ロレックスの兄弟ブランドとして知られるチューダー(TUDOR)が、2025年1月に価格改定を実施しました。独自調査の結果、今回の値上げ率は4~6%前後と、2024年1月の約8~10%よりは抑えられた印象ですが、高級時計市場全体の価格上昇傾向が続く中で、チューダーもその流れに乗る形となっています。

この記事では、チューダーの最新価格改定情報や値上げの背景、人気モデルの価格推移、そして今後の相場予測までを詳しく解説します。また、値上げ後でもお得に購入する方法や、投資価値の高いモデル選びのポイントもご紹介します。現在チューダーの購入を検討している方や、時計投資に興味がある方は必見の内容です。
記事のポイント!
- 2025年1月の価格改定で、チューダーの主要モデルは4~6%前後値上げされた
- ブラックベイ58やブラックベイGMTなど人気モデルはすでに定価を超えるプレミア価格で取引されている
- 原材料費高騰、ブランド価値向上、需要増加などが値上げの主な理由
- 生産終了モデルやリミテッドエディションは特に価格高騰が著しく、投資価値が高い
チューダー価格改定の最新動向と背景
- 2025年1月の価格改定で4~6%前後の値上げが実施された
- 過去5年間で頻繁な価格改定が行われてきた経緯
- 値上げの背景には原材料費高騰やブランド価値向上の狙いがある
- 人気モデルほど値上げ率が高い傾向にある
- ロレックスの値上げとチューダー価格改定の関連性
- 今後も値上げが続く可能性は高い
2025年1月の価格改定で4~6%前後の値上げが実施された
2025年1月、チューダーは日本国内での価格改定を実施しました。独自調査によると、今回の値上げ率は平均4~6%前後となっています。これは2024年1月の値上げ率(約8~10%)と比べるとやや抑えられた印象です。
例えば、人気モデルのブラックベイ58(79030N)は、561,000円(旧価格519,200円)となり、約8%の値上げとなりました。また、ブラックベイGMT(79830RB)は613,800円(旧価格568,700円)へと約8%値上がりしています。
この値上げはモデルによって差があり、エントリーモデルよりもハイエンドモデルの方が値上げ率が高い傾向が見られます。特にSSブレスモデルの値上げが顕著で、一部のモデルでは10%近い値上げとなっています。
高級時計市場全体が価格高騰傾向にある中で、チューダーの値上げは比較的抑えめだと言えるでしょう。しかし、頻繁な価格改定によって、数年前と比較すると大幅に価格が上昇していることは否めません。
過去5年間で頻繁な価格改定が行われてきた経緯

チューダーの価格改定は今回が初めてではありません。過去5年間を振り返ると、価格改定は非常に頻繁に行われています。
主な価格改定時期:
- 2020年1月:約5%の値上げ
- 2021年8月:約8%の値上げ
- 2022年1月:約5%の値上げ
- 2022年8月:約3%の値上げ
- 2023年1月:約10%の値上げ
- 2023年9月:約3%の値上げ
- 2024年1月:約8~10%の値上げ
- 2025年1月:約4~6%の値上げ
このように、ほぼ半年~1年ごとに価格改定が行われており、累積すると大幅な値上げとなっています。例えば、2018年に日本に正規上陸した当初378,000円だったブラックベイ58は、2025年1月時点で561,000円となり、約48%も値上がりしています。
特に注目すべきは、新型コロナウイルスの影響で世界経済が停滞していた時期にも値上げが続いていたという点です。これは、高級時計が単なる消費財ではなく、投資対象としても見られるようになったことが背景にあると考えられます。
値上げの背景には原材料費高騰やブランド価値向上の狙いがある
チューダーが定期的に価格改定を行う背景には、複数の要因が考えられます。
第一に、原材料費の高騰が挙げられます。チューダーの時計には高品質なステンレススチールや貴金属、そしてムーブメントの精密部品などが使用されていますが、これらの素材の価格が世界的に上昇しています。特に近年の世界情勢の不安定さが、原材料の調達コストに大きく影響しています。
第二に、ブランド価値向上の戦略が考えられます。チューダーはロレックスの姉妹ブランドとして高品質を保ちながらも、より手の届きやすい価格帯を提供してきましたが、近年はブランドの独自性を高め、ラグジュアリーウォッチとしての地位を確立する動きが見られます。
