 世界初の電波式腕時計を開発した技術力
- 星野源や堺雅人など多くの著名人が愛用
- 6万円台から購入可能な手頃な価格設定
- ETAムーブメントによる安心のメンテナンス性
- マックスビル、マイスター、フォームの3つの主要コレクション
- ドイツの工業技術を活かした確かな品質
- メンズ・レディース共に豊富なラインナップ
- カーフレザーやサファイアクリスタルなど上質な素材使用