第三に、需要の高まりも大きな要因です。特に2018年の日本上陸以降、チューダーへの注目度は飛躍的に高まり、人気モデルは品薄状態が続いています。需要と供給のバランスが崩れていることが、価格上昇を後押ししていると言えるでしょう。
さらに、為替変動も価格改定の理由の一つです。スイスフランと日本円などの間で為替レートが変動すると、国内外での価格差を調整するために価格改定が行われることがあります。
人気モデルほど値上げ率が高い傾向にある
チューダーの価格改定において興味深い点は、人気モデルほど値上げ率が高い傾向が見られることです。特に以下のモデルは大幅な値上げが行われています。
- ブラックベイ58(79030N/B):2018年発表の人気モデル。39mmのケースサイズと1958年の「ビッグクラウン」をモチーフにしたデザインが好評で、常に品薄状態が続いています。最新定価は561,000円で、2018年発売時と比較すると約48%の値上げとなっています。
- ブラックベイGMT(79830RB):ロレックスGMTマスターIIを彷彿とさせる赤青ベゼル(通称ペプシベゼル)が特徴的なモデル。一時期は定価を大きく上回る価格で取引されていました。最新定価は613,800円です。
- ブラックベイ クロノ “ピンク”(79360N-0019):2024年新作として登場したピンクダイアルモデル。デイヴィッド・ベッカムが共同オーナーを務めるサッカーチーム・インテル・マイアミCFのチームカラーをモチーフにしています。希少性からプレミア価格で取引されており、定価831,600円に対して2025年1月時点で150万円程度で販売されています。
このように、特に限定モデルや人気の高いモデルは、値上げ率が高いだけでなく、中古市場でも定価を大きく上回る価格で取引されている現象が見られます。
ロレックスの値上げとチューダー価格改定の関連性
チューダーとロレックスは姉妹ブランドの関係であり、価格改定のタイミングにも関連性が見られます。実際、両ブランドの値上げ時期はほぼ同時期に行われることが多く、2025年1月の価格改定もロレックスと同時期でした。
ただし、値上げ率においては違いが見られます。2025年1月の価格改定では、ロレックスがゴールドモデルで約20%という大幅な値上げを実施したのに対し、チューダーは4~6%と比較的抑えめでした。
この背景には、両ブランドのポジショニングの違いがあると考えられます。ロレックスは超高級時計ブランドとしての地位をさらに強化する戦略を取っているのに対し、チューダーはまだ「手の届きやすい高級時計」という立ち位置を維持しようとしている可能性があります。
しかし、長期的に見れば、チューダーもロレックスに追随する形で価格を上げ続けていることは間違いありません。ロレックスの値上げが続く限り、チューダーも価格改定を続けると予想されます。
今後も値上げが続く可能性は高い

チューダーの価格改定の歴史と現在の市場動向を見ると、今後も値上げが続く可能性は高いと考えられます。その理由はいくつか挙げられます。
まず、高級時計市場全体が右肩上がりの傾向にあり、需要が増加し続けていることが大きな要因です。特に日本や中国、東南アジアなどの新興市場での需要拡大が著しく、供給が追いついていない状況です。
次に、原材料費の高騰や人件費の上昇傾向は今後も続くと予想されることから、製造コストの増加は避けられません。スイスの時計メーカーとして、高い品質を維持するためには、それに見合った価格設定が必要になります。
さらに、為替変動も価格改定の要因となりますが、世界経済の不安定さを考えると、今後も為替相場は変動を続けるでしょう。
また、チューダーはブランドとしての価値を高め、高級時計市場での地位を確立しつつあります。このブランディング戦略の一環として、価格を徐々に引き上げていく可能性があります。
これらの要因を総合すると、今後1~2年の間にも再度の価格改定が行われる可能性は高いと言えるでしょう。購入を検討している方は、この点を考慮して決断することをおすすめします。

チューダー価格改定後の購入戦略と注目モデル
- 値上げ直前の在庫を狙うのが最もお得な購入方法
- ブラックベイシリーズは人気が高く価格上昇が著しい
- ペラゴスとレンジャーも安定した人気を誇るモデル
- 定価を超えるプレミアモデルはすでに複数存在する
- 生産終了モデルは特に価格高騰が期待できる投資対象
- 中古市場での購入もお得な選択肢となる
- まとめ:チューダー価格改定を踏まえた賢い購入判断のポイント
値上げ直前の在庫を狙うのが最もお得な購入方法
チューダーの腕時計をお得に購入する一番の方法は、値上げ直前の在庫を狙うことです。チューダーの価格改定は通常、各年の初めや半年ごとに行われる傾向があるため、12月や6月頃は特に注意して市場をチェックするとよいでしょう。
正規販売店では、価格改定の発表後も一定期間は旧価格で販売されることがあります。これは店舗の在庫状況や販売方針によって異なりますが、値上げ情報を入手したらすぐに正規店に足を運ぶことで、旧価格での購入チャンスを得られることもあります。
また、並行輸入品を扱う時計店も、値上げ前に仕入れた在庫を一定期間旧価格で販売することがあります。特に大手の並行輸入店は情報収集能力が高く、値上げ前に多くの在庫を確保していることが多いので、こうした店舗をチェックするのも効果的です。
なお、オンラインショップや時計フォーラムなどでも、値上げ情報が流れると旧価格での駆け込み販売が行われることがあります。SNSやメールマガジンなどで情報を収集し、素早く行動することが重要です。
ただし、人気モデルは値上げ前でも品薄状態が続いていることが多いため、全てのモデルでこの戦略が成功するわけではない点に注意が必要です。特にブラックベイ58やブラックベイGMTなどの人気モデルは常に在庫が少ない状態が続いています。
ブラックベイシリーズは人気が高く価格上昇が著しい
チューダーの中で最も人気が高く、価格上昇も著しいのがブラックベイシリーズです。特に以下のモデルは注目度が高く、相場も安定しています。
1. ブラックベイ58(79030N/B) 39mmのケースサイズと60年代のダイバーズウォッチを彷彿とさせるレトロなデザインが魅力のモデルです。2018年に発表されたブラック文字盤モデル(79030N)は、発売から4年以上経った今も高い人気を維持しています。2025年1月時点の定価は561,000円ですが、中古市場では52万円前後で取引されており、状態の良い個体は定価に近い価格を維持しています。
2. ブラックベイGMT(79830RB) 2018年に発表された、赤青ベゼルが特徴的なGMTモデルです。ロレックスGMTマスターIIとの共通点も多く、その手の届きやすさから高い人気を得ています。2025年1月時点の定価は613,800円で、中古市場でも50万円前後と高値を維持しています。発売当初は60万円近くまで価格が上がった時期もありました。
3. ブラックベイ プロ(79470) 2022年の新作として登場したGMTウォッチです。ロレックス エクスプローラーⅡ Ref.1655を彷彿とさせるデザインが特徴で、発売当初は高い注目を集めました。2025年1月の定価は618,200円ですが、中古市場では40~50万円台で取引されています。
4. ブラックベイ クロノ “ピンク”(79360N-0019) 2024年新作のピンクダイアルモデルは、チューダーの中でも特にプレミア価格が付いているモデルです。定価831,600円に対して、2025年1月時点では150万円程度で販売されており、プレミア率は約1.8倍にもなります。生産数が限られていることもあり、今後も高値が続く可能性が高いです。
ブラックベイシリーズは、チューダーの中心的存在であり、今後も新作や限定モデルが発表されることが予想されます。投資目的であれば、限定モデルや特徴的なカラーバリエーションに注目すると良いでしょう。
ペラゴスとレンジャーも安定した人気を誇るモデル
ブラックベイシリーズほどの爆発的な人気ではないものの、安定した支持を得ているペラゴスとレンジャーシリーズも注目に値します。これらのシリーズも価格改定の対象となっており、中古市場での相場も堅調に推移しています。
ペラゴスシリーズ
ペラゴスは、チューダーのプロフェッショナルダイバーズウォッチとして位置づけられるモデルです。チタニウム素材を使用した堅牢な作りと最大500mの防水性能が特徴で、本格的なダイビングを想定した実用性の高さが魅力です。
2025年1月の価格改定では、ペラゴス(25600TB/TN)が702,900円(旧価格651,200円)と約8%の値上げとなりました。また、2023年に登場したペラゴス39(25407N)は657,800円(旧価格609,400円)へと値上げされています。
ペラゴスFXDシリーズも注目モデルで、特にペラゴスFXDクロノ(25807KN)は740,300円(旧価格672,100円)と、約10%の大幅値上げとなっています。このモデルはカーボンコンポジット素材を使用した先進的なデザインが特徴で、コレクター心をくすぐる魅力があります。
中古市場では、ペラゴスの相場はやや軟調ですが、希少なカラーバリエーションや限定モデルは高値で取引される傾向があります。特に、生産終了したペラゴスLHD(左利き用モデル)などは、今後さらなる価格上昇の可能性を秘めています。
レンジャーシリーズ
レンジャーは、シンプルで実用的なデザインが魅力のフィールドウォッチです。2022年に39mmケースの新モデルが登場し、注目を集めました。
2025年1月の価格改定では、レンジャー(79950)のSSブレスモデルが488,400円(旧価格464,200円)と約5%の値上げとなっています。レザーストラップモデルも419,100円(旧価格374,000円)と値上げされました。
発売当初は品薄状態が続き、中古市場でも定価を上回る価格で取引されていましたが、徐々に落ち着きを見せ、2025年1月時点では40万円前後で取引されています。
レンジャーは比較的エントリー向けの価格帯ということもあり、チューダーの入門モデルとして人気があります。また、ロレックスのエクスプローラーIを彷彿とさせるデザインながら半額以下の価格帯という点も魅力の一つです。
どちらのシリーズも、実用性と美しさを兼ね備えたチューダーの哲学が体現されたモデルであり、長期的な視点で見れば価値が下がりにくいと言えるでしょう。
定価を超えるプレミアモデルはすでに複数存在する

チューダーは比較的手の届きやすい高級時計ブランドというイメージがありますが、実は現行モデルの中にもすでに定価を超えるプレミア価格で取引されているモデルが複数存在します。これらのモデルは、投資的価値が高いと言えるでしょう。
1. ブラックベイ クロノ “ピンク”(79360N-0019)
最も顕著なプレミアがついているのが2024年に登場したこのモデルです。デイヴィッド・ベッカムが共同オーナーを務めるサッカーチーム・インテル・マイアミCFのチームカラーである鮮やかなピンクを文字盤に採用した斬新なデザインが特徴です。
定価は831,600円ですが、2025年1月時点で中古市場では定価の約1.8倍にあたる150万円程度で取引されています。生産数が極めて限られていることから、今後も高値が続く可能性が高いモデルです。
2. ブラックベイ58 GMT(7939G1A0NRU)
2024年に発表された39mmサイズのGMTモデルで、ロレックスGMTマスターIIの「コーク」(赤黒ベゼル)を彷彿とさせるデザインが特徴です。定価671,000円に対して、発売直後は80万円を超えるプレミア価格がついていました。2025年1月時点では72~75万円前後と落ち着いてきていますが、依然として定価を上回る価格で取引されています。
3. ブラックベイ クロノ “フラミンゴブルー”(79360N-0024)
ピンクモデルに続いて登場した鮮やかなブルーダイアルのクロノグラフモデルです。こちらも限定生産モデルとされており、定価831,600円に対して、プレミア価格で取引されています。ただし、ピンクモデルほどの高値ではなく、100万円前後で取引されていることが多いようです。
4. ブラックベイ 58(79030N)
2018年の発売以来、長期間にわたって人気を維持している定番モデルです。一時期は定価を大きく上回る価格で取引されていましたが、現在は定価561,000円に対して中古相場は52万円前後と、ほぼ定価に近い価格で安定しています。ただし、新品の在庫は依然として少なく、正規店での購入は難しい状況が続いています。
これらのモデルがプレミア価格で取引されている理由は、限られた生産数、優れたデザイン性、そして高まるチューダーブランドへの注目度が挙げられます。特に限定モデルや特徴的なカラーバリエーションは、コレクターの間で高い需要があり、プレミア価格が付きやすい傾向にあります。
投資目的でチューダーを購入する場合は、これらのプレミアモデルに注目するとよいでしょう。ただし、プレミア価格は市場動向によって変動するため、購入タイミングには注意が必要です。
生産終了モデルは特に価格高騰が期待できる投資対象
チューダーの中でも特に注目すべきは生産終了モデルです。独自調査によると、生産が終了したモデルは希少性が高まり、価格が大幅に上昇する傾向があります。以下に、価格高騰が著しい生産終了モデルをご紹介します。
1. クロノタイム
1976年に誕生したクロノタイムは、チューダーの歴史を語る上で欠かせない名機です。特に初期モデル(79160)やセカンドモデル(79180)は、コレクターの間で高い人気を誇っています。発売当時は数十万円程度だったこれらのモデルは、現在80万円台後半から100万円以上で取引されています。
特に人気が高いのは「タイガーウッズモデル」と呼ばれるもので、文字盤にTIGERのロゴが印字された特別感のあるモデルです。タイガーウッズモデルの中でも、79260や79280Pなどは発売から約20年で価格が2~3倍に上昇しており、現在60万円前後で取引されています。
2. サブマリーナ
チューダー人気を決定づけた立役者とも言えるサブマリーナシリーズも、生産終了後に価格が上昇しています。特に1970年代に製造された通称「タコサブ」(メルセデス針を持つモデル・76100など)や「青サブ」(ステンレス製青ベゼルモデル・79090など)は、希少性が高く、状態の良い個体では100万円を超える価格で取引されることもあります。
3. ブラックベイ 79220R
2012年に登場した初代ブラックベイモデルは、チューダーローズと呼ばれる薔薇のロゴを持つことが特徴です。このロゴは現在の盾型ロゴに変更される前のデザインで、チューダーの歴史を感じさせる希少なモデルとなっています。
赤ベゼルが特徴的な79220Rは、数年前には30万円以下で取引されていましたが、現在では50万円前後まで価格が上昇しています。これは約60~70%の価格上昇率となり、投資対象としての価値が証明されています。
4. ブラックベイ クロノ ダーク 79360DK
2019年に「ラグビーワールドカップ2019」のオフィシャルタイムキーパーを務めた際に発表された限定モデルです。オールブラックス(ニュージーランド代表)をモチーフにした、マットブラックのPVDコーティングが特徴的です。
初回生産数1,181本の限定モデルとして発売され、当時の定価は643,500円でしたが、2022年8月時点では120万円以上で取引されていました。現在は96~111万円(2025年1月時点)と若干下落しているものの、依然として高値を維持しています。
これらの生産終了モデルが高騰している理由は、単に「生産終了」という希少性だけでなく、チューダーのブランド価値の向上や、ヴィンテージ時計市場全体の活況も影響しています。
投資目的でチューダーを購入する場合は、現行モデルよりも生産終了モデルを選ぶ方が、価格上昇の可能性は高いと言えるでしょう。特に状態の良い個体や付属品が完備された個体は、より高い価格で取引される傾向があります。
中古市場での購入もお得な選択肢となる
チューダーの価格改定が続く中、中古市場での購入も賢い選択肢となっています。定価が上がり続ける新品に比べ、中古市場では比較的安定した価格で購入できるケースが多く、特にエントリーモデルやレギュラーモデルではお得に購入できる可能性があります。
中古チューダーの価格相場
一般的に、チューダーの中古相場は定価の6割~7割程度を目安とすることができます。ただし、前述したプレミアモデルや人気の高いモデルは例外で、定価に近い価格、あるいはそれを上回る価格で取引されることもあります。
例えば、ブラックベイ41(79230)シリーズの中古相場は35~40万円程度で、定価576,400円の約60~70%となっています。一方、ブラックベイ58(79030N)は中古でも52万円前後と、定価561,000円の約93%の価格を維持しています。
中古購入のメリット
- 価格の優位性:新品の値上げの影響を受けにくく、多くのモデルで定価より安く購入できます。
- 品揃えの豊富さ:生産終了モデルや希少モデルも含め、幅広いラインナップから選ぶことができます。
- 即納性:正規店で入手困難な人気モデルでも、中古市場なら比較的容易に入手できることがあります。
- 資産価値の安定性:購入後の価値下落が少ない傾向があります。特に定価より安く購入できれば、値下がりリスクも抑えられます。
中古購入時の注意点
- 状態の確認:外装の傷や内部機械の状態を十分に確認することが重要です。オーバーホール歴や保証書の有無なども価格に影響します。
- 真贋の確認:信頼できる専門店での購入をおすすめします。近年は精巧なコピー品も存在するため、注意が必要です。
- 付属品の確認:箱や保証書、余りコマなどの付属品が揃っていると、将来的な転売時にも有利になります。
- 購入後の保証:中古でも購入店による保証が付いているかどうかを確認しましょう。一般的に6ヶ月~1年の自然故障保証を設けている店舗が多いです。
おすすめの購入先
信頼できる中古時計専門店やオークションサイトが主な購入先となります。特に専門知識を持ったバイヤーが査定を行っている中古時計店では、品質のチェックが厳しく、偽物のリスクも低くなります。
オンラインショップでは、商品のコンディションや付属品の有無が明記されており、価格比較も容易です。一方、実店舗では実際に時計を手に取って確認できるメリットがあります。
中古市場でチューダーを購入する際は、人気モデルの相場動向をよく調査し、値段と状態のバランスが取れたものを選ぶことがポイントです。特に値上げ直後は、旧価格で購入した個体が中古市場に出回ることもあるため、タイミングをよく見極めることが重要です。

まとめ:チューダー価格改定を踏まえた賢い購入判断のポイント
最後に記事のポイントをまとめます。
- チューダーは2025年1月に4~6%前後の価格改定を実施し、主要モデルの定価が引き上げられた
- 過去5年間で頻繁な価格改定が行われ、累積すると大幅な価格上昇となっている
- 値上げの主な背景は原材料費高騰、ブランド価値向上、需要増加、為替変動である
- 人気モデルほど値上げ率が高い傾向があり、特にブラックベイ58やGMTなどが大きく値上がりした
- ロレックスとチューダーの価格改定は同時期に行われることが多く、両ブランドの関連性が見られる
- 今後も値上げが続く可能性が高く、購入を検討している場合は早めの決断が望ましい
- 値上げ直前の在庫を狙うことが最もお得な購入方法となる
- ブラックベイシリーズは人気が高く、特にブラックベイ58、GMT、プロ、クロノピンクなどが注目される
- ペラゴスとレンジャーも安定した人気を誇り、長期的な価値が期待できるモデルである
- ブラックベイクロノピンクやGMTなど、すでに定価を超えるプレミアモデルが複数存在する
- 生産終了したクロノタイム、サブマリーナ、初代ブラックベイなどは特に価格高騰が著しい
- 中古市場での購入も賢い選択肢であり、定価の6~7割程度を目安に探すとよい
- 投資目的であれば限定モデルや特徴的なカラーバリエーション、状態の良い生産終了モデルがおすすめ
- 中古購入時は状態、真贋、付属品、保証などを十分に確認することが重要
- チューダーブランドの価値向上と相まって、今後も良質な時計として資産価値が期待できる
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://piazo.jp/article/tudor-pricelist/
- https://bbs.kakaku.com/bbs/K0001092969/SortID=25078107/
- https://www.g-rare.com/column/tudor-price-increase/
- https://x.com/ilp00ruten/status/1874288883900572108
- https://zenmai-tokyo.com/2024/01/01/tudor-price-revision-202401/
- https://tudor.norennoren.jp/
- https://ameblo.jp/tused325/entry-12882803717.html
- https://www.wb-ookura.com/column/27553/
- https://tudorboutique-bolte.com/
- https://www.rasin.co.jp/blog/tudor/tudor-stableprices/